犬の健康診断を受けると「肝臓の数値が高いですね」と言われることがあります。
ところが、数値が高いと言われるだけで、数値の意味や数値が高くなっている原因を詳しく教えてもらえない場合がほとんどです。
理由ははっきりわからないけど、獣医さんに言われるがままにお薬を飲ませたり、療法食を食べさせている飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
実は肝臓の数値が基準より高いワンちゃんはけっこうたくさんいるんです。
しかもお薬や療法食を続けているのに、なかなか改善しないことも少なくありません。
愛犬の数値が何か月もよくならなかったら、飼い主さんは不安になってしまいますよね。
そこでこのページでは、犬の肝臓の検査でも重要な「ALT(GTP)」と「ALP」についてまとめました。
もう一度肝臓の数値の意味と、数値が高くなる原因をおさらいし、納得した上で対処をしてみてください。
●少し長めの文章になっていますので、すぐに見たい項目があれば目次から選んでください。
犬の肝臓はどんな働きをしている?
肝臓は体の中で一番大きな臓器で、犬の場合体重の2~3%と言われています。
ほぼ全ての栄養素の消化、吸収、代謝、貯蔵にとって必要不可欠で、細かく分けると1500種類以上の働きをしていると言われています。
肝臓の主な働き
犬の肝臓には大まかに言って次の3つの働きがあります。
① 胆汁の生成・分泌
コレステロールを元に消化液を作り、胆汁として腸内に分泌します。
胆汁は脂肪の消化・吸収に使われます。
② 代謝・貯蔵
体内に吸収されたさまざまな栄養素を別の成分に変えて貯蔵したり、足りない時は貯蔵していたものを分解することでエネルギーを作り出します。
血液が固まるための「血液凝固因子」も肝臓によって作られるため、肝機能がうまく働かなくなると出血傾向が見られます。
③ 解毒
体内で作られた有害物質や、体内に入ってきた有害物質を分解して無毒化します。
有害物質…アンモニア、お薬、アルコールなど
肝臓は「沈黙の臓器」
肝臓は予備能力、再生能力が非常に高い臓器です。
肝細胞全体の4/5以上がダメージを受けても症状を出さずに機能してしまいます。
そのため『沈黙の臓器』と呼ばれ、損傷があっても症状に現れにくいため、知らない間に病気が進行していることもあります。
犬の肝臓の数値 ~ALT(GPT)が高いとき~
ALT(GPT)とは?
ALTとはグルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼの頭文字を取った略称です。
肝臓に多く含まれる物質で、犬が体内でアミノ酸を合成するときに重要な酵素です。
以前はGPTと言われていましたが現在ではALTと表記されることが多くなりました。
ALT(GPT)はどんなときに高くなる?
もともとALT(GPT)は肝臓に多くありますが、血液中にはあまり存在しません。
何らかの理由で肝臓が障害され、血中に漏れ出たときにALT(GPT)が高くなります。
そして肝臓のダメージが強いほどALT(GPT)は高くなる傾向があります。
ALT(GPT)の正常値は?
