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03 食事

犬が食べてはいけないもの一覧と、食べてしまったときの連絡のしかた

この記事の監修:獣医師 氏名非公開
体に関わる記事(受診の目安・家でのケアなど)は、獣医師が内容を確認しています。氏名は公開していません。

この記事のポイント

  • 犬が食べてはいけないものとして、公的機関は、ネギ類(タマネギ・長ネギ・ニラ・ニンニク)、チョコレート、ぶどう・レーズン、キシリトール、鶏の骨などを挙げています。
  • 食べてしまったら、家で吐かせるなどの処置はせず、すぐ動物病院に電話してください。この記事でも家での処置は書いていません。
  • 電話では「何を・いつ・どのくらい食べたか」と「犬の体重」を伝えます。袋や包み紙が残っていれば、病院に持っていけるようにしておきます。
  • 年をとった犬は、人の薬や食卓のものを口にしやすくなることもあります。置き場所を見直すのがいちばんの予防です。

犬が食べてはいけないものは、ネギ類(タマネギ・長ネギ・ニラ・ニンニク)、チョコレート、ぶどう・レーズン、キシリトール、鶏の骨などです。どれも、公的機関の資料で犬に与えてはいけないものとして挙げられています。もし食べてしまったら、家で何かしようとせず、すぐ動物病院に電話して「何を・いつ・どのくらい食べたか」と「犬の体重」を伝えてください。この記事では、家で吐かせるなどの処置は、あえて書いていません。

犬が食べてはいけないものは?

犬が食べてはいけないものとは、ここでは、犬が食べると中毒を起こしたり、体を傷つけたりするおそれがあると、公的機関などが注意を呼びかけている食べ物のことです。

次の表は、群馬県・日本中毒情報センター・米国食品医薬品局(FDA)の資料で確認できたものです。原因や起こりうることは、それぞれの資料の書き方に沿ってまとめています。

食べ物原因とされるもの資料にある、起こりうること
ネギ類(ニラ・長ネギ・タマネギ・ニンニク)アリルプロピルジスルフィド(煮汁にも残る)貧血
チョコレートテオブロミン嘔吐、下痢、発熱、けいれん発作
ぶどう・レーズン有害な成分は特定されていない腎不全
キシリトール入りのガムなどキシリトール低血糖、嘔吐、肝不全
鶏の骨かむと縦に裂けて、とがる消化管を傷つける、詰まる
生の魚介類ビタミンB1を分解する酵素後ろ足のまひ

出典:群馬県「パートナー通信」Vol.60(2026年2月号)、公益財団法人 日本中毒情報センター「イヌの中毒事故を防ぐために」(2026年10月23日に確認)

犬に与えてはいけないもの6品目のイラスト。ネギ類、チョコレート、ぶどう・レーズン、キシリトール入りのガムなど、鶏の骨、生の魚介類
国内の資料で確認できた、犬に与えてはいけないものです。これで全部ではありません。迷ったら与えないか、動物病院に聞いてください。イラスト:いぬのながいき手帖

日本中毒情報センターの資料でも、チョコレート、キシリトール、タマネギ、ブドウは「与えない」ものとして挙げられています。

食べたあとどのくらいで具合が悪くなるか、どのくらいの量で危ないかは、犬の体重や食べたものの種類で変わります。この記事では量の目安は書いていません。「少しだから大丈夫」と決めずに、病院に聞いてください。

キシリトールは、ガム以外にも入っている

キシリトールは、甘味料の一種です。米国食品医薬品局(FDA)は、キシリトールは犬にとって有毒で、命にかかわることがあるとして注意を呼びかけています。FDAによると、食べてから20分ほどで様子が変わることがあります。

FDAが、キシリトールが入っていることがあるものとして挙げているのは、次のようなものです。

  • シュガーレスのガム、あめ、ミント、デザート
  • シュガーレスのジャム、ナッツバター
  • 歯みがき粉、洗口液
  • せき止めシロップなどの液体の薬、点鼻薬
  • 食物繊維のグミなどのサプリメント

出典:米国食品医薬品局(FDA)「Paws Off: Xylitol is Toxic to Dogs」(2026年10月23日に確認)

日本で売られている商品でも、原材料の欄に「キシリトール」と書かれていることがあります。家族が使うガムや歯みがき粉の置き場所を、犬の届かないところにしておくと安心です。

ほかに、気をつけたい食べ物は?

