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01 症状と受診

犬が吐くとき。白い泡・黄色い液の見方と、すぐ病院に行くべきサイン

この記事の監修:獣医師 氏名非公開
体に関わる記事(受診の目安・家でのケアなど)は、獣医師が内容を確認しています。氏名は公開していません。

この記事のポイント

  • 犬が吐くとは、胃や食道にあるものを口から出すことです。お腹に力を入れて吐く「嘔吐」と、力まずに出てくる「吐出」があります。
  • 何度も吐く、吐こうとしても何も出ない、血やコーヒーかすのようなものが混じる、ぐったりしている、水も飲めないときは、すぐ動物病院に電話してください。
  • 白い泡や黄色い液を1回吐いて、そのあと元気なら、記録しながら様子を見ることもあります。くり返すときやシニア犬は、早めに相談を。
  • 回数・吐いたものの色と中身・食後どのくらいか・吐き方を記録し、写真や動画を撮っておくと、病院で伝えやすくなります。

犬が吐いたら、まず「何回吐いたか」「吐いたものの色と中身」「吐いたあとも元気・食欲があり、水を飲めるか」を見てください。何度も吐く、吐こうとしても何も出ない、血やコーヒーかすのようなものが混じる、ぐったりしている、水も飲めないときは、様子を見ずにすぐ動物病院に電話します。白い泡や黄色い液を1回吐いて、そのあといつもどおりなら、記録をつけながら様子を見ることもあります。年をとった犬や、くり返し吐くときは、早めに相談すると安心です。

吐いたものの写真や、吐いているときの動画は、病院で様子を伝える大きな手がかりになります。この記事では、白い泡・黄色い液などの見方、すぐ電話したほうがいいサイン、病院に伝えること、シニア犬で気をつけたいこと、家でできることを紹介します。診断はしません。迷ったら、かかりつけの動物病院に電話してください。

犬が吐くとは?「嘔吐」と「吐出」の違い

犬が吐くとは、胃や食道にあるものを、口から外に出すことです。吐き方によって、「嘔吐(おうと)」と「吐出(としゅつ)」に分けて説明されることがあります。

嘔吐吐出
吐き方お腹に力を入れて、えずきながら吐く力まずに、急に口から出てくる
前ぶれよだれ、口をくちゃくちゃする、落ち着かないなど、吐き気の様子があることが多い前ぶれがないことが多い
出てくるもの胃の中のもの。消化が進んだフード、胃液、黄色い液など飲み込んだ直後の、あまり消化されていないフードなど

出典:ロイヤルカナン ジャポン「犬の消化器トラブルのサインを見つける」、Cornell University College of Veterinary Medicine「Vomiting」をもとに編集部作成(2026年10月23日に確認)

どちらなのかは、病院でも大切な情報になります。見分けにくいときは、無理に判断しなくてかまいません。吐いているところを動画で撮っておくと、獣医師に見てもらえます。

咳と見分けにくいことも

犬では、吐き気と咳が見分けにくいことがあります。獣医師が監修した解説では、「吐きそうなのに何も出ない」と受診したら、実は咳だったというケースが多いと紹介されています。AKCの解説でも、吐いているのか咳をしているのかわからないときは、獣医師に相談するように、としています。迷ったときも、動画がいちばん伝わります。

白い泡・黄色い液・茶色…吐いたものの色でわかること

吐いたものの色や中身は、病院に伝えたい情報のひとつです。獣医師が監修した解説をもとに、よく見られるものをまとめました。色だけで原因はわかりません。あくまで「病院に伝えるときのメモ」として使ってください。

吐いたもの一般的な説明相談のしかた
透明な液・白い泡水や胃液、唾液のことが多いとされる。空腹や水の飲みすぎ、吐き気のサインのことも1回でそのあと元気なら記録。何度も吐く・吐けないときはすぐ電話
黄色い液胆汁のことが多く、空腹の時間が長いと見られることがあるとされるくり返すときは時間帯をメモして相談
茶色のどろっとしたもの消化途中のフードのことが多いとされる1回でそのあと元気なら記録。さらさらの茶色は相談
毛のかたまり抜け毛を飲み込んだものくり返すときは相談
ピンク・赤(血が混じる)口や食道、胃などからの出血のことがあるとされるすぐ電話
コーヒーかすのような黒っぽいもの消化された血のことがあるとされるすぐ電話
異物(おもちゃ、布、骨など)誤食・誤飲すぐ電話

