犬は言葉を話すことができません。
だから身体の具合が悪い時には色々な「SOSのサイン」を出します。
愛犬が見せる動作やしぐさの中に、病気のサインがないかチェックしてあげましょう。
このページではあくまでも簡易的な見分け方を紹介しています。
いつもと違う様子が見られたらすぐに病院に連れて行ってあげましょう。
目次
犬がお腹をこわす、下痢をする
こんな下痢をしたらすぐに病院へ!
◆ 便に血が混じる
◆ せき、嘔吐、震えなどを伴う
◆ 食欲がない、元気がない
◆下痢を何度も繰り返す
急に下痢をすると、腸内の粘膜が傷付いて、一時的に血が混じることがあります。
しかし、「何度も血が混じる便が出る」なら腸に重大なトラブルがある可能性が考えられます。
下痢だけでなく、せきや嘔吐をしたり、震えているようなら注意が必要です。
食欲がない、元気がないという場合も、すぐに病院に連れていきましょう。
また、症状は軽くても、何度も繰り返すようなら一度病院で診てもらいましょう。
急性の下痢を放っておくと、慢性化する場合があります。
慢性化すると治りにくくなりますし、腸粘膜の吸収がうまく行かない体質になってしまうこともあります。
排便に関連する症状・主な病気
排便に関連する症状・主な病気 | |
軟便・下痢 | 急性胃腸炎 肝炎 内部寄生虫 ジステンバー 中毒 |
脂肪便 | 膵炎 |
血便 | 鞭虫症 鉤虫症 コクシジウム症 パルボウイルス 感染症 腸重積 |
便秘 | 前立腺肥大 会陰ヘルニア |
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犬のよだれが多い、よだれが止まらない
犬のよだれがいつもより異常に多い場合、まず考えられるのが口腔内の疾患です。
「おかしい」と感じたら犬の口を開けて、中の様子をチェックしてください。
異物があったり、炎症やケガをしていたらすぐに病院に連れていきましょう。
口腔内の異物がある場合に見られるサイン
● 顔や口をこする
口の中に違和感を感じると、地面に顔をこすりつけたり、足で口をひっかいたりします。
● よだれや鼻水に血が混じる
異物が口の中を傷つければよだれに血が混じります。
鼻まで傷口が至れば、鼻血も出てきます。
口腔内に炎症がある場合に見られるサイン
● 口臭がする
歯肉炎、歯槽膿漏(しそうのうろう)を起こしていると、ひどい口臭を伴うケースがあります。
● 食べ辛そうにしている
炎症があると食べたり飲んだりする時辛そうな様子があります。
噛むのは正常で、「飲み込み」だけおかしい時は、食道に異常がある可能性も。
口腔内の炎症(口腔炎)の原因は様々です。
カンジタ、ヘルペスなどのウイルスによる感染症、ビタミン不足、薬物(毒物)、火傷などがあります。
唇に異常がある場合に見られるサイン
● 口のまわりがただれて(荒れて)臭いがする
よだれの他に、唇が腫れていたり、唇のまわりの毛が荒れて悪臭を放っていたら、唇に炎症を起こしている証拠です。
唇の異常の原因には、
・接触性の皮膚炎 → 化学薬品がついたものを咥えてしまった、食物アレルギー…など
・外傷性の皮膚炎 → 他の犬に噛まれた…など
・細菌、疥癬による皮膚炎
などがあります。
口の周りに関連する症状と主な病気
口の周りに関連する症状と主な病気 | |
よだれが異常に多い | 歯周病 口内炎 口腔内異物 咽喉頭炎 食道梗塞 食道狭窄 脳発作 脱臼、骨折などの外傷 |
唇が腫れている | 歯周病 アレルギー性皮膚炎 |
鼻汁が多い | 伝染性疾患 鼻炎 |
鼻血 | 口腔内異物 |
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犬の嘔吐(おうと)と吐出
「嘔吐」と「吐出」の違い
同じ吐くという動作でも、
胃で一度消化したものを吐くのが → 『嘔吐』
消化する前に吐き出すのが → 『吐出』
です。
他にも咳(せき)をした時に吐き出してしまうこともあります。
嘔吐と吐き出しでは原因や治療が違いますので、吐いた時の状況や吐いたものの状態・色を観察して獣医に伝えられるようにしましょう。
● 胃液交じりの内容物を吐く
すでに消化した食べ物や、胃液などを吐く場合は嘔吐です。
胃から後の器官に原因がある可能性が高いです。
● 食べてすぐに吐き出す
食後、食べ物を消化する前に吐き出してしまうのが「吐出」です。
喉から食道にかけての部位に原因がある可能性が高いです。
● 咳(せき)をしている
せきをした拍子に吐くこともあります。
吐く前にあえぐような動作があれば咳(せき)の可能性があります。
嘔吐・吐出に関連する症状と主な病気
嘔吐・吐出に関連する症状と主な病気 | |
嘔吐 | 急性胃腸炎 胃拡張・胃捻転 腸閉塞 伝染性疾患 腎不全 子宮蓄膿症 副腎皮質機能低下症 中毒 |
吐出 | 食道梗塞 食道狭窄 動脈管開存症 |
吐きそうで吐かない | 胃拡張・胃捻転 フィラリア症 |
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繰り返し吐くか、食欲はあるか?
