新型コロナウイルス(SERS-CoV-2)を原因とする肺炎(COVID-19)が世界中に拡散しています。
日本でも感染の拡大を食い止めるため、学校の臨時休校措置要請まで出されています。
このような状況下で、私たちの大切な愛犬にSERS-CoV-2が感染することはあるのでしょうか?
飼い主さんはとても不安だと思います。
正しい情報で、今できる予防対策を実践しましょう。
(追記情報)
公益社団法人東京都獣医師会
危機管理室 感染症対策セクションでは以下のように発表しています👇
次々に新しい情報が発信されている現時点でも、新型コロナウイルス
感染症はヒトからヒトへ感染する病気であり、ヒトからペットに感染
したとしても、さらにペットがヒトに病気を移す可能性は限りなく低
いだろうと、世界中の多くの専門家も含めて考えています。
しかし、ヒトからペットへの感染の可能性はあるため、新型コロナウ
イルス感染症にかかっている人は、ペットのお世話を家族に依頼する
など、ペットとの接触を避けるべきです。
しかし、他に依頼すること
ができない場合には、マスクやグローブを装着して世話をして下さい。
普段から、ペットと接する際に過剰なふれあいを避け、手洗いなどを
きちんと行うことは、新型コロナウイルス感染症だけに限らず、他の
“人と動物の共通感染症”からご自身の健康を守るために必要です。
まれに人からペットに感染するケースもあるものの、非常に確率は低いということです。
コロナウイルスに限らず、あらゆる感染症対策に有効なのが「過剰なふれあいを避ける」「手洗い」です。
大切な家族である愛犬と一緒に健康で長生きをするためにも、清潔な環境を心がけましょう!
目次
新型コロナウイルスは犬に感染しない?
世界小動物獣医師協会(WASAVA)では、
「現時点でイヌやネコがこの新型コロナウイルスに感染する可能性があるという証拠はなく、新しい感染源となる証拠もない」
という声明を出しています。
また、この声明については世界保健機関(WHO)も支持しており、HPには次のような掲載があります。
Coronavirus disease (COVID-19) advice for the public: Myth busters
出典:https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/advice-for-public/myth-busters
これを見るとひとまず安心していいように思えます。
しかしながら、
香港政府は28日、新型コロナウイルスの感染者が飼っていたペットの犬から、ウイルスの弱陽性反応が出たと発表した。
犬に目立った症状はないが、引き続き検査と経過観察を進め、陰性が確認されるまで当局が管理するという。
というニュースが飛び込んできました。
香港政府は29日までに、ペット犬の1匹が新型肺炎の検査で弱いながらも陽性反応を示したため隔離の措置を講じたと発表した。
この犬の飼い主が新型肺炎を発症した後、犬は地元政府の農業行政などを担当する部門に引き渡された。犬の口、鼻や直腸から採取した検体の初期検査では弱いながらも新型コロナウイルスの陽性反応を見せた。
ただ、犬には新型肺炎の感染の症状は一切出ていないという。
出典:CNN
やはり新型コロナウイルスは犬や猫に感染するのでしょうか?
新型コロナウイルスが犬に感染したことを確認できたわけではない
東京都獣医師会は、香港当局がペットの犬から新型コロナウイルスの弱陽性反応が出たと発表したことについて、
「犬が感染したことを確認したわけではない」とする見解をホームページ(HP)に掲載しています。
また、日本獣医師会もHPで同様の見方を示し、「飼育者がしっかりした感染防御の対応を取ることが最も重要」としています。
出典:公益社団法人日本獣医師会
香港の同行政部門も声明で、
「現段階においてペットの動物が新型肺炎に感染したり、人への感染源になったりするとの証拠は得ていない」と説明しています。
したがって、現時点では新型コロナウイルスについて、「飼い主からペットに感染する可能性は非常に低い」と考えられます。
追加情報
2020.3.5に公益社団法人 日本動物病院協会から以下の情報と見解が示されました。
これまでの情報ならびに獣医学の常識から,犬には人間のコロナウイルスは感染しないだろうと考えて情報を発信して参りましたが,どうやらわれわれ獣医界の知らないことが起こったようです.