基準値は各病院や検査機関ごとにばらつきがあります。
犬の場合はだいたいALT(GPT)60U/L以下が正常とされていますが、肝臓の数値が高めのワンちゃんは結構多く、100U/Lを超えるケースもそう珍しいわけではありません。
多くの場合は食べ過ぎ、太り過ぎでの脂肪肝が原因だったり、よくあるのがおやつのジャーキーのあげ過ぎです。
「ジャーキーをやめたら数値が戻っていった」という話は少なくないです。
しかし1000U/Lを超えるような犬はあまりいません。
そのような場合はワンちゃんの身体の中で重大なトラブルが起こっていると考えられます。
ALT(GPT)が高くなる病気
ALT(GPT)が高いときにもっとも疑われる病気は肝臓の病気です。
肝臓の炎症が肝臓自体を壊してしまい、ALT(GPT)が血液中に漏れ出すことで数値が上がります。
参考までに病名や数値を載せますが、診断については担当の獣医師にご相談ください。
●ALT(GPT)が60~100U/L
【脂肪肝】
肝臓に脂肪が沈着している状態です。慢性肝炎でなることもありますが、肥満でなることが多いです。
肥満が原因の場合は食事の見直しと運動で改善が可能です。
【慢性肝炎】
原因は様々で特定が難しいです。原因がわからない場合はまずは食べ物を見直す必要があります。
【肝硬変】
慢性肝炎がさらに進行した状態です。肝臓の働きは極度に低下しますが、ALT(GPT)は100U/L程度に収まることもよくあります。
●ALT(GPT)が100U/L以上
急激にALT(GPT)上昇したときは何か原因があることが多いです。
もし思い当たること(何かの薬を飲んだ、拾い食いをした等)があれば必ず獣医師に伝えてください。
【薬剤性肝障害】
何かの治療をするために飲んでいるお薬が原因で肝臓が障害を受けるとき、ALT(GPT)が一気に上昇することがあります。
どんなお薬を飲んでいるのか担当の獣医に必ず伝えましょう。
【化学薬品による肝障害】
農薬、除草剤、殺虫剤などの毒性の強い化学薬品は、量によっては肝臓を一気に破壊する危険があります。
散歩では田んぼのあぜ道や草むらなどで注意が必要ですが、アスファルトも有害なのがわかっています。アスファルトを舐めたり、アスファルトに落ちているものを拾い食いしないようにしましょう。
家の中でも洗剤や車のワックス、金属など危険なものをそのまま放置しないようにしましょう。
【肝臓がん】
腫瘍が大きくなって肝臓の細胞を侵すようになるとALT(GPT)が異常に上昇することがあります。
【犬伝染性肝炎】
アデノウイルスというウイルスに感染することで発症する病気で、肝臓が急速に破壊されることがあります。
成犬ではあまり見かける病気ではありませんが、子犬に感染して発症すると死亡するケースがが非常に多いです。
犬伝染性肝炎は、混合ワクチンに含まれる犬アデノウイルス2型ワクチンを接種することで予防できると言われています。
【胆のう・胆管の病気】
胆のう炎、胆石、胆泥症、胆のうがん、胆管癌といった病気でALT(GPT)が上昇します。
胆管が塞がれて胆汁が逆流し始めると、GPTはどんどん高くなってきます。
【打撲】
交通事故、転落事故などで腹部を打ちつけたとき、肝臓が傷つくとALT(GPT)が一時的に高くなることがあります。
肝臓の自己修復力でダメージが回復するとALT(GPT)も下がってきます。
犬の肝臓の数値 ~ALPが高いとき~
ALPとは?
ALPはアルカリホスファターゼの頭文字を取った略称です。
主に肝臓や胆管の病気を見つけたり、治療の経過をチェックするときに重要な検査項目です。
ALPはどんなときに高くなる?
ALPが高くなる原因は様々です。
もともとALPは血液中にはわずかに存在するだけで、ALPをたくさん含んだ臓器や組織が障害されたり、排泄がうまくできなくなると血液中に入り込んできて数値が高くなります。
ALPは肝臓にたくさん存在しますが、他にも骨、腎臓、腸、胎盤など、あちこちの組織に含まれます。
ただしALPがいろいろな病気を見つけ出すことに役立つわけではなく「肝臓」「胆管」「骨周辺」の病気に限って有効とされています。
他にも、胆汁の流れが悪かったり、お薬を飲んでいるときにも上昇します。
ALPの正常値は?