犬の場合、ちょっと胃がムカムカする時に吐くことでスッキリさせるのはよくあります。
吐いたのが1度きりで、吐いた後も元気で食欲もあれば心配いりません。
しかし、吐くときに苦しんだり、頻繁に吐くようなら、消化器系やその他の部位にトラブルを抱えている可能性が高いです。
そんな時はすぐに病院に連れていきましょう。
犬の嘔吐についてはこちらの記事も合わせてご覧ください。
→犬が吐いたら?病院に行ったほうがいい?犬が嘔吐する原因と対処法
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犬の咳(せき)
咳は呼吸器のトラブル?他に症状がないかチェックしましょう
気管や肺に炎症が生じていると咳が出ますので病院で診てもらいましょう。
その時に、
・どんな咳をしているのか
・どういう状況で咳が出るのか
といったことを伝えられるように観察しておきましょう。
● 咳と一緒に鼻水が出る
鼻水が垂れていたら感染症の可能性があります。
熱がないかもチェックしましょう。
● 運動するとすぐに息があがる
熱もないのに、ちょっと走っただけですぐにハアハアと息が荒くなったり、そのまま休んでしまう場合は心臓に原因がある可能性が高いです。
息が荒くなると咳をしてるように見えることもあります。
呼吸に関する症状と主な病気
呼吸に関する症状と主な病気 | |
咳をする | 咽喉頭炎 気管支炎・肺炎 ケンネルコーフ 僧帽弁閉鎖不全症 心筋症 先天性心疾患 フィラリア症 |
息が荒い | 咽喉頭炎 軟口蓋慎重症 日射病・熱射病 |
くしゃみをする | 口腔内異物 歯周病 |
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ケンネルコーフとは?
呼吸器系の病気で最も一般的なのが「ケンネルコーフ」です。
ケンネルコーフは正式には「伝染性気管気管支炎」といい、ウイルス及び細菌性の呼吸器感染症をまとめてそう呼んでいます。
他の犬と接触することで感染する人間の風邪に似た病気です。
ケンネルコーフ(伝染性気管気管支炎)の主な症状は咳で、発熱や鼻水が出ることもあります。
成犬の場合、症状が軽ければ自然に治っていきます。
しかし重症になると肺炎になるので注意が必要です。
心臓の疾患が咳の原因になっている場合も
犬の咳では、肺などの呼吸器にトラブルがあることが多いわけですが、中には心臓のトラブルが原因になっていることもあります。
心臓と肺には密接な関係があり、心臓が弱くなると血液循環が阻害され、肺に水がたまり咳が出るのです。
このような場合、症状に気付いた時には病気が進行していることが多いですので、日ごろから愛犬の健康観察をしておくことが重要になります。
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犬から臭いニオイがする
犬のニオイで異常に気付くところと言えば、皮膚、尿、便、口などがあります。
例えば皮膚病でマラセチアという酵母が異常に繁殖していると、あまったるい嫌なニオイがします。
オシッコの場合では、糖尿病だと甘いニオイや化学薬品のようなニオイがすることがあります。
また、オシッコが臭くて、白く濁った色をしていれば尿道炎や膀胱炎などの尿路感染症が疑われます。
ウンチのほうは、腸内細菌のバランス崩れたり、寄生虫がいると、いつもより嫌なニオイがきつくなります。
口臭では、歯垢や歯周病の場合ぞうきんの生乾きのような嫌なニオイがします。
胃が悪い場合は、胃酸の酸っぱいニオイがします
他にも耳の中が臭い時は外耳炎になっていることがあるので注意してください。
まずはニオイが出ているところを突き止める
愛犬から何か臭いニオイがしたら、それがどこから発せられているのかを確かめてください。
場所がわかったら、まず見た目でチェックします。
もし汚れていたら汚れを落としてから、ニオイが取れているかチェックします。
それでもニオイが消えなかったり、傷や炎症があったらすぐに病院に連れていきましょう。
耳や口の中の異常はなかなか気付きにくいものです。
特に長毛の犬種は外見からは発見が難しいので、普段からスキンシップをとってチェックしてください。
便や尿のニオイで健康状態がわかる
犬のウンチやオシッコは健康のバロメーターと言われています。
特にオシッコには、重大な病気のサインが現れることもあるのでよくチェックしましょう。