米国の動物虐待防止協会(ASPCA)の中毒管理センターは、次の食べ物もペットに与えないよう呼びかけています。国内の公的機関の資料では、確認できなかったものも含みます。

食べ物ASPCAが挙げている理由
アルコール(お酒)嘔吐、下痢、ふらつき、呼吸がしにくくなるなど
コーヒー・お茶などカフェインを含むものチョコレートと同じ仲間の成分で、嘔吐、下痢、ふるえなど
マカダミアナッツ力が入らない、ふらつき、嘔吐、ふるえなど
塩分の多いもののどの渇き、嘔吐、下痢、ふるえなど
発酵前のパン生地胃の中でふくらむ、発酵でアルコールができる

出典:ASPCA Animal Poison Control「People Foods to Avoid Feeding Your Pets」(2026年10月23日に確認)

環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」でも、コーヒー・緑茶・紅茶などのカフェインを含むものは、下痢や嘔吐などを起こすことがある食材として挙げられています。

環境省が「注意が必要」としている食材

環境省のガイドラインには、中毒とまではいかなくても、与え方に注意が必要な食材もまとめられています。犬と猫をまとめて書いている項目が多いので、犬にもあてはまるものを抜き出しました。

食材ガイドラインにある理由
レバービタミンAが多く、とりすぎると食欲不振や関節炎を起こすことがある
ホウレン草シュウ酸が多く、尿石症の原因になる(ゆでてアク抜きすると減らせる)
コーヒー・緑茶・紅茶などカフェインで、下痢・嘔吐・体温不調・多尿・てんかんの発作などを起こすことがある
生肉(生の豚肉や野生鳥獣肉)寄生虫や細菌がいることがあるので、加熱して与える
香辛料耐性が低く、肝臓の障害を起こすことがある
生卵(生の卵白)与え続けるとビオチンが不足し、皮膚炎などを起こすことがある(加熱するか、全卵なら問題ない)
にぼし・海苔マグネシウムのとりすぎで、尿路の病気の原因になる

出典:環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」(平成30年8月改訂版)「1-4 与えてはいけないもの、注意が必要なもの」(2026年10月23日に確認)

このガイドラインで「与えてはいけないもの」とされているのは、タマネギ・ネギ・ニラ・ニンニク、チョコレート、キシリトール入りのガムなど、鶏の骨、生の魚介類、ブドウ・干しブドウです。上の一覧表と同じものです。

食べ物以外で、口にすると危ないものは?

犬が口にして危ないのは、食べ物だけではありません。

日本中毒情報センターが、過去10年間に中毒110番に寄せられた犬の急性中毒の相談1,623件をまとめた資料では、家庭用品の中では殺虫剤による事故がもっとも多く、殺虫剤・殺鼠剤の事故の9割以上は、ホウ酸団子のようなベイト(毒餌)剤を食べてしまったものでした。医薬品では、机の上など犬が届く場所に置いた薬の誤飲が多く見られたとされています。

同じ資料では、次のようなものも、使ったらすぐ片付けるよう呼びかけています。

  • 保冷剤、カイロ、乾燥剤、防虫剤
  • たばこ、電池、化粧品、洗剤
  • 消臭剤、芳香剤
  • 庭やベランダの植物の葉・花・実・球根、農薬や肥料

環境省のガイドライン(2009年の第二版)でも、観葉植物のうち、ディフェンバキア、セローム、アイビー、クレマチス、スズラン、クロッカス、シクラメンなどに危険性があると書かれています。

出典:公益財団法人 日本中毒情報センター「イヌの中毒事故を防ぐために」(2015年6月)、環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」(2026年10月23日に確認)

これらを口にしたときも、食べ物と同じように、すぐ動物病院に電話してください。

食べてしまったら、まずどうする?