ALPの測定方法にはいくつかの種類があり、基準値は動物病院や検査機関によって異なります。
また、成長期や妊娠期では基準値を高めにするのが普通です。
ALPが高くなる病気や原因
【胆のう、胆管の病気】
胆道感染症(胆のう炎、胆管炎)や胆石、胆泥症、胆管がんなどで胆汁の流れが悪くなるとALPが高くなる傾向があります。
もし胆管が詰まってしまい、胆汁の流れが完全に遮断されると、ALPは一気に上昇します。
【肝臓病】
慢性肝炎、急性肝炎、肝不全、脂肪肝、肝硬変などの肝臓病で肝臓が炎症を起こすとALPが高くなる傾向があります。
【肝臓を障害する病気】
感染症や膵炎、胃腸などの病気で間接的に肝臓がダメージを受けてALPが上がる場合もあります。
【お薬や化学物質】
ステロイド剤や抗けいれん剤はALPを上昇させます。その他にも肝臓に負担をかける薬剤はALPを上昇させる可能性があります。
また、農薬、除草剤、殺虫剤、洗剤など毒性の強い化学物質を誤食した場合もALPが上昇することがあります。
【骨折や骨の成長】
ALPは骨に多く存在するため、骨折によって上昇することがあります。
骨に発生した腫瘍、他の場所のがんが転移してきた骨転移でも上昇します。
若い犬では骨がよく成長している頃はALPも高くなりますので、値が高めでもたいていは問題ありません。
【クッシング症候群】
クッシング症候群は副腎皮質機能亢進症と呼ばれる病気です。
体内に分泌される副腎皮質ホルモンが多くなりすぎてしまう病気で、わかりやすく言うとステロイド剤を飲み続けているような状態になるのでAPLが上昇します。
参考:犬のクッシング症候群に良い食事。治る病気?予後や寿命はどうなる?
【妊娠】
ALPが胎盤から漏れ出すために、妊娠中のALPは高くなります。
特に胎盤が発達してくる妊娠後期で高くなってきます。
妊娠によるALP上昇はあまり心配いりません。
【悪性腫瘍(がん)】
胆管がん、胆のうがん、肝臓がん、骨肉腫などでALPが高くなります。
他にもすい臓がんや悪性リンパ腫で高くなることがあります。
【その他】
糖尿病や高脂血症、高コレステロール血症などで肝臓に脂肪が蓄積する(脂肪肝)とALPが上昇する場合があります。
また肥満でも脂肪肝になりやすいため、ALPが高めになることがあります。
犬の肝臓の数値が高いときの対処法
ALT(GPT)やALPの数値が高いからと言って、必ずしも重い病気が隠れていたり、健康や命にかかわるわけではありません。
とは言うものの、数値が高いということは肝臓や胆のう系が何らかのダメージを受けていることを示していますので早めの対策が大切です。
肝臓をケアする対策には食事・運動・生活環境・デンタルケアを組み合わせて行っていきます。
肝臓の数値が高い犬の食事対策
肝臓の機能を改善するには食事や生活習慣の見直しがもっとも重要です。
肝臓を痛める原因で一番多いとされているのが食べ物です。
~食事対策のポイント~
・食べ過ぎ、おやつの与え過ぎはダメ
・有害な原材料の食品を避ける
・動物性たんぱく質を十分に与える
・オメガ3脂肪酸を与える
●食べすぎ、おやつの与え過ぎはダメ
まず最初に考えなければならないのが食事の食べ過ぎです。
肥満になると肝臓に脂肪が蓄積する脂肪肝になってしまいます。
肝臓の数値が高い犬はかなりの確率で脂肪肝です。
小麦やとうもろこしなどの穀物の多いドッグフードは、血糖値の上昇が急激で脂肪がつきやすくなります。
また、おやつのジャーキーやお菓子は犬が喜ぶように味付けが濃く、脂肪分が多いです。
まずは食べ過ぎを防止しましょう。
●有害な原材料の食品を避ける
有害な添加物や副産物、質の悪い動物性油脂が使われているフードは肝臓への負担が大きくなります。
犬の肝臓に負担をかけるような添加物、穀物中心の食事はやめて、質の良いたんぱく質、食物繊維、オメガ脂肪酸などの栄養バランスのとれたフードをあげるようにしましょう。
栄養の偏りが気になるならサプリメントを使うのも効果的です。
ただし、犬用で無添加のものを選んでください。
●動物性たんぱく質を十分に与える
肝臓が悪いと「たんぱく質制限が必要」と思われている方も多いでしょう。
確かに肝硬変の末期のような、かなり重症なケースではたんぱく質制限が必要になります。
ですが数値が少し高い程度の状態でたんぱく質を制限すると、栄養不足になって大変危険です。
十分なたんぱく質を補うことで肝臓がしっかり働くようになりますので、お肉・お魚(動物性たんぱく質)が中心のフードを与えるようにしてください。
市販のドッグフードならたんぱく質27%前後のものです。
●オメガ3脂肪酸を与える
オメガ3脂肪酸は犬の臓器の機能を維持するのに有効であることが実証されています。
また、炎症を抑える働きがあるので、肝臓の炎症を和らげる効果も期待できます。
犬の肝臓に良い食べ物は?