出典:オリコン ペット保険「犬の嘔吐」(獣医師 松田唯 監修)、All About「犬が吐く原因と対処法」(獣医師 丸田香緒里 監修)、Cornell University College of Veterinary Medicine「Vomiting」をもとに編集部作成(2026年10月23日に確認)

吐いたものの色の見本。白い泡・透明な液、黄色い液、茶色のどろっとしたもの、ピンク・赤、コーヒーかすのよう。ピンク・赤とコーヒーかすのようなものはすぐ電話
吐いたものの色の見本です。色だけで原因はわかりません。病院に伝えるときのメモとして使ってください。イラスト:いぬのながいき手帖

犬が白い泡を吐くとき(ネバネバしている)

白い泡やネバネバしたものは、胃液や唾液が出てきたものであることが多いと説明されています。獣医師が監修した解説では、空腹やストレスが関わることがあり、空腹が理由なら食事の回数を増やして空腹の時間を短くする方法が紹介されています。一方で、短い時間に何度も吐く場合は、受診が必要とされています。

特に気をつけたいのは、吐こうとしているのに何も出ない、白い泡やよだれだけが出る、お腹がふくれているという様子です。AAHAのシニア犬・猫の飼い主向け資料でも、吐こうとして何も出ないときや、お腹がふくれているときは、すぐ受診するように、としています。体の大きな犬では特に注意が必要とされています。こうした様子があれば、時間を置かずに動物病院に電話してください。

犬が黄色い液を吐くとき

朝ごはんの前など、お腹が空いている時間に黄色い液を吐くことがあります。獣医師が監修した解説では、空腹で胃酸が増えたり、空腹の時間が長すぎたりすることが考えられ、食事の間隔を短くする、少量のフードを与えるといった調整が紹介されています。ただし、吐き気が続く、食欲が落ちている場合は受診が必要ともされています。

食事の回数や時間を変える前に、吐いた時間帯と、最後に食べた時間をメモして、かかりつけの動物病院に相談してみてください。

犬が吐いたら、すぐ病院に電話したほうがいいサインは?

次のようなときは、様子を見ずに、すぐ動物病院に電話してください。夜間や休日なら、夜間救急の動物病院に電話して、向かったほうがいいか聞きます。

こんなときは、すぐ動物病院に電話してください

  • 何度も吐く、短い時間に続けて吐く
  • 吐こうとしているのに何も出ない、お腹がふくれている
  • 血が混じる、コーヒーかすのような黒っぽいものを吐く
  • ぐったりしている、呼んでも反応がにぶい、立てない・ふらつく
  • 水も飲めない、水を飲んでもすぐ吐く
  • お腹をさわると痛がる、背中を丸めてじっとしている
  • 下痢や血便も一緒にある
  • 誤食・誤飲の心当たりがある(おもちゃ、布、骨、薬、人の食べ物 など)
  • 息が苦しそう、呼吸が速い
  • 飲んだばかりの薬を吐いた
  • 子犬、シニア犬、持病のある犬で、吐くのが続いている

コーネル大学獣医学部の解説では、吐いたものに血やコーヒーかすのようなものが混じるときは受診を、ぐったりしている、24時間以上吐き続ける、お腹を痛がる、熱があるときは獣医師に電話を、としています。吐くのが続くと、体の水分やミネラルのバランスがくずれることがあるとも説明しています。海外の動物病院グループ(VCA)の案内では、24時間に2回以上吐く場合に受診をすすめています。

国内の獣医師が監修した解説でも、1日に何度も吐く、数日続く、吐きそうなのに吐けない、元気がない、食欲がない・体重が減っているときは受診を、とされています。薬を吐いたときは様子を見ずに病院へ連絡するように、とする解説もあります。

何かを飲み込んだかもしれないとき

誤食・誤飲の心当たりがあるときは、家で無理に吐かせようとせず、すぐ動物病院に電話してください。何を・いつ・どのくらい飲み込んだかを伝え、パッケージや残りがあれば持っていきます。

1回吐いて、そのあと元気なときは様子を見てもいい?

