虹の橋とは:ペットを見送った人に読まれている詩
この記事のポイント
- 虹の橋とは、亡くなったペットが天国の手前の野原で元気な姿に戻り、飼い主が来るのを待ち、再会したら一緒に橋を渡る、という内容の詩です。
- 長いあいだ作者不詳とされ、複数の人が作者だと名乗りました。2023年に米誌ナショナル ジオグラフィックが、スコットランドのエドナ・クライン=レキーさんが1959年、愛犬を亡くしたときに書いたと報じています。
- 日本では、インターネットで広まったあと、2007年に葉祥明さんの訳と絵の絵本『虹の橋』が出版されるなどして知られるようになりました。
- 「虹の橋を渡る」は、ペットが亡くなったことをやわらかく伝える言い方として使われています。
虹の橋とは、亡くなったペットが天国の手前で元気な姿に戻り、飼い主が来るのを待っている、という内容の詩です。長いあいだ作者がわからないまま広まりましたが、2023年に、スコットランドの女性が1959年に愛犬を亡くして書いたものだと報じられました。「虹の橋を渡る」は、ペットが亡くなったことをやわらかく伝える言い方として、いまでは日本でも広く使われています。読んで気持ちが落ち着く人もいれば、かえってつらくなる人もいます。どちらも自然なことです。
虹の橋とは?どんな内容の詩?
虹の橋とは、ペットを亡くした人のあいだで読まれてきた、英語の短い詩(散文詩)のことです。原題は「Rainbow Bridge」です。
内容を短く紹介すると、次のようなお話です。天国のすぐ手前に、緑の野原と虹色の橋がある。亡くなったペットはそこで病気やけがのない元気な体に戻り、仲間と遊びながら、大好きな飼い主のことを思っている。そしていつか飼い主がやって来たとき、ペットは駆け寄り、二人はそろって橋を渡っていく――という物語です。
この詩は、宗教の決まった教えではありません。「また会える」と思えることが、悲しみの中にいる人の支えになってきた物語です。
出典:Wikipedia「Rainbow Bridge (pets)」、National Geographic(2023年)(2026年10月23日に確認)。詩の本文はこのページには載せていません。
虹の橋の作者はだれ?諸説あった理由
虹の橋は、長いあいだ「作者不詳」とされてきました。作者の名前がつかないまま、コピーが人から人へ手渡されて広まったためです。そのあいだに、何人もの人が「自分が書いた」と名乗りました。
| 名前 | どんな主張か |
|---|---|
| ポール・C・ダーム(米国のグリーフ・カウンセラー) | 1981年に自分が書いたと述べ、1998年に『Rainbow Bridge』という本を出した |
| ウィリアム・N・ブリトン | 1994年の『Legend of Rainbow Bridge』の著者。ネイティブ・アメリカンの話をもとにしたと述べた |
| ウォレス・サイフ(ペットロスの支援団体の代表) | 自分の詩「All Pets Go to Heaven」が元になっていると考えた |
| エドナ・クライン=レキー(スコットランド) | 1959年、19歳のときに愛犬メイジャー(ラブラドール・レトリバー)を亡くして書いた、と2023年に報じられた |
出典:Wikipedia「Rainbow Bridge (pets)」「虹の橋 (詩)」、National Geographic(2023年)、Mental Floss「The 'Rainbow Bridge' Poem」(2026年10月23日に確認)
2023年2月、米国の作家・歴史家のポール・クードナリスさんが、ナショナル ジオグラフィックの記事で、作者はエドナ・クライン=レキーさんだと発表しました。記事によると、クライン=レキーさんは詩を出版するつもりはなく、友人に頼まれて名前を入れずに写しを渡していたため、作者の名前が途中で消えてしまったといいます。本人は最初に書いた原稿を、いまも持っているそうです。
ナショナル ジオグラフィックの記事によると、1995年以降、この題名で15件の著作権の申し立てがあったとされています。そのため、日本の絵本やサイトでは、いまも「作者不詳」と書かれていることがあります。どちらが間違いというより、2023年の報道より前に作られたものが多い、と考えるとよいでしょう。
虹の橋はどうやって広まった?日本に伝わるまで
英語圏で広く知られるきっかけになったのは、1994年2月です。米国の新聞の人生相談コラム「ディア・アビー」に、読者から送られた詩が作者名のないまま全文載り、多くの人の目にふれました。インターネット上では、それより前の1993年1月に、犬好きが集まるニュースグループへの投稿が確認されているそうです。
出典:National Geographic(2023年)、Wikipedia「Rainbow Bridge (pets)」(2026年10月23日に確認)
日本では、インターネットで訳が広まりました。2007年には、画家の葉祥明さんが訳と絵を手がけた絵本『虹の橋』(佼成出版社)が出版されています。出版社は、この絵本を「インターネットで広まった作者不詳の詩」に絵をつけたもの、と紹介しています。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1959年 | スコットランドでエドナ・クライン=レキーさんが書いたと報じられている |
| 1993年 | 英語のインターネット掲示板(ニュースグループ)への投稿が確認されている |
| 1994年 | 米国の新聞コラム「ディア・アビー」が作者名のないまま全文を掲載 |
| 2007年 | 日本で葉祥明さんの訳・絵の絵本『虹の橋』が出版 |
| 2023年 | ナショナル ジオグラフィックが作者を報じる |
出典:National Geographic(2023年)、Wikipedia「Rainbow Bridge (pets)」、丸善ジュンク堂書店ネットストア「虹の橋」、佼成出版社「虹の橋 -Rainbow Bridge」(2026年10月23日に確認)
日本でいつごろから訳が出回りはじめたかは、はっきりした記録が見つかっていません。
いまでは、ペット霊園や動物病院、メモリアルグッズの店などで紹介されることも多く、訳した人によって言葉が少しずつ違う、いくつもの日本語訳があります。
「虹の橋を渡る」とは?どんなときに使う言い方?
