シベリアンハスキーはロシア・シベリア地方原産の犬です。
体高54~60㎝、体重21~28㎏で中型~大型犬に分類されます。

もともとは猟犬やソリを引く犬として大活躍していたワンちゃんで、とっても力が強いです。
見た目がオオカミにそっくりでカッコいいですよね!
外見はワイルドですが、性格はすごくフレンドリー。
攻撃性が低く、人間や他の犬と仲良くできる社会性の高さが特徴です。
その反面、甘えたがりで独りにされるのが苦手というギャップも魅力の一つです。
そんなシベリアンハスキーですが、他の犬種に比べて「寿命が短い」と言われることがあります。
犬の場合、体が大きいほど短命になる傾向がありますし、もともとシベリアの極寒の気候に適応したシベリアンハスキーは、高温多湿の日本の夏を苦手としています。
確かにシベリアンハスキーの平均寿命は12歳と、犬全体の平均13.7歳を下回っています※。
※平均寿命はアニコム損保、アメリカケンネルクラブのデータをもとに算出
「本当に寿命が短いの…?」
「もっと長生きして欲しい!」
と思う方もいらっしゃるでしょう。
でも大丈夫です。
飼育環境さえ整えてあげれば、もっともっと長生きすることは可能になります。
シベリアンハスキーの特性を理解して、大切な愛犬と1日でも長く過ごせるようにしてくださいね。
目次
所さんのインディ君は18歳まで生きた
画像出典:youtube
タレントの所ジョージさんは以前インディ君というシベリアンハスキーを飼っていました。
トヨタのキャバリエという自動車のCMに、所さんと一緒に出演したこともあります。
所さんは、
「お手は嫌々しか出来ない」
「足を出すとジャンプするのが唯一の芸」
と言いながら、インディ君を溺愛していました。
そして当時シベリアンハスキーの平均寿命は10歳くらいでしたが、それを大きく超える18歳まで生きることができたのです。
画像出典:youtube
所さんがかなりの愛犬家だったこと、インディ君にストレスを与えないような生活を送っていたのが長寿の秘訣のように思えます。
他にも18歳6ヶ月生きたシベリアンハスキーもいますので、飼育環境さえ整えてあげれば平均寿命より長く生きる可能性は大いにありますね。
ちなみにインディ君が亡くなった後、「天才!志村どうぶつ園」で所さんにロットワイラーの子犬がプレゼントされました。(ケリー♀)
そしてこのケリーちゃんも2013年にフォルクスワーゲンビートルのCMに出演しています。
次の項目ではシベリアンハスキーを長生きさせるポイントを見ていきます。
シベリアンハスキーを長生きさせるために気を付けること

~気を付ける8つのポイント~
・外飼いより室内飼い
・夏場の健康管理をしっかりする
・十分な運動をさせる
・独りは苦手。かまってあげる時間を作る
・しつけが思い通りいかなくても叱らない
・誤飲に注意する
・太り過ぎに注意する
・定期的にブラッシングでお手入れする

外飼いより室内飼い

これはどの犬種でも当てはまりますが、野外よりも室内で飼育したほうがペットの寿命が伸びます。(長年行われている統計調査でも明らかです)
1990年代にシベリアンハスキーがブームになった頃は、外飼いをしている家が殆どでした。
当時からハスキーが夏の暑さに弱いことは知られていましたが、ペットの健康や幸福を考えていないオーナーが多かったのでしょう。
現在は大型犬でも室内で飼うのが当たり前になってきて、大型犬の平均寿命も伸びています。
夏場の健康管理をしっかりする

シベリアンハスキーは極寒の地で生きていけるように体の機能が発達した犬です。
本来ー50℃前後での環境でも耐えられる様、分厚いダブルコート(毛が二層)であるため、日本の夏はシベリアンハスキーにとって耐えがたいものだと言われています。
高温多湿の日本で飼うには夏場の管理がとても重要です。
とは言っても、現在の日本は夏以外でも暑い日が多いので、暑さ対策をしっかりすることが大切になります。
室内でエアコンを使い、温度と湿度を適切にしましょう。
また、暑さだけでなく日差しにも注意が必要です。
特にメラニン色素の少ない青色の目をしたハスキーでは、日に当たる時間が長すぎると目の病気になりやすい場合があります。
※左右の目の色が違うバイアイだと、理由ははっきりわかりませんが青い目と同じ側の聴力が低下しやすい傾向があります。
十分な運動をさせる

シベリアンハスキーはソリやボートを引っ張ていた犬なので物凄く体力があります。
逆に言えば体力が有り余ってストレスになるので、十分な散歩と走り回る時間が必要です。
※もともと引っ張ることを仕事にしていたので、散歩でもグイグイ引っぱろうとする癖があります。
独りは苦手。かまってあげる時間を作る