1回吐いたけれど、そのあとはいつもどおり歩き回って、ご飯も欲しがる。こんなときは、記録をつけながら様子を見ることもあります。

様子考え方の目安
1回だけ。そのあと元気・食欲あり、水も飲める記録しながら様子を見ることも。気になれば電話で相談
空腹の時間に黄色い液や白い泡を、ときどき吐く時間帯をメモして、動物病院に相談
週に何度も吐く、だんだん増えている動物病院に相談
何度も吐く、吐けない、血が混じる、ぐったりすぐ動物病院に電話

出典:Cornell University College of Veterinary Medicine「Vomiting」、オリコン ペット保険「犬の嘔吐」(獣医師 松田唯 監修)、VCA Animal Hospitals「Urgent Care for Diarrhea or Vomiting」をもとに編集部作成(2026年10月23日に確認)

コーネル大学獣医学部の解説では、草を食べたあとなどのたまの嘔吐は一度きりのことが多い一方で、週に1回でも吐くなら病気のサインのことがある、としています。AKCの記事では、獣医師が最初に吐いてから2〜3時間ほど様子を見て、症状がおさまるか続くかを見るようにと話しています。「たまに吐くから、いつものこと」と思わず、回数が増えてきたら相談してみてください。

動物病院に伝えること:回数・色・写真・動画

吐いたときは、次のことを伝えられるようにしておくと安心です。獣医師が監修した解説でも、吐き始めた時期、回数、最後の食事からの時間、吐き方、吐いたものの状態、吐いたあとの様子、ほかの症状をメモしておくように、とされています。

  1. いつから:最初に吐いた日時
  2. 回数:24時間で何回か。だんだん増えているか
  3. 最後のご飯からの時間:食べてすぐか、何時間もたってからか、空腹のときか
  4. 吐いたもの:色(透明・白い泡/黄色/茶色/赤・ピンク/黒っぽい)、中身(フード・水・毛・異物)
  5. 吐き方:お腹に力を入れて吐く/力まずに出てくる/吐こうとして出ない
  6. 吐いたあとの様子:元気、食欲、水を飲めるか
  7. ほかの様子:下痢・血便、咳、お腹のふくらみ、呼吸
  8. 心当たり:フードやおやつの変更、拾い食い・誤食、早食い、車酔い
  9. 飲んでいる薬:薬の名前がわかるもの(お薬手帳や袋)

写真と動画の撮り方

吐いたものは、片づける前に写真を撮ります。明るいところで、全体と、気になる部分(血、異物など)を撮ると伝わりやすいです。獣医師が監修した解説では、吐いたものを持参するか、難しければ写真を撮っておくと原因を探す手がかりになる、とされています。においの特徴もメモしておくとよい、とする解説もあります。

また、吐いているときの様子を動画で撮れると、「嘔吐か吐出か」「咳ではないか」を獣医師が見分ける手がかりになります。無理のない範囲で、スマートフォンで撮ってみてください。

シニア犬が吐くとき、気をつけたいこと

若いころより、早めに相談を

AAHA(米国動物病院協会)がシニア犬・猫の飼い主向けにまとめた資料では、吐いたときは獣医師に電話するように、としています。国内の獣医師が監修した解説でも、子犬やシニア犬は、症状が軽くても受診すると安心とされています。吐くのが続くと体の水分が失われやすくなります。年をとった犬は、軽く見えても早めに電話で相談してみてください。

「最近よく吐く」に気づくために

年をとると、吐く回数が少しずつ増えても、「年のせいかな」と見過ごしてしまいがちです。カレンダーやスマートフォンのメモに、吐いた日と回数をつけておくと、増えているかどうかがわかります。体重も、週に1回など決まったタイミングで量っておきましょう。食べる量や体重が減ってきたときは、かかりつけの動物病院に相談してください。

寝たまま吐くときの姿勢

寝ている時間が長いシニア犬や、自分で起き上がるのが難しい犬は、吐いたものがのどに詰まらないか心配になりますよね。吐きそうな様子があったら、頭を少し下げ気味にして横向きにし、口のまわりをふいてあげるなどの工夫があります。寝たきりの犬の姿勢や介助のしかたは、かかりつけの動物病院で、愛犬に合った方法を聞いておくと安心です。

薬を飲んでいる犬

持病の薬を飲んでいるシニア犬が吐いたときは、薬を吐いていないか、飲んでから何分くらいで吐いたかも見てください。薬を吐いたときは、自己判断でもう一度飲ませず、動物病院に電話して聞きましょう。

犬が吐いたとき、家でできることは?