2月下旬に香港の60歳の女性で新型コロナウイルス感染が確認され,その人が飼育する老齢のポメラニアンの鼻と口の材料に新型コロナウイルス感染の弱い陽性反応がみられました.これがウイルスの付着によるものか,感染なのかを調べるため,その後のウイルスの存在を追跡したところ,複数回の弱陽性反応が出たことから,香港漁農自然護理署(AFCD)は犬が「低レベルの感染」をしていると結論しました.同時にこの所見は大学や国際獣疫事務局(OIE)の専門家たちによっても確認され,「人間から動物への感染例の可能性が高い」とされました.
ただし、香港政府は「現時点でペットがウイルスを媒介するというデータはない」と強調しています.そして,動物が感染源になるといった過剰な心配を抱かないように呼びかけています。
また、日本臨床獣医学フォーラム会長の石田卓夫(獣医師,農学博士,日本獣医病理学専門家協会会員)氏は
「今回の事例では,犬は善意の第三者であり,たまたまウイルスをもらってしまったと考えられ,どうして犬に感染が起こったのかについては,老齢の犬であったからなのか,それとも犬はすべてそうなのかはまだ例数が少ないためわかりません。
しかし,中国のように多くの感染患者がいる場所でも,犬から病気をもらったというような状況は報告されていません。
犬は大切な家族の一員です。
決して犬を悪者にしたり,飼育を放棄したりしないよう,そして過剰に恐れることなく,ふつうに対応してください。」
と呼びかけています。
現時点で、飼い主さんが現状で出来ることは、WHOや日本獣医師会のHPにあるように、
『しっかりした感染予防対策をとること』です。
愛犬に触れたあとは、石鹸で手を洗い、きちんと消毒しましょう。
犬コロナウイルスにも効果がある消毒
非常に強力な除菌・除ウイルス効果を持ち、しかもペットにも安心して使えるアイテムとして「カンファペット」をおすすめしています。
「カンファペット」は味の素、キッコーマン、アサヒビール、日本赤十字社、伊藤ハムなど500社以上の企業に導入されている消臭除菌剤で、
・不純物を除去した純水
・次亜塩素酸ナトリウム(厚生労働省認定食品殺菌剤)
・酸性剤(厚生労働省認定食品添加物)
を原材料としています。(人間用の食品添加物として認可を受けているもののみを使用)
犬コロナウイルス・猫コロナウイルス、人間のインフルエンザやノロウイルスの除菌効果が実証されています。
使い方も簡単で、外出後の手洗いの際に手に揉み込むようにするだけです。
また、
・着ていた服にそのままスプレーしてもOK(脱色効果は皆無です)
・お部屋の空間にスプレーすれば、空間中のウイルスを除去可能
と様々な用途で使うことができます。
ペットが舐めたり、目や口に入っても大丈夫なように安全性にこだわって作られているので、人間の赤ちゃんにも使用可能です。
アルコールなどと違いペットの被毛に悪影響を与えることも全くありません。
注意!
次亜塩素酸ナトリウム液と次亜塩素酸水は別のものです。
1. 次亜塩素酸ナトリウム液とは
• 家庭で塩素系漂白剤として使用されることが多いですが、優れた消毒作用もあります
• しかし、強いアルカリのため身体に使ってはいけません
• 新型コロナウイルス対策のためには、0.05%の濃度になるよう水で薄めて使用して下さい
• 酸と混ぜると塩素ガスが発生して危険です
• 換気に気をつけて下さい
• 薄めた液体は効果が薄くなっていきます。その都度調整して下さい
2. 次亜塩素酸水とは
• 塩酸または塩化ナトリウム水溶液を電気分解することで得られる液体です
• 次亜塩素酸水を消毒液として使用する場合には、有効塩素濃度を確認するか、JIS規格
を取得した器材で生成直後に使用してください
「カンファペット」はお散歩のあとの消毒はもちろん、ワンちゃんのお尻、耳、目の周りのお手入れにも使える安全なスプレーです。
今現在日本では各個人が責任をもって手洗いや咳エチケット、消毒などの対策をしなければ感染の拡大は避けられない状況となっています。
飼い主さんと愛犬が一緒に安心して使用でき、効果が信頼できる除菌剤を使用してください。
犬コロナウイルスとは?
