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02 家でのケア

犬の車椅子:種類と費用、オーダーと既製品の違い

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この記事の監修:獣医師 氏名非公開
体に関わる記事(受診の目安・家でのケアなど)は、獣医師が内容を確認しています。氏名は公開していません。

この記事のポイント

  • 犬の車椅子とは、弱った足のかわりに車輪で体を支え、犬が自分の力で前に進めるようにする歩行の補助具です。
  • 後ろ足を支える2輪と、前足も含めて支える4輪が基本です。どちらが合うかは、前足でどれだけ体を支えられるかで変わります。
  • 製作工房の公表価格では、小型犬の2輪でおよそ2万〜9万円、4輪でおよそ3万〜12万円と、工房によって大きく違います。
  • 月額2,860円〜のレンタルや、1週間のお試しをしている工房もあります。作る前に、使ってよいか・どのタイプがよいかを動物病院に相談しましょう。

犬の車椅子は、後ろ足を支える2輪と、前足も含めて支える4輪が基本です。製作工房の公表価格では、小型犬の2輪でおよそ2万〜9万円、4輪でおよそ3万〜12万円と、工房によって大きく違います。すぐ買うのが不安なときは、月数千円で借りられるレンタルや、1週間のお試しを使う方法もあります。どのタイプが合うか、そもそも使ってよいかは足の状態によって違うので、作る前にかかりつけの動物病院に相談しましょう。

犬の車椅子とは?歩行器との違い

犬の車椅子とは、弱った足のかわりに車輪で体を支え、犬が自分の力で前に進めるようにする歩行の補助具です。胴をベルトやハーネスで支え、足りない足の役割を車輪が受け持ちます。

工房によっては「歩行器」と呼ぶこともあり、呼び方ははっきり分かれていません。おおまかには、まだ足を動かせる犬が歩く練習に使うものを「歩行器」、足で支えられない部分を車輪にまかせるものを「車椅子」と呼ぶことが多いようです。歩行器の選び方はシニア犬の歩行器にまとめる予定です。

年をとって足腰が弱ってきたときの道具は、車椅子だけではありません。滑り止めマットや介護用ハーネスなど、段階に合わせた選び方は老犬の介護用品にまとめています。

犬の車椅子の種類:2輪と4輪、どちらが合う?

車椅子は、支える足の数で大きく2つに分かれます。

種類支えるところ向いていると言われる状態の例
2輪(後ろ足用)後ろ足と腰前足でしっかり体を支えて歩けるが、後ろ足がふらつく・引きずる
4輪(前後)前足・後ろ足の両方前足でも体を支えにくい、歩くうちに前足がくずれる
前足用前足と胸後ろ足は使えるが、前足が弱っている(扱う工房は限られる)
3輪後ろの2輪+前の1輪2輪より前の支えがほしい(はな工房などが製作)

出典:工房スイーピー「2輪・4輪判定方法」、はな工房「製品紹介」、わん・ステップ「製品案内」をもとに編集部で整理(2026年10月23日に確認)

後ろにだけ車輪がある2輪タイプと、前後に車輪がある4輪タイプの車椅子をつけた犬を並べた図
2輪タイプは後ろ足と腰を、4輪タイプは前足と後ろ足の両方を支えます。イラスト:いぬのながいき手帖

4輪の中には、首や頭を乗せる「あご乗せ」の台が付いたものもあります。首を持ち上げる力が弱くなった犬のために、オプションで付けられる工房があります(はな工房の「顔クッション」など)。

工房スイーピーでは、2輪か4輪かを見分ける簡単な方法として、後ろ足と前足の肉球が地面につく姿勢で体を支えて歩かせてみる方法を紹介しています。そのまま無理なく歩ければ2輪、数十メートルで前足がくずれる・外に開いてくるなら4輪の可能性がある、という目安です。ただし、工房自身も「簡易的な判定」としています。

どのタイプが合うかは、足の状態や病気によって違います。 工房に頼む前に、かかりつけの動物病院で「車椅子を使ってよいか」「2輪と4輪のどちらがよいか」を相談してください。

犬の車椅子の費用:工房の公表価格

車椅子の値段を全国でまとめた公的な統計は見つかっていません。ここでは、価格を公表している工房・販売店の例を、同じ項目で並べます。特定の工房をすすめるものではありません。

工房・販売店(所在地)小型犬 2輪小型犬 4輪中型犬 2輪主な条件
工房スイーピー(大阪市)21,000円〜(7kgまで)41,000〜54,000円25,500円〜(7〜16kg)消費税は不要と表示。納期は約40〜50日
歩犬舎(大阪府高槻市)22,000円(9kg以下目安)32,000円28,000円(9〜18kg目安)税込・送料別。製作は約10日が目安
わん・ステップ(福岡)88,000円〜(4〜9kg)2輪と4輪を組み替え可能94,600円〜(9〜18kg)税込・送料別。発送は支払い確認後7〜10営業日
はな工房(岐阜県池田町)64,900円(体高35cm・6kgまで)4輪は要相談(3輪は81,400円)69,300円(20kgまで)税込・送料別
芦屋バティーズ(K9Carts、兵庫県芦屋市)82,500円(XS 2.5〜7kg)104,500円(XS)93,500円(MS 11〜16kg)税込。オーダー品のため価格に幅あり