すぐ病院に電話するサインがなく、病院に相談したうえで家で様子を見るときは、次のことを心がけてください。

家でできること

  • 吐いたものの写真を撮ってから片づける
  • 吐いた時刻・回数・色・中身・最後のご飯の時間をメモする
  • 吐いた直後は、少し休ませる
  • 水やご飯をいつ・どのくらい再開するかは、病院に相談する
  • 人の薬や市販薬は与えない
  • 誤食・誤飲を疑うときも、家で無理に吐かせない
  • 拾い食いができないよう、床の物を片づける
  • 早食いの犬は、食器や与え方の工夫を病院に相談する
  • 口のまわりや体が汚れたら、やさしくふき取る

吐いたあとの水やご飯について、獣医師が監修した解説の中には、空腹で吐いた場合を除き、吐いた直後は水もフードも与えずに休ませ、元気なら1〜2時間あけてから少しずつ与える、としているものがあります。ただし、愛犬の年齢や体の状態、持病によって合う方法は違います。かかりつけの動物病院に聞いてから試してください。水を飲んですぐ吐くときや、何度も吐くときは、すぐ電話を。

ご飯を食べないときの工夫は、老犬がご飯を食べないときにまとめています。下痢も一緒にあるときは犬の下痢、うんちに血が混じるときは犬の血便を読んでください。

夜間・休日に吐いたら

夜中や休日に、何度も吐く、吐けない、ぐったりしているなどの様子があれば、夜間救急の動物病院に電話して、向かったほうがいいか聞いてください。探し方と、電話で伝えることは夜間・休日に動物病院を探すにはにまとめています。症状ごとの受診の目安はすぐ病院か確かめるでも確かめられます。

よくある質問

犬が白い泡を吐きました。病院に行ったほうがいいですか?

1回だけで、そのあと元気・食欲があり、水も飲めているなら、記録しながら様子を見ることもあります。短い時間に何度も吐く、吐こうとしても出ない、ぐったりしている、お腹がふくれているときは、すぐ動物病院に電話してください。咳と見分けにくいこともあるので、動画を撮っておくと伝えやすくなります。

朝、ご飯の前に黄色い液を吐きます。

空腹の時間が長いときに、黄色い液を吐くことがあるとする獣医師の解説があります。くり返すときは、吐く時間帯や食事の時間をメモして、食事の回数や時間を変えてよいか、かかりつけの動物病院に相談してください。元気や食欲がないときは、早めに相談しましょう。

吐いたあと、すぐに水やご飯をあげてもいいですか?

吐いた直後は少し休ませて、そのあとの与え方は動物病院に相談するのが安心です。水を飲んですぐ吐く、何度も吐くときは、すぐ電話してください。

犬に吐かせたほうがいいものを飲み込みました。家で吐かせてもいいですか?

家で無理に吐かせようとせず、すぐ動物病院に電話してください。何を、いつ、どのくらい飲み込んだかを伝えられるようにし、パッケージや残りがあれば持っていきます。

年をとってから、よく吐くようになりました。

吐く回数が増えた、食べる量や体重が減ってきた、という変化があれば、かかりつけの動物病院に相談してください。いつ・何回・何を吐いたかの記録があると、相談しやすくなります。

犬が吐いたとき:病院に電話する前のメモ

印刷して、終わったものに印をつけて使えます。

  • いつから(最初に吐いた日時)
  • 24時間で何回か
  • 最後のご飯から、どのくらいたって吐いたか
  • 吐いたものの色(透明・白い泡/黄色/茶色/赤・ピンク/コーヒーかすのよう)
  • 中身(フード・水・泡・毛・異物)
  • 吐き方(お腹に力が入る/力まずに出る/吐こうとして出ない)
  • 吐いたあとの様子(元気・食欲・水を飲めるか)
  • 下痢・血便・咳など、ほかの様子
  • 誤食・誤飲の心当たり
  • 飲んでいる薬
  • 吐いたものの写真、吐いているときの動画

いぬのながいき手帖 https://inu-nagaiki.com/articles/inu-haku/

参考にした情報

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この記事を書いた人

いぬのながいき手帖 編集部

老犬の介護・預け先・お別れについて、環境省・厚生労働省・自治体などの公的な情報と、獣医師の監修をもとに記事を作成しています。受診の目安など体に関わる内容は、獣医師の確認を経たものだけを公開します。

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