犬が食べてはいけないものを食べてしまったら、すぐ動物病院に電話してください。かかりつけの病院が閉まっている時間なら、夜間に診てくれる動物病院に電話します。

食べてしまったら、すぐ動物病院に電話してください

  • この記事の一覧にあるものを食べた、または食べたかもしれない
  • 人の薬やサプリメントを口にした
  • 食べたあとに、吐く・ふるえる・ぐったりするなど、いつもと違う様子がある
  • 何を食べたかわからないが、袋が破れていた、ゴミ箱が荒らされていた

いまは元気そうに見えても、電話をしてかまいません。病院は、食べたものと量、体重を聞いて、すぐ来てほしいか、様子を見てよいかを判断してくれます。

この記事に、家での処置を書いていない理由

インターネットには、家で吐かせる方法が書かれていることがあります。けれども、吐かせてよいかどうかは、食べたものや時間、犬の体の状態によって変わります。やり方によっては、かえって体に負担がかかることもあります。そのため、この記事では家での処置は書かず、動物病院の指示を受けることだけをおすすめしています。電話で指示があったときは、それに従ってください。

動物病院に電話するとき、何を伝える?

あわてていると、うまく話せないものです。次の4つを伝えられるよう、メモを見ながら電話してください。

  1. 何を食べたか:商品名や種類(ミルクチョコかブラックチョコか、ぶどうかレーズンか など)。袋や包み紙、残りがあれば手元に置きます。
  2. いつ食べたか:時刻。はっきりしなければ「◯時には何ともなかった」でもかまいません。
  3. どのくらい食べたか:個数やグラム。残りの量から計算した、だいたいの量でもかまいません。
  4. 犬の体重:だいたいの体重と、年齢。

あわせて、いまの様子(吐いた、ふるえている、ふだんどおり など)、持病や飲んでいる薬も伝えると、病院が判断しやすくなります。

病院に行くときは、食べたものの袋や包み紙、残ったもの、吐いたものがあれば、それも持っていけるようにしておきます。

夜間や休日の病院の探し方と、電話で伝えることは、夜間・休日に動物病院を探すにはにもまとめています。

いざというときのために、元気なうちに準備しておくこと

食べてしまったとき、いちばん時間がかかるのは「どこに電話すればいいか」を探すことです。元気なうちに、次のことを準備しておくと、あわてずにすみます。

  • かかりつけの動物病院の電話番号と、診療時間を、スマホの連絡先と紙の両方に残す
  • 夜間・休日に診てくれる動物病院を1〜2か所調べて、電話番号と場所を確かめておく
  • 犬の体重を、最近はかった数字で覚えておく(健康診断の記録などにも残っています)
  • 持病や飲んでいる薬の名前を、メモにまとめておく
  • 夜間に車を出せる人、タクシーを呼べるかを、家族で確かめておく

環境省のガイドライン(2009年の第二版)でも、かかりつけの獣医師の電話番号をメモしておくと安心だと書かれています。

年をとった犬で、気をつけたいことは?