出典:工房スイーピー「製品の価格」「小型犬用車椅子」、歩犬舎、わん・ステップ「製品案内」、はな工房「製品紹介」、芦屋バティーズ「犬の車椅子レンタル・販売」(2026年10月23日に確認)。体重の区分は工房ごとに違います。価格は変わることがあるので、頼む前に確かめてください。

同じ「小型犬の2輪」でも、2万円台から8万円台まで差があります。違いが出やすいのは、次のような点です。

  • 作り方:体の寸法に合わせて一から作るか、決まったサイズの部品を組み合わせて調整するか
  • 素材と重さ:フレームの素材、車輪の大きさ
  • 調整とアフターサービス:届いたあとの調整、修理、体型が変わったときの作り直し
  • 追加部品:前輪、足を乗せる台、あご乗せなど。工房スイーピーでは4輪の追加部品・調整に約3,000〜10,000円かかることがあるとしています

本体価格だけで比べず、送料・追加部品・調整費を含めた総額で見積もりをもらいましょう。大型犬は価格が個別見積もりになる工房も多くあります。

オーダーメイドと既製品、何が違う?

犬の車椅子は、大きく「オーダーメイド」と「既製品(サイズ調整式)」に分けられます。ただ、境目は工房によってあいまいで、決まったサイズの部品を使いながら体に合わせて調整する「セミオーダー」に近いものも多くあります。

オーダーメイド既製品・サイズ調整式
作り方体重・体高・胴の長さなどを測って、その犬に合わせて作るS・M・Lなどのサイズから選び、ベルトや長さを調整して使う
合いやすさ体型に合わせやすい。ダックスフンドのような胴の長い犬や、体型に特徴がある犬にも対応しやすい体型によっては合わないことがある
届くまで数日〜50日ほど(工房による)在庫があればすぐ届く
費用工房により2万円台〜10万円以上比較的安いものが多い
相談・調整採寸の相談や、届いたあとの調整を受けている工房が多い販売店によって違う

各工房の公表内容(工房スイーピー、歩犬舎、わん・ステップ、はな工房、芦屋バティーズ)をもとに編集部で整理(2026年10月23日に確認)

オーダーメイドの多くは、飼い主が自宅で寸法を測って送る方法に対応しています。来店や訪問での採寸、試乗ができる工房もあります(工房スイーピーは来店の場合は電話予約、わん・ステップは福岡市内と近郊で展示品の試乗に対応など)。

体に合わない車椅子は、ベルトが食い込んだり、前足に負担がかかったりすることがあります。通販で既製品を選ぶときも、サイズ表どおりに寸法を測り、迷ったら販売店や動物病院に相談しましょう。

犬の車椅子はレンタルできる?料金の例

いきなり買うのが不安なときや、使う期間が短いかもしれないときは、レンタルという方法もあります。

工房・販売店2輪(小型犬)4輪・3輪(小型犬)主な条件
はな工房初期費用11,000円+月2,860円3輪:初期費用18,700円+月3,960円税込。最低利用期間なし。体に合わせて作る(一部に中古部品)。買い取りへの切り替えは不可
芦屋バティーズ10kgまで:1週間お試し4,400円/1か月5,500円10kgまで:1週間お試し6,600円/1か月7,700円税込。申込金3,300円が別。1か月以内に新品を買う場合はレンタル料を購入代金に充当(申込金を除く)
わんケアXS 6,300円/S 7,200円K9カート4輪 XS 9,335円/S 10,800円期間などの条件は掲載なし。別に、往復送料の負担で1週間の試乗も案内

出典:はな工房「犬用車椅子のレンタル」、芦屋バティーズ「犬の車椅子レンタル・販売」、わんケア(楽天市場店)「犬用車椅子レンタル」(2026年10月23日に確認)

レンタルを選ぶときは、次のことを確かめておくと安心です。

  • 最低利用期間と、途中で返すときの料金
  • 返却の送料をどちらが負担するか
  • 体に合わせた調整をしてもらえるか
  • 2輪から4輪へ、途中で変えられるか(はな工房は2輪から3輪への変更に対応)
  • 汚れや傷がついたときの扱い

車椅子を使い始めるときの注意

届いたら、いきなり長い散歩に出るのではなく、家の中や近所で少しずつ慣らしていくのが一般的です。使うときに気をつけたいことを、暮らしの目線でまとめました。

使い始めのころに気をつけたいこと

  • はじめは短い時間から。慣れてきたら少しずつ長くする
  • ベルトやハーネスが当たる場所(わきの下、お腹、足の付け根)が赤くなっていないか、毎回見る
  • 車椅子に乗せたまま、目を離さない。段差や溝、坂道で転ばないよう気をつける
  • 暑い日・寒い日は時間を短くする。水を飲める休憩を入れる
  • おしっこやうんちが車椅子やベルトにつかないか確かめ、汚れたらふき取る
  • 車椅子に乗ったまま寝かせたり、長い時間そのままにしたりしない