肝臓の数値が高くなったり、肝臓の状態が悪くなってから、
「犬の肝臓に良い食べ物は何かないのか?」と探す方が多いと思います。
インターネットの情報では肝臓に良い食べ物として、「納豆、ゴマ、大豆、ウコン、ニンジン、リンゴ、キャベツ、パセリ」などがよく取り上げられています。
しかしこれらの食べ物は、”犬が健康な状態”の時に肝臓の機能をサポートしてくれるものです。
肝臓が悪くなってから食べたとしても、肝臓を修復してくれるわけではありません。
それから一口に肝臓が悪いと言っても原因は様々で、軽度~重度まで症状もバラバラです。
よくインターネットのドッグフードサイトには、「肝臓の悪い犬はたんぱく質制限が必要」と書いてあります。
しかし原因や症状によって、たんぱく質を増やした方がいい場合と減らした方がいい場合があるのです。
そういった情報にまどわされると、結果的に愛犬の身体に負担をかけてしまいます。
では「犬の肝臓に良い食べ物は何か?」と聞かれた場合、
はっきり言えるのは「肝臓を回復させるには良質なたんぱく質が必要」ということです。
量をたくさんということではなく、質が良いものを与えるのがポイントです。
大切なことなので何度も書きますが、肝臓に負担をかけるのは食べ過ぎることです。
良質なたんぱく質と、糖質・脂質を抑えた食事を適量食べさせるように心がけましょう。
しかし飼い主さんなら「何か犬の肝臓のためになる栄養を摂らせたい」と思うのは当然です。
何も対策をしなければ自然に改善することはありませんし、対処が遅くなるほど悪化してしまいます。
症状が進めば、2度と回復できない状態に陥ってしまうので、不安にならないはずはありません。
そんな時に、犬の肝臓用サプリを使うのも一つの手段ですが、サプリ自体が肝臓に負担をかける可能性があります。
それでは飼い主さんの気遣いが、かえって愛犬の身体を弱らせてしまいます。
しかも殆どのサプリは効果が実証されていない健康食品です。
したがってサプリなら何でもよい訳ではなく、ワンちゃんへの負担と効果がしっかり考えられたものを選ぶ必要があります。
今のところ肝臓の機能改善が科学的に実証されていて、信頼性が高いのはSAMe(サミー)、亜鉛、オメガ3脂肪酸です。
SAMe(サミー)含有酵母と亜鉛含有酵母が配合され、しかも簡単に摂取できる「レバワン」という”ふりかけタイプ”のサプリがあります。
サミー(SAMe)には、犬の身体にダメージを与える活性酸素を除去する抗酸化作用があり、特に肝臓の細胞が傷つくのを抑えたり、修復を助ける働きを持っています。
<SAMe:サミーとは?>
SAMeの歴史は古く、1970年代にイタリアで開発され、その後欧米で広く使われるようになりました。
日本ではSAMeは医薬品に分類され、医師の処方がなければ使えませんでしたが、酵母由来のSAMeならサプリメントでも許可が降りるようになり、日本でも使われるようになったのです。
主にSAMeには、
① 肝機能を正常化する働き
② 関節炎の炎症を抑える働き
③ 脳の神経伝達物質の反応を向上させる働き
の3つの効果があることが科学的に実証されています。
また、「レバワン」にはサミー(SAMe)だけでなく、弱った肝臓に重要な微量元素の亜鉛が入っているのが特徴です。
亜鉛は皮膚、肝臓、膵臓、前立腺などの多くの臓器に存在します。
骨の成長や肝臓、腎臓、すい臓など、新しい細胞が作られる組織や器官では必須のミネラルです。