犬コロナウイルス(Canine coronavirus)は高い伝染力を有し、イヌに消化器症状を引き起こすもので、現在流行している新型コロナウイルスとは関係ありません。
子イヌで症状がでることが多く、パルボウイルスとの混合感染で重症になることがあるので注意が必要です。
犬コロナウイルスの原因
犬コロナウイルスに感染しているワンちゃんの嘔吐物やうんちなどを口から取り入れることで感染します。
犬コロナウイルスの症状
成犬では無症状なことが多く、子いぬの場合は嘔吐や下痢などの消化器症状を引き起こします。
子いぬが感染した場合、下痢、嘔吐、元気消失、食欲減退などの症状が現れ、激しい胃腸炎を起こします。
便はオレンジ色をおびた粥状で悪臭を放ち、血便となることもあります。
ひどい場合には死に至ることがあるので注意が必要です。
また犬コロナウイルス感染症は、犬パルボウイルス感染症と混合感染することが多く、その場合はより重篤な症状となり、死亡する危険性がより高まります。
犬コロナウイルスの治療
犬コロナウィルスそのものに対する治療法は確立されていません。
したがって症状に合わせた対処療法を行います。
下痢をしているワンちゃんには下痢止めの投与、脱水時には点滴による補水など、その他様々な症状に応じて抗生物質の投与などをします。
また、集団飼育をしている場合には、他の感染症と同様に感染した犬の速やかな隔離と徹底した消毒を行う必要があります。
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強力な除菌・除ウイルス効果「カンファペット」
犬コロナウイルスの予防
犬コロナウイルスはワクチン接種で防げる病気です。
ちなみにワクチンで予防できる伝染病は下記の11種類です。
①ジステンパーウイルス感染症
②アデノウイルスⅠ型感染症(犬伝染性肝炎)
③アデノウイルスⅡ型感染症(犬伝染性喉頭気管炎)
④パラインフルエンザ感染症
⑤パルボウイルス感染症
⑥コロナウイルス感染症
⑦レプトスピラ感染症コペンハーゲニー型(イクテロヘモラジー/黄疸出血型)
⑧レプトスピラ感染症カニコーラ型
⑨レプトスピラ感染症ヘブドマディス型
⑩レプトスピラ感染症オータムナリス型
⑪レプトスピラ感染症オーストラリス型
※製薬会社によって、値段や含まれるワクチンの種類が異なる場合もあります。
犬のワクチン接種には、「3種」「5種」「6種」「7種」などがあります。
その中の「6種ワクチン」で、コロナウイルス感染症の予防ができます。
【犬の6種混合ワクチン】
①ジステンパーウイルス感染症
②アデノウイルスⅠ型感染症(犬伝染性肝炎)
③アデノウイルスⅡ型感染症(犬伝染性喉頭気管炎)
④パラインフルエンザ感染症
⑤パルボウイルス感染症
⑥コロナウイルス感染症
※ただしWSAVA(世界小動物獣医師会)では、犬コロナウイルスに対するワクチンを推奨していません。
コロナウイルスが犬にとって確実に病原性をもつウイルスであるという科学的な根拠が十分得られておらず、ワクチン接種による感染予防効果のエビデンスはさらに乏しい。
出典:WSAVA~犬と猫の ワクチネーションガイドライン~
ワクチン接種については、病院で十分な説明を受け、飼い主さんが納得した上で実施してください。
「新型コロナウイルスは人から犬に感染する?」のまとめ
今回の内容をおさらいします。
・新型コロナウイルスについて、現時点では「飼い主からペットに感染する可能性は非常に低い」
・飼い主さんは手洗い、消毒でしっかりと感染予防対策をする必要がある
・「犬コロナウイルス」と「新型コロナウイルス」は別の病気
・犬コロナウイルスは、成犬では無症状なことが殆どだが、子犬では死に至る場合もあるので注意が必要
・ウイルスの感染予防には手洗い・消毒を徹底する