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04 預け先とお金

動物病院の往診:シニア犬・寝たきりの犬を家で診てもらう

この記事の監修:獣医師 氏名非公開
体に関わる記事(受診の目安・家でのケアなど)は、獣医師が内容を確認しています。氏名は公開していません。

この記事のポイント

  • 動物病院の往診とは、獣医師が飼い主の家に来て、犬を診察・治療することです。往診だけで診療する「往診専門」の動物病院もあります。
  • 費用は「往診料(出張料)+診察料+検査・処置の料金」が基本です。公表例では往診料は1回約2,000〜8,000円で、距離やエリアで変わります。
  • 往診専門の病院では、血液検査・尿検査・エコー・注射・皮下点滴・緩和ケアなどに対応する一方、レントゲン・手術・入院はできないと案内しているところが多くあります。
  • 移動がつらいシニア犬や寝たきりの犬、病院で強く緊張する犬に向いています。かかりつけの病院と往診を組み合わせて使う方法もあります。

動物病院の往診は、獣医師が家に来て犬を診察する方法です。費用は「往診料+診察料+検査・処置の料金」が基本で、公表されている例では往診料は1回約2,000〜8,000円、距離やエリアで変わります。往診専門の病院では、血液検査やエコー、注射・皮下点滴、緩和ケアなどができる一方、レントゲン・手術・入院はできないと案内しているところが多くあります。移動がつらいシニア犬や寝たきりの犬は、かかりつけの病院と往診を組み合わせて使うと、通院の負担を減らせます。

動物病院の往診とは?往診専門の病院もある

動物病院の往診とは、獣医師が飼い主の家に来て、犬を診察・治療することです。ふだんは来院で診ている動物病院が、必要に応じて往診をすることもあれば、往診だけで診療する「往診専門」の動物病院もあります。

往診専門の動物病院も、獣医療法にもとづく届出をして診療しています。獣医療法第7条では、往診だけで診療する獣医師などは、住所を診療施設とみなして、開設の届出(第3条)をすることになっています。

出典:e-Gov法令検索「獣医療法」第3条・第7条(2026年10月23日に確認)

往診専門の病院は、首都圏など都市部に多く、対応エリアを区や市で決めているところがほとんどです。お住まいの地域で探すときは「(市区町村名) 往診 動物病院」で調べ、対応エリアに入っているか確かめましょう。

往診が向いているのは、どんなとき?

往診は、次のようなときに検討されることが多い方法です。

  • 年をとって、車やキャリーでの移動がつらそうなとき
  • 寝たきりで、病院まで連れて行くのが難しいとき
  • 大型犬で、飼い主ひとりでは抱えられないとき
  • 病院で強く緊張したり、鳴き続けたりするとき
  • 慢性の病気で、皮下点滴や注射などの通院が続いているとき
  • 終末期を家で過ごさせたいとき
  • 飼い主が車を持っていない、体調や仕事の都合で通院が難しいとき

一方、急に具合が悪くなったときは、往診の予約を待つよりも、すぐ診てもらえる動物病院に連絡したほうがよい場合があります。夜間や休日の探し方は夜間・休日の動物病院の探し方にまとめています。迷ったときは、すぐ病院か確かめるも参考にしてください。

往診を待たず、すぐ動物病院に電話したほうがいいサインの例

  • 呼吸が苦しそう、舌の色がいつもと違う
  • けいれんが止まらない、意識がはっきりしない
  • ぐったりして水も飲めない
呼吸が苦しそう・けいれん・ぐったりならすぐ病院に電話、移動がつらい・寝たきり・病院で強く緊張するなら往診を相談、それ以外は病院を予約して受診する流れ図
すぐ病院に電話するか、往診を相談するかの分かれ目。迷ったら、まず動物病院に電話してください。イラスト:いぬのながいき手帖

動物病院の往診の料金はいくら?

往診料の公表例

往診の費用は、多くの病院で「往診料(出張料)+診察料+検査・処置の料金」の合計です。往診料は、距離で決める病院と、エリアで決める病院があります。

動物病院(主な地域)往診料診察料時間外・その他
はる動物診療所(三鷹・武蔵野・調布など)片道2km以内2,200円、超えると1kmごと440円初診1,650円/再診1,100円夜間(20〜24時)+10,000円
るりあ動物病院(墨田区など)2km圏内1,000円〜20km圏内7,400円(実際の走行距離)ページ参照税抜表示。高速代・駐車場代は実費
イース往診どうぶつ診療所(江東区など)3,300円初診2,200円/再診1,100円駐車場代・高速代は実費
マリどうぶつ診療所(文京区・台東区など)エリア別5,500円/7,150円/8,800円初診2,200円/再診1,100円夜間(20〜22時)+5,500円
アニホック往診専門動物病院(港区など)5,500円〜初診3,300円/再診2,200円高速代・駐車場代は別
金乃時アニマルクリニック(東京23区・横浜市など)エリア別6,000〜8,000円ページ参照18〜20時開始+15,000円、20時以降+20,000円