肝臓が弱ると亜鉛不足になり、亜鉛不足によってコラーゲンの増生が進みます。
その結果、肝繊維化(肝臓が硬くなる)を進行させる原因になるのです。
したがって肝臓の弱ったワンちゃんにとって、亜鉛は非常に大切な成分なのです。
肝臓の機能改善が科学的に実証されており、信頼できる成分はSAMe、亜鉛、オメガ3脂肪酸くらいしかありません。
愛犬にサプリを与える際には配合成分をよく見て、負担にならず、しっかり効果が期待できるものを選んでください。
→犬用肝臓ケアサプリ「レバワン」を詳しく見る
ただし、サプリはあくまで健康食品ですし、病気を治癒させるものではありません。
根本的に改善を望むなら最も影響の大きいドッグフード自体を見直しましょう。
肝臓の機能が悪い犬にはどんなドッグフードがいいのか?
肝臓の機能改善をサポートするドッグフードの条件は以下の通りです。
❶ 十分なエネルギー(カロリー)がある
❷ 肉や魚が主原料の品質の高いたんぱく質が使われている
❸ 十分な脂質がある(特に質の高いオメガ3脂肪酸がたくさん入っているもの)
❹ ビタミンC、E、A(βカロテン)などがたくさん入っている
❺ 果物や野菜、サツマイモなどの食物繊維が適度に入っている
注意する点は、「❸」の脂質です。
先ほども説明しましたが、オメガ3脂肪酸は肝臓の炎症を抑える作用がある良質な脂肪酸ですので十分に補給する必要があります。
しかしながら、胆のうの病気(胆のう炎、胆管炎、胆石、胆泥症)、クッシング症候群、膵臓の病気によって肝臓が悪くなっているワンちゃんは脂質を摂りすぎてはいけません。
脂質を摂り過ぎることで、膵臓に負担がかかり、場合によっては急性膵炎を起こすこともあります。
急性膵炎は死に至る恐ろしいものです。
大切な愛犬をそんな状況に陥らせないためにも、必ず専用の特別療法食を与えるようにしてください。
ですが、ロイヤルカナンなどの一般的な療法食は絶対おすすめしません。
おすすめしないと言うよりも危険です。
※理由はこの後ご説明します。
「では安全な療法食はないのか?」
ということになりますが、しっかりと栄養バランスが考えられていて、原材料の品質が高いものは、現在のところ『犬心 糖&脂コントロール』くらいしかありません。
『犬心 糖&脂コントロール』は肝臓疾患と関係の深い膵炎やクッシング症候群、高脂血症に対応した犬用の特別療法食です。
・たんぱく質:23~27%
・脂肪:5~9%
に設定してあり、
オメガ3脂肪酸もたっぷり入っています。
そして、βグルカンを豊富に含んだ花びら茸の働きで自己免疫力をアップさせる効果が期待できます。
特別療法食ですが、市販のフードよりずっと食いつきがいいのも特徴です。
もしも食いつきが心配でも、無料サンプルで愛犬が食べてくれるかチェックすることもできます。
肝臓の機能は放置したままで良くなることは決してありません。
早めに対策をとらない限り、機能は悪化する一方です。
そして対処が遅れれば、一度悪くなった部分の再生は難しくなります。
ですが早期に対処すれば回復できる臓器なのです。
ドッグフードはお薬ではありませんので、それを食べたから必ず良くなるものではありませんが、肝臓の治療では食事対策がとても重要です。
出来るだけ早期からコツコツ取り組んで、愛犬の負担を軽くしてあげましょう。
→『犬心 糖&脂コントロール』の詳しい情報を見る
【重要】犬の肝臓サポート療法食は注意が必要
※このメーカーのドッグフード自体が危険な訳ではありません。