シベリアンハスキーは社会性が高く、仲間意識が強いです。
その分独りにされることが苦手です。
寂しくて要求吠えをしたり、安心できる群れを探して逃亡することがあります。
寂しさや不安はストレスになり、寿命に大きく関係します。
1日のうちでしっかりかまってあげる時間を作りましょう。
しつけが思い通りいかなくても叱らない

明るい性格のシベリアンハスキーですが、しつけに時間がかかったり、覚えることが苦手な部分があります。
これはもともと仕事をする為の犬で、ペット用の愛玩犬ではないからです。
無理に思い通りにさせようとするのは大きなストレスになります。
犬の特性を理解して、おおらかな気持ちでしつけをしましょう。
誤飲に注意する

シベリアンハスキーは有り余る体力を発散するために、物を噛んだり破壊する行為をします。
また、いたずら好きで誤飲事故が多い犬と言われています。
噛んでいいおもちゃを与え、危険なものを出しっぱなしにしないようにしましょう。
太り過ぎに注意する
シベリアンハスキーは極寒の環境でも耐えられるように脂肪を蓄えやすい体質になっています。
十分な栄養を与えるのは大切ですが、太り過ぎには注意が必要です。
犬の肥満はあらゆる病気の原因となり、結果的に寿命を縮めてしまいます。
炭水化物が多いと太りやすくなるので、動物性たんぱく質が豊富なフードをあげて、健康的な筋肉が付くようにしましょう。
定期的にブラッシングでお手入れする

シベリアンハスキーは寒い国の産まれであるゆえに、ダブルコートです。
ダブルコートの犬は抜け毛が多いので、ブラッシングで不要な毛玉や死毛を取り除き、皮膚の健康を保つようにしましょう。
普段は週に1、2回、換毛期にはなるべく毎日ブラッシングしてあげます。
→換毛期だけじゃない!犬のブラッシング方法とおすすめアイテム5選
シベリアンハスキーがなりやすい病気

●股関節形成不全
股関節形成不全は、骨の変形により骨盤と太ももの骨がかみ合わないためおこる疾患で、大型犬によくみられます。
関節内に炎症を起こすと痛みが生じ、歩くのが困難になる場合もあります。
70%が遺伝的要因ですが、残り30%は環境要因であり、肥満は大きな原因になりますので、発症予防のために太らせないようにすることが大切です。
また、十分なたんぱく質で筋肉を強くするのも大事です。
●前十字靭帯断裂
前十字靭帯断裂は、肥満の大型犬や高齢犬で膝関節に負担がかかった時に起きます。
前十字靭帯が損傷すると、その足に痛みが生ずるため、足を上げたままケンケンで歩いたり、引きずったりしてその足に体重をかけようとしなくなります。
発症予防には肥満を予防し、ジャンプなどの足に負担がかかる動作をやり過ぎないようにしましょう。
また十分な動物性たんぱく質を与え、筋肉を強くしておくことも大切です。
●白内障
白内障とは、目の水晶体の一部や全体が白く混濁した状態です。
通常は高齢犬に起こりやす病気ですが、シベリアンハスキーでは若いうちから白内障を発症することがあります。
原産地のシベリアでは日照時間が短いので、日本の紫外線、夏場の暑さなど、環境の違いで白内障が怒りやすいと言われています。
白内障は飼い主が気付いた頃には進行している場合が多いので、毎年の健康診断で検査してもらうことをおすすめします。
●特発性てんかん
脳内の神経伝達系が以上に興奮して、全身のけいれんなどの発作が繰り返し起こる病気です。
てんかんの中で原因を特定できないものを特発性てんかんと呼びます。
〈特発性てんかんの多い犬種〉
ビーグル、ダックスフント、ジャーマンシェパード、コッカースパニエル、コリー、ゴールデンレトリバー、アイリッシュセッター、ラブラドールレトリバー、ミニチュアシュナイザー、プードル、セントバーナード、シベリアンハスキーなど
特発性てんかんに根本的な治療はなく、抗てんかん薬で発作を抑える対症療法が中心になりますが、食生活・ストレス・急激な気温変動も影響が大きいと言われています。
→犬のてんかんにヨーグルトやアイスクリーム「てんかんに良い食べ物は?」
まとめ:特性を理解すれば長生きにつながる

1990年代、バブル景気の影響もあって、シベリアンハスキーがブームになったことがありました。
ブームに乗っただけの無知な飼い主のせいで、「ハスキーはしつけができない」「吠えるし毛が抜けるから飼いにくい」と多くのハスキーが捨てられました。
せっかく日本にやってきたのに、なんてかわいそうなことをするのでしょうか。
そんな状況では犬の寿命が短くなるのは当たり前です。
現在では知識が豊富で、犬のことを考えている愛好家が多いこともあり、シベリアンハスキーの平均寿命は伸びてきています。
犬の特性を良く理解して、ストレスをかけずに一緒に生活を楽しむのが長生きの秘訣だと思います。
1日でも長く愛犬と過ごせますように♪