年をとると、目や耳が少しずつ弱くなったり、食べ物へのこだわりが変わったりして、思わぬものを口にすることがあります。日本中毒情報センターの資料でも、机の上など犬が届く場所に置いた薬の誤飲が多いと書かれています。

  • 家族の薬やサプリメントは、棚の上ではなく、ふたの閉まる箱や引き出しにしまう
  • 犬の薬と、人の薬を同じ場所に置かない
  • 食卓に食べ物を出しっぱなしにしない。ゴミ箱はふた付きにする
  • 来客や孫が来るときは、お菓子を犬に与えないよう、ひと声かけておく

食が細くなってきた犬に、何か食べてほしくて人の食べ物をあげたくなることもあります。食べやすいご飯の工夫は、老犬がご飯を食べないときを参考にしてください。

食べてはいけないものを、家族で共有するには

食べてはいけないものは、家族全員が知っていないと防げません。特に、ふだん犬の世話をしていない家族や、遊びに来る子どもは、知らずに与えてしまうことがあります。

  • この記事の一覧を、冷蔵庫など目につく場所に貼る
  • かかりつけの病院と夜間の病院の電話番号を、同じ紙に書いておく
  • 家族のグループLINEなどで、このページを共有しておく

この記事の最後にある「動物病院に伝えることメモ」は、印刷して電話のそばに置いておけます。体の変化が気になったときは、すぐ病院か確かめるも使ってみてください。

よくある質問

犬がチョコレートを少しだけ食べました。様子を見てもいいですか?

量が少なくても、自分で判断せずに動物病院に電話してください。チョコレートの種類(ミルク・ブラック・ココアなど)と量、食べた時刻、犬の体重を伝えると、病院が急ぐ必要があるかを判断しやすくなります。

食べてしまったとき、家で吐かせたほうがいいですか?

この記事では、家で吐かせる方法は書いていません。やり方や飲ませるものによっては、かえって体に負担がかかることがあるためです。まず動物病院に電話して、指示を受けてください。

夜中に食べてしまったら、どこに電話すればいいですか?

かかりつけの動物病院が閉まっている時間は、夜間に診てくれる動物病院に電話します。元気なうちに、近くの夜間の病院の電話番号を調べて、家族みんなが見られる場所に貼っておくと安心です。

ネギが入ったスープやハンバーグも、だめですか?

群馬県の資料では、ネギ類の有害な成分は煮汁にも残るとされています。ネギそのものを取りのぞいても、煮汁やネギと一緒に調理したものは与えないでください。

食べてはいけないものは、これで全部ですか?

いいえ。この記事の一覧は、公的機関などの資料で確認できたものだけです。ここに載っていないものでも、犬の体の状態や量によっては注意が必要です。迷ったら与えないか、かかりつけの動物病院に聞いてください。

食べてしまったとき、動物病院に伝えることメモ

印刷して、終わったものに印をつけて使えます。

  • 何を食べたか(商品名・種類。袋や包み紙があれば手元に)
  • いつ食べたか(時刻。わからなければ、最後に無事を見た時刻)
  • どのくらい食べたか(個数・グラム。残りから計算した量でもよい)
  • 犬の体重(だいたいでもよい)と年齢
  • いまの様子(吐いた、ふるえる、ぐったりしている、ふだんどおり など)
  • 持病と、飲んでいる薬
  • かかりつけの病院と、夜間に診てくれる病院の電話番号

いぬのながいき手帖 https://inu-nagaiki.com/articles/inu-tabete-ikenai/

参考にした情報

制度や料金は変わることがあります。最新の情報は、各機関・施設の公式サイトや窓口でご確認ください。

この記事の更新履歴

  •  獣医師の監修を経て公開しました。
  •  環境省ガイドラインの改訂版(平成30年8月)で内容を確かめ、「注意が必要な食材」の表を差し替えました。

次に内容を見直す予定:2027年10月ごろ

内容の誤りや古い情報にお気づきの方は、お問い合わせからお知らせください。

この記事を書いた人

いぬのながいき手帖 編集部

老犬の介護・預け先・お別れについて、環境省・厚生労働省・自治体などの公的な情報と、獣医師の監修をもとに記事を作成しています。受診の目安など体に関わる内容は、獣医師の確認を経たものだけを公開します。

この記事の監修者

氏名非公開(獣医師)

体に関わる記事(受診の目安・家でのケアなど)は、獣医師が内容を確認しています。氏名は公開していません。

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