ペットロスとの向き合い方:つらいときにできることと話せる場所
この記事のポイント
- ペットロスとは、愛着のあるペットを死別や別離で失うことと、そのあとに続く悲しみのことです。
- 国内の研究では、ペットを亡くした直後の飼い主の約56%に、心の不調にあたる症状が見られました。強い悲しみは、めずらしいことではありません。
- 同じ研究では、治療について家族と前もって話し合っていた人や、悲しみを周りにわかってもらえたと感じた人は、症状が少ない傾向でした。
- 眠れない・食べられない日が続くなど、とてもつらいときは、厚生労働省が案内している電話相談や、かかりつけの医療機関に相談できます。
ペットロスとは、大切なペットを亡くしたり別れたりしたことと、そのあとに続く深い悲しみのことです。悲しみが長く続いたり、ふとした瞬間に涙が出たりするのは、自然なことです。ひとりで抱えずに、家族や同じ経験をした人と話すことが、少しずつ気持ちを整える助けになります。とてもつらいときに相談できる公的な窓口も、このページの最後にまとめました。
ペットロスとは?
ペットロスとは、愛着のあるペットを死別や別離で失う「対象喪失」のひとつです。獣医師・臨床心理士の濱野佐代子さん(帝京科学大学)は、日本心理学会のウェブ掲載記事で、このように説明しています。
同じ記事では、ペットを亡くしたあとの悲しみは、人を亡くしたあとの悲しみと似ているとする海外の研究も紹介されています。一方で、周りから「たかがペットで」と受け止めてもらえず、悲しみを表に出しにくいことも指摘されています。
出典:公益社団法人 日本心理学会「ペットロス ─ コンパニオンアニマルとの別れ」(2026年10月23日に確認)
ペットロスはどのくらいの人に起こる?研究でわかっていること
国内では、北海道大学の木村祐哉さんが、ペットを亡くした飼い主を追いかけて調べた研究があります。動物の火葬施設を通じて調査票を配り、亡くなった直後から2か月後・4か月後の心の状態を、一般的な質問票(GHQ28)で調べたものです。
| 時期 | 心の不調にあたる症状が見られた人の割合 |
|---|---|
| 亡くなった直後 | 56.1%(82人中46人) |
| 2か月後 | 58.1% |
| 4か月後 | 42.9% |
出典:木村祐哉「ペットロスに伴う悲嘆反応とその関連要因」(北海道大学 博士論文 要旨。有効回答82人)(2026年10月23日に確認)
回答した人は82人と多くはありませんが、強い悲しみを抱える人がめずらしくないことがわかります。この研究では、次のような人は症状が少ない傾向だったとされています。
- 治療について、前もって家族と話し合っていた人
- 悲しみを、周りの人にわかってもらえたと感じていた人
反対に、突然の別れだった場合などは、症状が出やすい傾向でした。どれもその人のせいではありません。
つらいときに、できること
悲しみを早く消そうとしなくて大丈夫です。次のようなことが、気持ちを少しずつ整えるきっかけになることがあります。
- 気持ちを話す:家族や友人、同じように犬を見送った人に、思い出や後悔を話してみる
- 書き出す:犬への手紙や、一緒に過ごした日々の思い出を書いてみる
- 見送りの形をつくる:写真を飾る、遺骨を手元に置く、命日に好きだったものを供えるなど
- 生活のリズムを保つ:食事と睡眠の時間を、できる範囲でいつもどおりに
- 無理に片付けない:首輪やおもちゃは、片付けたくなったときに片付ければ大丈夫です
「もっとこうしていれば」と後悔が消えないときは、かかりつけだった動物病院で最期のころのことを聞いてみる人もいます。
家族がペットロスでつらそうなとき
家族のなかでも、悲しみの深さや表し方は人によって違います。すぐに泣く人もいれば、何事もなかったように過ごす人もいます。
- 「いつまでも悲しんでいないで」と急がせない
- 思い出話を、一緒にしてみる
- 子どもには、何があったのかを、ごまかさずにわかる言葉で伝える
米国コロラド州立大学の動物病院は、子どもには起きたことを正直に伝え、言葉の選び方に気をつけるよう案内しています。たとえば「眠らせた」のような言い方は、子どもを怖がらせたり混乱させたりすることがあるとしています。
出典:CSU Veterinary Health System(コロラド州立大学)「Helping children with pet loss」(2026年10月23日に確認)
つらい気持ちを話せる場所(公的な相談窓口)
眠れない・食べられない日が続く、何も手につかないなど、とてもつらいときは、ひとりで抱えずに相談してください。かかりつけの医療機関に相談することもできます。厚生労働省は、次の電話相談を案内しています。
| 窓口 | 電話番号 | 受付 |
|---|---|---|
| こころの健康相談統一ダイヤル | 0570-064-556 | 曜日・時間は都道府県によって違う |
| よりそいホットライン | 0120-279-338(無料) | 24時間 |
| いのちの電話 | 0120-783-556(無料) | 毎日16時〜21時、毎月10日は8時〜翌日8時 |
出典:厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談(2026年10月23日に確認)。ペットロス専門の窓口ではありませんが、つらい気持ちを話すことができます。
見送ったあとの手続きは犬が亡くなったら何をする?に、遺骨の納め方はペット霊園と納骨の種類・費用にまとめています。
よくある質問
ペットロスは、どのくらいで落ち着きますか?
人によって大きく違い、決まった期間はありません。国内の研究では、亡くなった直後に心の不調にあたる症状が見られた人の割合は、2か月後も同じくらいで、4か月後に少し下がっていました。時間がかかっても、自分を責めないでください。
「もっと早く病院に連れて行けば」と後悔が消えません。
後悔や自分を責める気持ちは、大切なペットを亡くしたあとによく見られる気持ちです。その気持ちを、家族や同じ経験をした人に話すことが助けになることがあります。かかりつけだった動物病院で、最期のころのことを聞いてみる人もいます。
次の犬を迎えるのは、早すぎますか?
正解の時期はありません。新しい犬を迎えることで気持ちが前を向く人も、時間をおきたい人もいます。家族で気持ちを話し合ってから決めてください。
ペットロスの相談は、どこにできますか?
まずは家族や友人、同じように犬を見送った人に話してみてください。とてもつらいときは、「こころの健康相談統一ダイヤル」(0570-064-556)などの公的な電話相談や、かかりつけの医療機関に相談できます。
参考にした情報
- 公益社団法人 日本心理学会「ペットロス ─ コンパニオンアニマルとの別れ」(濱野佐代子)
- 木村祐哉「ペットロスに伴う悲嘆反応とその関連要因」(北海道大学 博士論文 要旨)
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談
- CSU Veterinary Health System(コロラド州立大学)「Helping children with pet loss」
制度や料金は変わることがあります。最新の情報は、各機関・施設の公式サイトや窓口でご確認ください。
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