いつもよりニオイのきついオシッコをしたら、念のため回数や量、元気があるか、食欲はどうかなどを観察してください。
ニオイに関連する症状と主な病気
ニオイに関連する症状と主な病気 | |
身体のどこかが臭い | 歯周病 口内炎 胃腸炎 肛門嚢炎 子宮蓄膿症 外耳炎 皮膚感染症 外傷 |
ウンチのニオイがおかしい | 膵炎 内部寄生虫 |
オシッコのニオイがおかしい | 尿道炎・膀胱炎 前立腺炎 糖尿病 |
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犬が体をしきりに掻く(かく)
犬が体をしきりに掻く場合は、皮膚病の可能性が高いです。
ただし、犬が体を掻く仕草は「かゆみ行動」と言い、必ずしもかゆみがあるからとは限りません。
緊張やストレスが原因で体を掻くこともあるので、すぐに「皮膚病」と決めつけるのはよくありません。
まずは環境に何か変化がなかったか、掻いている部分に異常が見られるかを観察してください。
「掻く」以外にも症状がないかチェックしましょう
かゆみが出るのは皮膚に何らかの異常がある可能性が大きいです。
愛犬がしきりに体を掻いている時は皮膚の状態をチェックしてください。
皮膚の異常は耳の中を含め、どんな部位にも起こる可能性がありますが、比較的起こりやすいのは脚の付け根などです。
● 皮膚に湿疹が出る
掻いた場所に赤いブツブツが出来ていたら、皮膚のバリア機能にトラブルが発生している可能性があります。
これは皮膚感染症のサインです。
● 皮膚が赤く腫れている
掻いた跡の他に炎症を起こしてたり、皮膚が腫れている場合は皮膚感染症やアレルギー性皮膚炎の可能性があります。
● 被毛にフケが出る
被毛が脂っぽくベタベタしていたり、フケがたくさん出ているようなら脂漏症、マラセチア性皮膚炎などの皮膚感染症が考えられます。
皮膚に関連する症状と主な病気
皮膚に関連する症状と主な病気 | |
かゆみがある | 皮膚性感染症 アレルギー性皮膚炎 外部寄生虫 外耳炎 |
皮膚が赤く腫れる | 皮膚感染症 外部寄生虫 |
フケが多い | 皮膚感染症 |
皮膚が黄色い | 肝炎 |
犬は脚で掻く代わりに、舌で舐めることもよくします。
しきりに舐める場合も掻くのと同じなので注意しましょう。
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犬の歩き方がおかしい
犬の歩き方がおかしい場合、脚に異常がある可能性は高いです。
しかしながら、必ずしも脚や腰に異常があるとは限りません。
関節まわりだけでなく、脳神経、内臓疾患、眼の病気などが原因になっている場合もあります。
まずは歩き方がおかしくなった状況を思い出してみる
いつも歩き方がおかしいのか、時々フラフラするのか?
おかしくなる前後に変わったことはなかったか?
…など、何でもよいので思いつくことを獣医に話してみましょう。
● 足のうら、肉球に異常はないか
特定の脚におかしな点があるなら、まずはその脚からチェックしましょう。
「触ると痛がらないか」「肉球に傷がないか」などを確認してください。
● 暗い場所や障害物があるところでフラフラする
特定の状況の場合だけ歩き方がおかしくなることもあります。
脳神経の異常や眼が原因の可能性もあるので、どんな状況で起きるのか確かめてみましょう。
小型犬なら膝蓋骨脱臼、大型犬なら股関節形成不全が多い
脚のトラブルで多いのは関節疾患です。
小型犬なら膝蓋骨脱臼、大型犬なら股関節形成不全、またそれに伴って起きる骨関節炎が多く見られる疾患です。
しかし、足の裏を切ったり、肉球に何かが刺さっているということもあります。
おおげさに騒ぐ前に、まずは触ってチェックしてみましょう。
歩き方に関連する症状と主な病気
歩き方に関連する症状と主な病気 | |
脚を引きずる | 骨関節炎 膝蓋骨脱臼 外傷・骨折 くる病 レッグ・ぺルテス病 皮膚感染症 |
脚が麻痺(まひ)する | 椎間板ヘルニア |
よろよろ歩く | 環軸椎不安定症 中毒 白内障 脳発作 |
膝蓋骨脱臼についてはこちらも合わせてご覧ください。
→膝蓋骨脱臼(パテラ)とは?予防や治療法、悪化させないための注意点
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犬の毛が異常に抜ける
犬は通常でも換毛期になるとたくさん毛が抜けます。(犬種によっては換毛期がない場合もあり)