出典:各病院の料金案内(はる動物診療所、るりあ動物病院、イース往診どうぶつ診療所、マリどうぶつ診療所、アニホック往診専門動物病院、金乃時アニマルクリニック)(2026年10月23日に確認)。るりあ動物病院以外は税込表示(金乃時アニマルクリニックは表示なし)。料金は変わることがあるので、予約のときに確かめてください。

参考として、日本獣医師会が全国の動物病院に聞いた2014年度の調査では、往診料(通常)の中央値は2,232円でした。

出典:日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査結果の概要」(日獣会誌 68, 2015。2014年度に実施)(2026年10月23日に確認)

検査・処置の料金の例

往診料と診察料のほかに、行った検査や処置の料金がかかります。往診専門の病院が公表している例です。

内容はる動物診療所マリどうぶつ診療所イース往診どうぶつ診療所
血液検査スクリーニング9,900円9,900円〜12項目スクリーニング6,600円〜
尿検査2,200円2,200円〜2,200円
超音波(エコー)検査4,400円〜3,850円〜腹部全般5,500円
注射1,100円〜皮下注射1,100円〜—
点滴点滴治療2,200円〜皮下点滴1,650円〜—

出典:はる動物診療所「料金案内」、マリどうぶつ診療所「料金案内」、イース往診どうぶつ診療所(2026年10月23日に確認)。いずれも税込表示。

たとえば、往診料3,300円+再診料1,100円+皮下点滴の料金、のように合計されます。予約のときに「今回はどんな診察・検査になりそうか」「総額でいくらくらいか」を聞いておくと安心です。

ペット保険は使える?

往診の出張費用は、補償の対象外としているペット保険があります(たとえばアクサダイレクトのパンフレットでは、支払い対象にならない費用の例に「往診費用」が挙げられています)。往診のときの診察や治療の費用は、契約内容によっては補償されます。くわしくは加入している保険会社に確かめてください。保険の選び方はシニア犬のペット保険にまとめています。

往診でできること・できないこと

往診では、動物病院にある大きな機械を持ち運べないため、できることに限りがあります。往診専門の病院が公表している内容をまとめました。

往診専門の病院が「できる」と案内している例往診専門の病院が「できない」と案内している例
診察身体検査、慢性の病気の継続管理、終末期の緩和ケア夜間診療(緊急時は夜間対応の病院を紹介する病院がある)
検査血液検査、尿検査、便検査、超音波(エコー)検査、心電図、血圧、細胞診(外注を含む)レントゲン検査
治療・処置注射、皮下点滴、薬の処方、外傷の処置、外耳炎の処置外科手術、長時間の麻酔(短時間の鎮静は可能とする病院がある)
予防ワクチン、狂犬病予防注射、ノミ・ダニ・フィラリア予防、健康診断—
その他酸素室の設置の相談、看取りの相談入院(必要なときは対応できる施設を紹介)

出典:アニホック往診専門動物病院「往診の特徴」、イース往診どうぶつ診療所、金乃時アニマルクリニック、マリどうぶつ診療所の公表内容をもとに編集部で整理(2026年10月23日に確認)。できることは病院によって違います。

大きな機械を使うレントゲン・CT・MRIなどの検査や、全身麻酔をかけて行う手術、入院は、往診では難しいのが一般的です。また、家では人手や設備が限られるため、犬が強く嫌がって体を支えるのが難しいときは、採血などの処置をその場で行えないこともあります。どこまでできるかは病院によって違うので、予約のときに、いまの様子を伝えて確かめておくと安心です。

レントゲンや手術、入院が必要になったときは、往診の獣医師から対応できる動物病院を紹介してもらう流れが一般的です。かかりつけの病院と往診専門の病院を両方持っておき、検査は病院で、ふだんの点滴や経過観察は往診で、と使い分けている飼い主さんもいます。

往診してくれる動物病院の選び方

往診をしている病院は、料金のしくみも、できることも、病院ごとにかなり違います。次の点を比べてみてください。

  1. 対応エリアと往診料:距離で決まるか、エリアで決まるか。駐車場代・高速代が別か
  2. できる検査・処置:血液検査やエコーができるか、皮下点滴や注射を続けて頼めるか
  3. 診療時間と休み:平日の夕方や土日に来てもらえるか。夜間の加算はいくらか
  4. 連絡のしやすさ:電話・LINE・メールで相談できるか、急な変化のときの連絡先があるか
  5. 紹介先:レントゲンや入院が必要になったとき、どこを紹介してもらえるか
  6. 支払い方法とキャンセル:現金のみか、振込やカードが使えるか。キャンセルの期限

