今回のテーマは「犬の睡眠」です。
犬の気持ち良さそうな寝顔を見ていると癒されますよね。
犬のようにたくさん眠ってみた…と思っている方も多いのでははいでしょうか?
それにしても犬はたくさん眠ります。
はじめて犬を飼った場合、「うちの犬、なんだか眠り過ぎじゃないの?」と心配する方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は犬の睡眠に関する疑問をまとめました。
☑すぐに見たい項目があれば下の目次からお選び頂けます
目次
犬は何時間くらい眠るの?
成犬は1日でトータル12~15時間、子犬やシニア犬の場合は18〜19時間の睡眠が必要です。
基本的に犬種の違いで睡眠時間に差はありません。
しかし、シベリアンハスキー・ボーダーコリー・柴犬などの作業犬は、長期間の活動ができるように睡眠時間は短いと言われています。
また、成犬に比べると子犬や老犬は睡眠時間がやや長めです。
子犬はたくさん動き回ってエネルギーを消費するので体力を回復させるために長時間睡眠が必要です。
さっきまで暴れていたのに急にパタンと眠ってしまうのがかわいいですよね。
老犬は体力そのものが衰えるのでなるべく動かずに寝ています。
食事と散歩、時々トイレに起きる感じです。
犬の眠りは浅い?
犬は長時間眠りますが、そのうちの8割は浅い眠りと言われています。
オーストラリアの研究では8時間の睡眠の中で、睡眠16分と覚醒5分というパターンが約23回も繰り返されたのが確認されたそうです。
眠っては起き、眠っては起きを繰り返しているのですね。
犬の睡眠が浅いのは、敵に襲われてもすぐに行動できるためと考えられています。
確かに毎回ぐっすり眠っていたら簡単に食べられちゃいますもんね!
犬が眠っている時にピクピクするのは何?
犬が眠っている姿を観察していると、口や前足がピクピクすることがありますよね。
静かに寝ていたと思ったら急に「クンっ、クンっ」とか、「ガゥー」とかうなったり、
足をパタパタさせたり、口をモニュモニュさせたり。
半目になったりすることもあります。
このような現象は犬の眠りが浅く、人間のレム睡眠のように夢を見ているからという説があります。
レム睡眠を簡単に説明すると「体は休まっているが、脳が起きている状態」です。
脳が活動しているので勝手に身体がピクピク動いてしまう場合があるのです。
これは身体の異常ではありませんので心配はいりません。
※ただし急に倒れて痙攣したり、口から泡をふく時は”てんかん発作”などの脳の病気の疑いがあるので病院に行きましょう。
一方で犬の夢について科学的には立証されていないという意見もあり、今のところはっきりわかっていません。
ワンちゃんに話を聞くこともできないので、確かめようがないのです。
でも上の画像のように、無防備に仰向けで眠っている時は深い眠りなのかもしれません。
家の中で飼われているワンちゃんは割と無防備に眠っている時間が長いそうです。
犬の睡眠不足はストレスや病気の原因になる!
犬も人間と同様に、睡眠不足になるとストレスや病気になるリスクが高くなってしまいます。
犬の場合は睡眠時間が10時間以下だと睡眠不足と言われています。
ただし時間だけでなく、睡眠の質(深い眠り)も大切です。
動物は睡眠をとることにより、細胞の成長や修復が行われます。
また、脳が学習したことや情報を整理するためにも睡眠が必要です。
逆に言えば睡眠が不足するとそれらの働きが弱くなるので、
・ストレスが溜まる
・ストレスによる精神の不安定(怯えや攻撃性)
・しつけが上手くできない
・ケガや病気の治りが悪い
・免疫力の低下で病気になりやすくなる
と言ったリスクが高まることになるのです。
結果的に睡眠不足の犬は寿命が短くなる傾向があると言われています。
犬の寝不足の症状をチェックしよう
愛犬に次のような様子が見られたら睡眠不足かもしれません。
・朝の散歩を嫌がって寝ている
・頻繁にあくびをしている
・目が充血している
・食欲がない
・物音に敏感になっている
・「待て」や「来い」など覚えたことができない
・イライラして近づいたら唸ったり噛みつこうとする …etc.
