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02 家でのケア

犬の健康診断:シニア期の頻度・項目・費用

この記事の監修:獣医師 氏名非公開
体に関わる記事(受診の目安・家でのケアなど)は、獣医師が内容を確認しています。氏名は公開していません。

この記事のポイント

  • 犬の健康診断とは、症状がないうちに体の状態を調べて、ふだんとの変化に早く気づくための検査です。
  • 7歳ごろからのシニア期は、半年に1回(年2回)をすすめる動物病院や獣医師団体が多くあります。どのくらいの間隔がよいかは、かかりつけの動物病院と決めましょう。
  • 項目は、問診・身体検査・血液検査・尿検査・便検査が基本で、シニア向けのコースではレントゲン・エコー・心電図などが加わります。
  • 費用は動物病院の公表例で、血液検査中心のコースが約1万円前後、レントゲンやエコーを含むシニア向けドックが約2万〜3万円台でした。ペット保険では、健康診断は補償の対象外になるのが一般的です。

シニア期の犬の健康診断は、**半年に1回(年2回)**をすすめる動物病院が多くあります。項目は血液検査・尿検査・便検査が基本で、シニア向けのコースではレントゲンやエコー、心電図が加わります。費用は動物病院の公表例で、血液検査中心のコースが約1万円前後、レントゲンやエコーまで含むドックが約2万〜3万円台でした。どのくらいの間隔で、どの検査を受けるかは、愛犬の年齢や持病に合わせて、かかりつけの動物病院と相談して決めましょう。

犬の健康診断とは?受ける意味

犬の健康診断とは、症状がないうちに体の状態を調べて、ふだんとの変化に早く気づくための検査です。「ドック」「健診」と呼ぶ動物病院もあります。

犬は、体の不調を言葉で伝えられません。年をとるにつれて体の変化は少しずつ進むので、毎日一緒にいる家族ほど気づきにくいこともあります。元気なうちの検査結果があると、あとで比べる「ものさし」にもなります。

何歳からシニア期かは犬の大きさによって違います。目安はシニア犬は何歳から?にまとめています。人の年齢に換算した目安は犬の年齢換算で確かめられます。

シニア犬の健康診断の頻度は?年に何回?

健康診断の間隔について、日本で法律や公的な基準は決まっていません。ここでは、動物病院や獣医師団体が公表している目安を並べます。

公表しているところ若い時期・成犬シニア期さらに高齢
AAHA(米国動物病院協会)—7歳を過ぎたら、健康に見えても6か月ごと—
富士フイルム(犬の健康診断の案内)1〜6歳:年1回7歳以上:半年に1回(年2回)—
リベ大どうぶつ病院(大阪市)年1回約7歳〜:半年に1回約10歳〜:3か月〜半年に1回

出典:AAHA「Supporting Your Senior Pet: Veterinary Care Recommendations」、富士フイルム「犬の健康診断」、リベ大どうぶつ病院「犬・猫の健康診断」(2026年10月23日に確認)。年齢の目安は、犬の大きさによって違うとする病院もあります。

シニア期は「半年に1回(年2回)」とするところが多く見られました。ただ、持病がある犬や、すでに治療中の犬は、定期的な通院の中で検査をすることもあります。どのくらいの間隔がよいかは、かかりつけの動物病院と相談して決めてください。

覚えやすいように、春のフィラリア予防の検査や、ワクチン・狂犬病予防注射の時期に合わせて受けている飼い主さんもいます。

犬の健康診断の項目:何を調べる?

健康診断の内容は動物病院ごとに違いますが、よく含まれる項目は次のとおりです。

項目主な内容よく含まれるコース
問診食事、生活、気になる変化を聞くすべて
身体検査体重・体温、目・耳・口・皮膚を見る、触る、心臓や肺の音を聞くすべて
血液検査血球の検査(貧血・炎症など)と生化学検査(肝臓・腎臓の働きなど)基本〜シニア
尿検査腎臓や膀胱など、おしっこに関わる臓器の状態基本〜シニア
便検査寄生虫、消化の状態基本〜シニア
レントゲン骨・関節、胸やお腹の臓器の形や大きさシニア・ドック
エコー(超音波)お腹や心臓の臓器の中の様子や動きシニア・ドック
心電図・血圧心臓のリズム、血圧シニア向け
追加の血液検査甲状腺ホルモン、腎臓の指標(SDMA)などシニア向け・オプション

出典:富士フイルム「犬の健康診断」、AAHA「Supporting Your Senior Pet」、各動物病院の健康診断コース(リーフ動物病院、フジタどうぶつ病院、リベ大どうぶつ病院、きたのさと動物病院)をもとに編集部で整理(2026年10月23日に確認)

シニア期にどの検査を足すとよいかは、犬種や体の状態によって違います。気になる症状があるときや、犬種でかかりやすい病気が心配なときは、予約のときに相談するとコースを選びやすくなります。

犬の健康診断の費用はいくら?