「虹の橋を渡る」とは、ペットが亡くなったことを、やわらかく表す言い方です。詩の最後で、ペットと飼い主が再会して一緒に橋を渡る場面から来ています。
たとえば、次のように使われます。
- 「うちの子が、昨日虹の橋を渡りました」(SNSや、知り合いへの報告で)
- 「虹の橋のたもとで待っていてね」(見送るときの言葉として)
「亡くなった」「死んだ」と書くのがつらいときに、この言い方を選ぶ人は少なくありません。一方で、詩をよく知らない人には伝わりにくいこともあります。会社に休みの連絡をするときなどは、「飼っていた犬が亡くなりました」とそのまま伝えたほうが、誤解がなく安心です。
虹の橋の話がつらいとき、悲しみとどう付き合う?
虹の橋の話は、多くの人の支えになってきました。けれど、すべての人に合うわけではありません。
- 「また会える」と思えて、気持ちが少し落ち着く人
- 読むと涙が止まらなくなり、まだ読めないと感じる人
- 「待たせている」と思うと、かえって申し訳なくなる人
どれも、大切な犬を見送ったあとの自然な気持ちです。読まなければいけないものではないので、つらいときは閉じてかまいません。
悲しみとの付き合い方に、決まった正解はありません。たとえば、次のような形で気持ちを外に出す人がいます。
- 家族や、同じように犬を見送った人と、思い出を話す
- 写真を整理したり、手紙を書いたりする
- 「もっとこうすれば」という気持ちも、そのまま言葉にしてみる
- 時間がたってから、虹の橋の絵本を手に取ってみる
眠れない・食べられない日が続く、何も手につかないなど、とてもつらいときは、ひとりで抱えずに相談してください。厚生労働省は「こころの健康相談統一ダイヤル」(0570-064-556)などの電話相談を案内しています。かかりつけの医療機関に相談することもできます。
出典:厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談(2026年10月23日に確認)
ペットロスについて、研究でわかっていることや、つらいときにできることはペットロスとの向き合い方にまとめています。
虹の橋を、見送りや供養にどう取り入れる?
虹の橋は、見送りの場面でもよく使われます。決まりはないので、気持ちに合うものだけ取り入れてみてください。
- お別れの言葉に:火葬の前に、絵本や訳を家族で読む人もいます。
- メモリアルに:虹をモチーフにした骨壷カバーや写真立て、お花を選ぶ人もいます。
- 家族、とくに子どもに伝えるとき:「虹の橋の向こうで、元気に走っているよ」と話すと、受けとめやすくなることがあります。
亡くなったあとの手続きは犬が亡くなったら何をする?に、火葬の種類と費用はペット火葬の種類と費用に、遺骨の納め方はペット霊園と納骨の種類・費用にまとめています。
よくある質問
虹の橋の詩は、だれが書いたのですか?
長く作者不詳とされ、アメリカのグリーフ・カウンセラーなど複数の人が作者だと名乗ってきました。2023年に米誌ナショナル ジオグラフィックが、スコットランドのエドナ・クライン=レキーさんが1959年、19歳のときに愛犬メイジャーを亡くして書いたと報じました。日本の絵本などでは、今も「作者不詳」と書かれていることがあります。
「虹の橋を渡った」とは、どういう意味ですか?
ペットが亡くなったことを、やわらかく表す言い方です。詩の中で、ペットと飼い主が再会して一緒に橋を渡る場面から来ています。宗教の決まった教えではなく、気持ちを支える物語として使われています。
虹の橋の詩は、どこで読めますか?
日本語では、葉祥明さんが訳と絵を手がけた絵本『虹の橋』(佼成出版社)などがあります。インターネット上にも訳がありますが、訳した人によって言葉が少しずつ違います。
虹の橋の話を読むと、かえってつらくなります。
そう感じる人もいます。虹の橋は、読むと気持ちが落ち着く人もいれば、悲しみが強くなる人もいる物語です。無理に読む必要はありません。自分に合う形で見送ってください。
参考にした情報
- National Geographic「虹の橋」の詩の作者についての記事(2023年2月、英語)
- Wikipedia「虹の橋 (詩)」
- Mental Floss「The 'Rainbow Bridge' Poem」
- Wikipedia「Rainbow Bridge (pets)」
- 佼成出版社「虹の橋 -Rainbow Bridge」
- 丸善ジュンク堂書店ネットストア「虹の橋」(葉祥明・絵、2007年6月30日発売)
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談
制度や料金は変わることがあります。最新の情報は、各機関・施設の公式サイトや窓口でご確認ください。
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老犬の介護・預け先・お別れについて、環境省・厚生労働省・自治体などの公的な情報と、獣医師の監修をもとに記事を作成しています。受診の目安など体に関わる内容は、獣医師の確認を経たものだけを公開します。