肝臓の数値が高いだけで安易に肝臓の療法食を食べさせるようとする病院があります。
一般的な肝臓サポートの療法食は「高アンモニア血症」「肝性脳症を呈する犬」に給与することを目的としており、たんぱく質を制限したドッグフードです。
このフードは肝硬変の末期、腹水がたまるような重度の状態の場合にのみ使える食事です。
肝臓の数値が少し高くなっている程度のワンちゃんに食べさせ続けるとたんぱく質が不足して、かえって肝臓を弱らせる危険もあります。
他にもたんぱく質を制限して脂肪を高めにしてあったり、トウモロコシを主原料にしている療法食では栄養がないわりに脂肪がつきやすくなり、肝臓に負担をかける原因になります。
もしこの療法食を食べるように指示された場合には、本当に必要な状態なのかもう一度よく確認してください。
肝臓のお薬を飲んでいても改善しない?
病院からもらったお薬をきちんとあげていても肝臓の数値がなかなか改善しないことが多いです。
なぜなら肝臓の不調は原因が一つではなく、いくつもの要因が重なっているケースが殆どだからです。
そればかりか、改善のないお薬を続けていることで、かえって副作用で肝臓に負担がかかってしまうこともあります。
歯みがき、デンタルケアをしっかり行う
歯周病が原因で肝臓の数値が上がることがあります。
歯周病菌は歯茎の出血したところから血管の中に入り、全身に回っていきます。
その時に肝臓に菌が侵入して炎症を起こすと数値が高くなります。
通常なら免疫機能でバリアされますが、重度の歯周病になると全身の病気を引き起こす原因になると考えられています。
日頃から歯みがきなどのデンタルケアを行い、歯石がたくさんついているようならお医者さんで取ってもらいましょう。
また、口の中に傷がないか定期的にチェックしてあげてください。
適度な運動を毎日続ける
食事の見直しにプラスして適度な運動をすることで、肝臓の脂肪を減少させる効果があります。
急激な運動はダメなので、まずは毎日の散歩を続けましょう。
コツコツ続けることが重要です。
ストレスが原因で改善しないことも
肝臓は自己回復力のある臓器です。
しかしワンちゃんにストレスがかかった状態だと、身体の治癒力が低下してしまいます。
それではせっかく対策を行っても効果が出てくれません。
私たちが気付かないうちにストレスを与えていることもあるので、もう一度生活環境を見直してみましょう。
~気付きにくい犬のストレス原因~
・お留守番の時間が長すぎる
・テレビの音や外の音がうるさい
・しつけが厳しすぎる
・家族の喧嘩が多い、仲が悪い
・構いすぎる、ベタベタしすぎる
・過度な運動
・家族の死 など
犬の肝臓の数値高い原因と対処法のまとめ
病気を早く発見するために健康診断は大切です。
しかし、肝心の検査結果をわかりやすく教えてもらえなければ、飼い主さんもどう対処したらよいかわかりません。
お薬を飲んで改善すればいいのですが、何か月もいっこうに改善しなければ不安になりますよね。
納得して治療を受けれるように、わからないことがあれば遠慮せずに獣医さんに相談しましょう。
それから食事の見直しや運動で肥満を解消したり、ストレスのない生活を送ることは肝臓の機能にとても重要なのでぜひ取り入れてください。
愛犬の健康を管理できるのは飼い主さんだけです。
かけがえのない家族であるワンちゃんとこれからもずっと一緒に暮らしていけるように、出来る限りの対処をしてあげてくださいね。