日本獣医師会の調査

日本獣医師会は、全国の動物病院に料金を聞く「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査」を行っています。2014年度の調査結果(日獣会誌 68巻、2015年)では、次のようになっていました。

項目料金の中央値
健康診断(1日ドック)14,021円
初診料1,386円
再診料726円
血液検査:CBC(血球の検査)1,864円
血液検査:生化学検査(スクリーニング)4,625円
レントゲン:単純撮影3,931円
エコー:腹部3,204円
エコー:心臓3,698円
尿検査(尿比重・試験紙・沈渣)1,432円
便検査(直接法)737円

出典:日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査結果の概要」(日獣会誌 68, 2015。2014年度に実施)(2026年10月23日に確認)。中央値は、料金を低い順に並べたときにちょうど真ん中にくる値です。

日本獣医師会が令和3年度(2021年)に行った次の調査(令和5年9月公表)では、健康診断(1日ドック)の中央値は16,250円、初診料は1,500円、再診料は750円で、2014年度より上がっていました。各検査の料金は2014年度の数字のままなので、目安として見てください。

動物病院の公表例

健康診断のコースと料金を公表している動物病院の例です。

動物病院(地域)コース料金主な内容
フジタどうぶつ病院(大阪市)シニアコース11,000円(通常13,750円)+診察料生化学14項目、血球計算、SDMA(腎臓)、尿アルブミン
フジタどうぶつ病院(大阪市)とことんコース(ドック)20,000円〜(体重による)血液(生化学14項目・血球・SDMA・甲状腺)、尿、胸・腹のレントゲン、胸・腹のエコー
リベ大どうぶつ病院(大阪市)わんドック・しっかりコース20kg未満 29,800円/20kg以上 34,800円血液(生化学19項目ほか)、胸・腹のレントゲン、胸・腹のエコー、心電図、尿、便
リーフ動物病院(東京都渋谷区)シニア(8歳以上)30,800円血液(血液一般・生化学19項目・電解質)、尿、便、レントゲン、心電図、腹部エコー、耳・歯の検査
きたのさと動物病院(札幌市)日帰りドック健診 シニア32,000円(税抜)身体・尿・便・血液検査、胸・腹のレントゲン、腹部エコー、心臓エコー

出典:フジタどうぶつ病院「健康診断メニュー・料金」、リベ大どうぶつ病院「犬・猫の健康診断」、リーフ動物病院「料金表」、きたのさと動物病院「料金案内」(2026年10月23日に確認)。きたのさと動物病院以外は税込表示。リベ大どうぶつ病院はページ内に別の金額(21,800円〜/31,800円〜)の記載もありました。料金は変わることがあるので、予約のときに確かめてください。

血液検査だけのコースなら1万円前後、レントゲン・エコー・心電図まで含めると3万円前後、という病院が多く見られました。比べるときは、診察料が含まれているか、税込か税抜か、体重で料金が変わるかも確かめましょう。

ペット保険は使える?

健康診断や予防接種は、ペット保険の補償の対象外になるのが一般的です(財務省関東財務局の解説でも、支払い対象外の例に「健康診断」が挙げられています)。ただし、健康診断で病気が見つかり、そのあと治療を受けた場合の費用は、契約内容によっては補償されます。年をとってからの保険の入り方や更新についてはシニア犬のペット保険にまとめています。

健康診断の受け方:予約から結果まで

  1. 予約する:健康診断は予約制の病院が多くあります。コースの内容と総額、所要時間(半日〜1日預かりの病院もある)を確かめます。
  2. 当日の準備を聞く:ご飯・水・飲んでいる薬をどうするか、尿や便を持っていくかを確かめます。
  3. 変化をメモする:食欲、飲む水の量、おしっこの回数、体重、歩き方、咳、しこりなど、ここ半年で気づいたことを書いておきます。
  4. 結果を聞く:数値の意味と、次にいつ受けるか、家で気をつけることを聞きます。結果の紙はとっておき、次回と比べられるようにします。
予約する、変化をメモする、問診・身体検査、血液・尿・便の検査、シニア向けのコースではレントゲン・エコー・心電図、結果を聞くの順番の図。次の健康診断は半年に1回(年2回)とする病院が多い
健康診断の流れの例です。検査の内容と間隔は、かかりつけの動物病院と相談して決めてください。イラスト:いぬのながいき手帖