年をとった犬は、病院を変えると検査をやり直すことになる場合もあります。かかりつけの病院がある場合は、往診を頼むことを伝えて、これまでの検査結果を出してもらえるか相談しておくとスムーズです。

往診を頼むときの流れと準備

  1. 対応エリアを確かめる:病院のサイトで、住所が往診エリアに入っているか確かめます。エリア外でも相談に応じる病院があります。
  2. 電話・LINE・フォームで予約する:往診は予約制がほとんどです。当日の予約は加算がある病院もあります。
  3. 様子を伝える:年齢・体重・持病・飲んでいる薬・いまの様子を伝えます。動画があると伝わりやすくなります。
  4. 費用を聞く:往診料・診察料・予想される検査の料金、駐車場代・高速代、支払い方法(現金のみの病院もある)を確かめます。
  5. 当日の準備をする:車を停める場所、診察する場所(明るく、犬を寝かせられる場所)、タオルやペットシーツを用意します。これまでの検査結果や薬も出しておきます。

キャンセルの期限(前日の夕方までなど)を決めている病院もあるので、予約のときに確かめておきましょう。

寝たきりの犬・終末期の往診で相談できること

寝たきりの犬や、終末期を家で過ごす犬について、往診で相談できることの例です。

往診のときに相談できることの例

  • 家での皮下点滴や薬の飲ませ方
  • 床ずれを防ぐ寝かせ方、体の向きを変える間隔
  • ご飯や水を口にしにくくなったときの工夫
  • 苦しそうなときの過ごし方、酸素室を使うかどうか
  • 夜間や休日に具合が変わったときの連絡先
  • 最期を家で迎えたいときに、どこまで来てもらえるか

家で介護を続けていると、飼い主のほうが疲れてしまうこともあります。往診の獣医師に、介護の大変さを話してみるのもひとつの方法です。ひとりで抱え込みそうなときは老犬の介護に疲れたときも読んでみてください。看取りのあとの流れはペット葬儀の流れにまとめています。

よくある質問

動物病院の往診は、いくらかかりますか?

往診料に、診察料や検査・処置の料金が加わります。公表例では、往診料が2km以内2,200円(以降1kmごと440円)、エリア別に5,500〜8,800円などでした。夜間は1万円以上の加算がある病院もあります。駐車場代や高速代が別にかかることも多いので、予約のときに総額の目安を聞いてください。

往診ではレントゲンを撮れますか?

往診専門の動物病院では、レントゲン検査はできないと案内しているところが多くあります。レントゲンや手術、入院が必要なときは、対応できる動物病院を紹介してもらう流れが一般的です。

往診の費用は、ペット保険で出ますか?

往診料(出張の費用)は、補償の対象外としている保険があります。一方、往診のときの診察や治療の費用は、契約内容によっては補償されます。往診に対応しているかどうかを含めて、加入している保険会社に確かめてください。

かかりつけの動物病院があっても、往診を頼めますか?

頼めます。かかりつけの病院が往診をしていることもあるので、まず聞いてみてください。別の往診専門病院に頼むときは、これまでの検査結果や飲んでいる薬の情報を伝えると、診察がスムーズです。

往診で看取りまで診てもらえますか?

終末期の緩和ケアや看取りの相談に対応している往診専門の病院があります。どこまで対応できるか、夜間や休日に連絡がつくかは病院によって違うので、早めに相談しておくと安心です。

往診を頼むときに伝えること・確かめることリスト

印刷して、終わったものに印をつけて使えます。

  • 住所と、車を停められる場所があるか(駐車場代がかかるか)
  • 犬の年齢・体重・持病・飲んでいる薬
  • いまの様子(いつから、どんな変化があるか)。動画があれば用意する
  • これまでの検査結果や、かかりつけの病院の名前
  • 往診料・診察料・検査料を含めた総額の目安と、支払い方法
  • 往診でできること・できないこと(レントゲン・手術・入院が必要になったときの紹介先)
  • 夜間・休日に具合が悪くなったときの連絡先
  • ペット保険が使えるか(往診料と治療費の扱い)

いぬのながいき手帖 https://inu-nagaiki.com/articles/doubutsubyouin-oushin/

参考にした情報

制度や料金は変わることがあります。最新の情報は、各機関・施設の公式サイトや窓口でご確認ください。

この記事の更新履歴

  •  獣医師の監修を経て公開しました。

次に内容を見直す予定:2027年4月ごろ

内容の誤りや古い情報にお気づきの方は、お問い合わせからお知らせください。

この記事を書いた人

いぬのながいき手帖 編集部

老犬の介護・預け先・お別れについて、環境省・厚生労働省・自治体などの公的な情報と、獣医師の監修をもとに記事を作成しています。受診の目安など体に関わる内容は、獣医師の確認を経たものだけを公開します。

この記事の監修者

氏名非公開(獣医師)

体に関わる記事(受診の目安・家でのケアなど)は、獣医師が内容を確認しています。氏名は公開していません。

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