先ほどもご説明したように、犬の睡眠不足はストレスや病気の原因にもなってしまいます。
たかが寝不足と考えずに、愛犬の睡眠環境についてもう一度見直してみましょう。
犬に質の良い睡眠をとらせる方法
犬に質の良い睡眠をとらせるポイントは以下の通りです。
1.安心して眠れる場所を作る
2.十分な運動をする
3.脳を適度に使う
4.食事を適量与える
1つ目の眠る場所ですが、ワンちゃんによって安心して眠りにつける条件は異なります。
真っ暗なほうがいい場合もあれば、薄明りがあったほうがいいこともあります。
狭い場所が安心できる犬もいれば、少し高い場所が落ち着く犬もいます。
「一緒に寝たほうが犬が安心する」と思い込んでいる飼い主さんもいますが、逆にストレスになっているケースもあります。
2つ目の運動ですが、散歩のスピードが遅すぎてあまり運動になっていない可能性があります。
散歩コースの途中に安全な場所があれば、犬が思い切り走り回る時間を作ってあげましょう。
普段の散歩で無理ならお休みの日にドッグランや安全な広場で走り回ったり、ボール遊びで運動させてあげましょう。
3つ目の「脳を使う」というのは難しいことではありません。しつけのトレーニングをしたり、おやつを探すゲームをしたり、持ってこい遊びをすることで犬の脳に刺激を与えることができます。
また散歩中に「クンクン」と色んなニオイをかぐことも大切です。
立ち止まるのが面倒なので人間のペースで散歩しがちになりますが、嗅覚を使うのは犬にとってもっとも脳を刺激する行為です。
脳を使うのは認知症の予防効果もあります。ある程度は犬のペースに合わせてお散歩してください。
4つ目は食事です。食事を十分に食べると副交感神経が刺激されて眠くなります。
いつも空腹では眠れませんよね。
また、夜間の寝つきが悪い犬は、朝より夜の食事量を多めにしてあげましょう。
犬の認知症で夜泣き・夜間徘徊がある場合の対処法
犬が夜泣きする原因としては、不安・寂しい・甘え・トイレに行きたい・発情・体調不良などがありますが、最近では認知症による夜泣きや徘徊が大きな問題になっています。
認知症の場合、例えば「添い寝をして安心させてもそれが理解できないため、夜泣きがおさまらない」など、なかなか良い改善策がありません。
ですので、お薬を使うという選択肢を考えている方もいらっしゃると思います。
犬に睡眠薬を使っても大丈夫か?
認知症の場合、日中に十分な運動をする、食事をたくさん与えて満腹にする、添い寝して安心させるなどの対処をしても改善しない場合が少なくありません。
毎晩の夜泣きや徘徊で飼い主さんに負担がかかったり、近所迷惑になったりする問題もあります。
そこで選択肢に挙がるのが睡眠薬(抗不安薬や眠剤など)を飲ませる方法です。
犬専用の睡眠薬はありませんので人間用の物を使います。
もちろん飼い主が勝手に飲ませることはできません。
病院に行って処方してもらい、量を守って服用させます。
睡眠薬は量を間違えれば危険ですし、効果的な使い方にはコツがあるので経験の豊富な病院でよく相談して処方してもらいましょう。
ただし犬によって睡眠薬が効かなかったり、飲み続けているうちに段々効かなくなっていくことがあります。
また、お薬である以上何らかの副作用が出たり、鎮静効果で認知症が悪化することもあるので病院の先生とよく話し合って、十分納得した上で使用します。
もしも睡眠薬を使うことに抵抗を感じたり、認知症が軽度の場合は、サプリメントで症状が和らぐ可能性もあるので試してみてはいかがでしょうか。
認知症による夜泣き症状に用いられるサプリ
犬の認知症の原因は現在のところはっきりわかっていません。
しかし認知症になっている犬の場合、血液中のDHA・EPAなどの不飽和脂肪酸が正常な高齢犬に比べて明らかに減少しています。
ですので、サプリメントで不飽和脂肪酸を補うことで認知症症状を緩和させるという考え方があり、病院でも取り入れられています。
DHA・EPAが配合されたサプリは色々市販されていますが、多くの動物病院でも取り扱っているのが「メイベットDC」です。
実際に使用した方の感想は、
「アメリカンコッカー15歳の夜泣きがひどく、検索してこちらの商品にたどり着きました。夜の9時にのませて朝の6時まで眠ってくれるようになりました。本当にありがたい限りです。」
「徘徊に効果があるかな・・・っと思って買いました。続ければ効果が出るのか?まだ何の変化もありません」
「錠剤を飲んでいたのですが、病院の先生に勧められてこちらを飲ませてみましたが、濃度が濃いため便が柔らかくなります。病状により服用したほうがいいと思います。」
と様々ですが、サプリメントは薬ではないので必ず効果がある訳ではありません。
使用する際はかかりつけの獣医と相談することをおすすめします。
犬の睡眠についてのまとめ
犬達はどんな夢をみているのでしょうか?
広場で走り回ったり、その日に会った犬が夢に出てきたりするのでしょうか?
もしかしたら美味しいご飯をお腹いっぱいに食べている夢をみているのかもしれません。
楽しい夢をたくさんみているといいですね!