年をとった犬は、病院への移動や待ち時間が負担になることもあります。通院が難しいときは、家に来てもらう動物病院の往診で健康診断を受けられる場合もあります。

健康診断で「再検査」「経過観察」と言われたら

結果の紙に、基準の範囲から外れた数値があっても、それだけで病気と決まるわけではありません。年齢や体の大きさ、検査の前の食事などで数値が変わることもあるため、獣医師は全体を見て判断します。

「再検査」「経過観察」と言われたときは、次のことを聞いておくと、あとで迷いにくくなります。

  • どの項目が、どのくらい外れていたか
  • いつ、どの検査をもう一度受けるか
  • それまでに、家で気をつけること(ご飯・水・運動など)
  • どんな様子が出たら、予定より早く来たほうがいいか

聞いたことはメモに残し、家族とも共有しておきましょう。費用が気になるときは、追加の検査の料金もその場で聞いてかまいません。

健康診断のあいだに、家で見ておきたいこと

健康診断は、その日の体の状態を調べるものです。次の健康診断までのあいだも、ふだんの様子を見ておくと、変化に早く気づけます。

ふだんから見ておきたいこと

  • ご飯を食べる量と、食べるときの様子
  • 飲む水の量(急に増えた・減ったなど)
  • おしっこの回数・量・色、うんちの様子
  • 体重(月に1回など、決まった日に量る)
  • 歩き方、段差をいやがるかどうか
  • 咳、呼吸の速さ、体のしこり

ご飯を食べないなど、気になる変化があるときは、健康診断を待たずに動物病院に相談してください。食欲が落ちたときの目安は老犬がご飯を食べないとき、夜間や休日に具合が悪くなったときは夜間・休日の動物病院の探し方にまとめています。

よくある質問

シニア犬の健康診断は、どのくらいの頻度で受ければいいですか?

7歳ごろからは半年に1回(年2回)をすすめる動物病院が多く、10歳ごろからは3か月〜半年に1回とする病院もあります。持病や体の状態によって違うので、かかりつけの動物病院と相談して決めてください。

犬の健康診断は、いくらかかりますか?

動物病院や検査の内容で大きく違います。公表例では、血液検査中心のコースで8,000〜11,000円ほど(診察料別)、レントゲン・エコー・心電図まで含むシニア向けコースで30,000円前後でした。日本獣医師会の2014年度の調査では、1日ドックの料金の中央値は14,021円でした。

健康診断の費用は、ペット保険で出ますか?

健康診断や予防接種は、ペット保険の補償の対象外になるのが一般的です。ただし、健康診断で見つかった病気の治療は、契約内容によっては補償されます。くわしくは加入している保険会社に確かめてください。

健康診断の前に、ご飯を抜いたほうがいいですか?

血液検査を含むコースでは、朝ご飯を抜いてくるよう案内する動物病院があります。予約のときに、ご飯・水・薬をどうするかを必ず確かめてください。

健康診断で「異常なし」なら、次まで安心していいですか?

健康診断は、その日の体の状態を調べるものです。次の健康診断までのあいだにも、食欲・飲む水の量・おしっこ・体重などの変化に気づいたら、早めに動物病院に相談してください。

健康診断の前に準備することリスト

印刷して、終わったものに印をつけて使えます。

  • 予約のときに、ご飯・水・飲んでいる薬を当日どうするか確かめた
  • 受けるコースの検査項目と、診察料を含めた総額を確かめた
  • 尿や便を持っていく必要があるか、とり方を確かめた
  • 飲んでいる薬・サプリの名前をメモした(お薬手帳があれば持っていく)
  • ここ半年の変化をメモした(食欲、飲む水の量、おしっこの回数、体重、歩き方、咳、しこり)
  • 前回の健康診断の結果を持っていく
  • 聞きたいことをメモした(次はいつ受けるか、家で気をつけること)

いぬのながいき手帖 https://inu-nagaiki.com/articles/inu-kenkoshindan/

参考にした情報

制度や料金は変わることがあります。最新の情報は、各機関・施設の公式サイトや窓口でご確認ください。

この記事の更新履歴

  •  獣医師の監修を経て公開しました。
  •  出典と数字を確認し、確認できなかった点の書き方を直しました。

次に内容を見直す予定:2027年4月ごろ

内容の誤りや古い情報にお気づきの方は、お問い合わせからお知らせください。

この記事を書いた人

いぬのながいき手帖 編集部

老犬の介護・預け先・お別れについて、環境省・厚生労働省・自治体などの公的な情報と、獣医師の監修をもとに記事を作成しています。受診の目安など体に関わる内容は、獣医師の確認を経たものだけを公開します。

この記事の監修者

氏名非公開(獣医師)

体に関わる記事(受診の目安・家でのケアなど)は、獣医師が内容を確認しています。氏名は公開していません。

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