こんなときは、使うのをいったんやめて動物病院に相談してください

  • 車椅子に乗せると痛がる、嫌がって鳴く
  • ベルトの当たる場所が赤くなる、すりむける、ただれる
  • 前足や首の様子がいつもと違う、歩き方が急に悪くなった

1回に使う時間や1日の回数の目安は、足の状態や体力によって違います。使い始める前に、かかりつけの動物病院で目安を聞いておきましょう。リハビリを行っている動物病院もあるので、あわせて相談できます。

工房スイーピーは、歩けなくなってからではなく「歩けているうちに」車椅子を考えることを勧めています。早めに使うほうがよいか、いまはまだ早いかは犬によって違うので、迷ったら動物病院で相談してみてください。

犬の車椅子の選び方:頼む前に確かめること

  1. 動物病院に相談する:車椅子を使ってよいか、2輪と4輪のどちらがよいかを聞く
  2. 寸法を測る:工房が指定する場所(体重・体高・胴の長さなど)を測る。迷ったら工房に電話で聞く
  3. 総額で比べる:本体・送料・追加部品・調整費を含めた見積もりをもらう
  4. 納期を確かめる:数日で届く工房もあれば、50日ほどかかる工房もある
  5. 試せるか確かめる:試乗、1週間のお試し、レンタルがあるか
  6. 届いたあとの対応:調整・修理・作り直し、2輪から4輪への変更ができるか

介護が長く続くと、道具をそろえる費用も、世話をする時間も積み重なっていきます。ひとりで抱え込みそうなときは、老犬の介護に疲れたときも読んでみてください。通院が難しくなってきたら、動物病院の往診という方法もあります。いまの介護の段階は介護ステージチェックで確かめられます。

よくある質問

犬の車椅子はいくらくらいしますか?

工房や大きさで大きく違います。公表価格では、小型犬の2輪で約2万1,000円〜8万8,000円、4輪で約3万2,000円〜12万1,000円などでした。送料や、体に合わせる部品の追加料金が別にかかることもあるので、見積もりで総額を確かめてください。

オーダーメイドと既製品は、どちらがいいですか?

オーダーメイドは犬の体の寸法に合わせて作るため、体に合いやすい反面、届くまでに日数がかかります。既製品やサイズ調整式は早く手に入りますが、体型によっては合わないことがあります。どちらにするかは、足の状態や体型を見て、動物病院や工房と相談して決めると安心です。

車椅子はレンタルできますか?

できる工房や店があります。公表されている例では、2輪で初期費用1万1,000円+月2,860円〜、1か月5,500円〜(申込金3,300円が別)などでした。使えるかどうか試してから買いたいときにも向いています。

車椅子は1日どのくらい使えばいいですか?

犬の体の状態によって違うので、使い始める前に、かかりつけの動物病院に目安を聞いておきましょう。

老犬に車椅子を使うのは、かわいそうではありませんか?

車椅子で散歩を楽しめるようになる犬もいます。大切なのは、愛犬の体に合っていて、無理なく使えるかどうかです。合うかどうかは、動物病院に相談しながら判断してください。

犬の車椅子を頼む前に確かめることリスト

印刷して、終わったものに印をつけて使えます。

  • かかりつけの動物病院に、車椅子を使ってよいか・2輪と4輪のどちらがよいかを相談した
  • 体重、体高(地面から背中まで)、胴の長さなど、工房が指定する寸法を測った
  • 本体価格のほかに、送料・追加部品・調整の費用を含めた総額の見積もりをもらった
  • 届くまでの日数(納期)を確かめた
  • 試乗・お試し期間・レンタルがあるかを確かめた
  • 届いたあとの調整や修理、体型が変わったときの作り直しの対応を確かめた
  • 2輪から4輪へ変えられるか(前輪を後から付けられるか)を確かめた
  • 散歩する道(段差・坂・砂利)と、家の中で使うかどうかを工房に伝えた

いぬのながいき手帖 https://inu-nagaiki.com/articles/inu-kurumaisu/

参考にした情報

制度や料金は変わることがあります。最新の情報は、各機関・施設の公式サイトや窓口でご確認ください。

この記事の更新履歴

  •  獣医師の監修を経て公開しました。

次に内容を見直す予定:2027年4月ごろ

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この記事を書いた人

いぬのながいき手帖 編集部

老犬の介護・預け先・お別れについて、環境省・厚生労働省・自治体などの公的な情報と、獣医師の監修をもとに記事を作成しています。受診の目安など体に関わる内容は、獣医師の確認を経たものだけを公開します。

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