たいていの犬は初夏と秋の2回、毛が生え変わります。
特に初夏の換毛期には大量にアンダーコートが抜けるので「何か病気なのでは?」と心配する飼い主さんも多いですが、それが普通ですので問題ありません。
しかし、換毛期でもなく、地肌が見えるほど脱毛する場合は、ストレスやホルモン異常が考えられます。
脱毛した場所や脱毛の仕方をチェックしよう
まずは体を掻く仕草があったか、毛が抜けた部分の皮膚に湿疹や炎症などがないかを確認しましょう。
これらがあれば皮膚感染症やアレルギーの可能性が高いです。
一方ホルモンが関与している脱毛の場合、体の左右対称の場所で毛が抜けます。
酷い場合は首から下の全身が脱毛してしまうこともあります。
脱毛に関連する症状と主な病気
脱毛に関連する症状と主な病気 | |
かゆみを伴う脱毛 | 皮膚感染症 |
かゆみを伴わない脱毛 | ホルモン性脱毛 アロペシアX コリーノーズ 精神性脱毛 外傷 |
左右対称の脱毛 | ホルモン性脱毛 副腎皮質機能亢進症 甲状腺機能低下症 |
表に挙げた疾患以外にも、精巣や卵巣に腫瘍ができていることが原因の場合もあります。
毛がおかしな抜け方をしたと思ったらすぐに病院に連れていきましょう。
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犬の目がおかしい
犬の目は黒目と白目の色をチェックします。
黒目の部分が白く濁っていたら白内障の可能性があります。
白目の部分が赤く充血していたら、角膜炎や結膜炎などで、まぶたの裏側に炎症を起こしている可能性があります。
また、白目や目の粘膜が黄色く濁って見えたら肝臓トラブルのサインである黄疸の可能性があります。
● 目の色や目やに、涙の量をチェックする
目が大きい犬種(パグ、シーズー、チワワなど)は目の疾患も多いです。
目の色、目やに、涙で目の周りが汚れていないかなどを確認しましょう。
アレルギーで目やにや涙の量が多いこともよくあります。
● 歩くのを嫌がるのは視力低下の可能性も
ドアやイスの脚にぶつかったりするのは視力が落ちている可能性もあります。
また、視力が落ちると歩くのが怖いので、散歩を嫌がることもあります。
目の異常に関連する症状と主な病気
目の異常に関連する症状と主な病気 | |
目やにが多い | 角膜炎 まつ毛の刺激 |
目が充血する | 角膜炎 まつげの刺激 アレルギー性皮膚炎 |
涙があふれる | 流涙症 |
黒目が白く濁る | 白内障 |
目が腫れて見える | 緑内障 |
白目が黄色い | 肝炎 |
犬の目の病気についてはこちらの記事に詳しくまとめてあります。
→『犬がほぼ黒目の理由』白目が見えるのは異常?白目が赤いけど大丈夫?
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犬がしきりに頭を振る
犬が大きく頭を振る原因の多くは、耳の穴の奥がムズムズするためです。
そして、このサインが見られる頃には炎症がかなり進行した状態となっています。
頭を振るようになる前に、以下のような症状が見られますので早めに気付いてあげましょう。
・耳を脚で掻く
・耳が臭い
・耳の汚れがひどい
・炎症している耳のほうに首を傾げた状態になる
・イライラしやすくなる
耳の異常に関連する症状と主な病気
耳の異常に関連する症状と主な病気 | |
頭をしきりに振る | 外耳炎 耳ダニ症 皮膚感染症 アレルギー性皮膚炎 外部寄生虫 |
耳の毛が抜ける | 外部寄生虫 耳ダニ症 天疱瘡(てんぼうそう) |
耳が腫れる | 耳血腫(じけっしゅ) |
シャンプーや雨の日の散歩で耳の中に水が入らないように注意しましょう。
また、特に垂れ耳のワンちゃんは耳の中が蒸れやすいですし、異常にも気付きにくいので定期的にケアしてあげましょう。
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犬のおしっこが多い
犬は通常1日で、体重1キロ当たり40~5㎖の水を飲み、おしっこの量も同じくらいです。
ワンちゃんが水をたくさん飲み、たくさん排尿する「多飲多尿」と呼ばれるのは、通常の3倍を超える量が目安です。
排尿に症状が現れる場合、まずは腎臓のトラブルが考えられます。
腎臓以外にも子宮蓄膿症という、子宮に膿がたまってしまう病気では脱水症状になるので、結果として多飲多尿になります。
また、糖尿病や副腎皮質亢進症、甲状腺機能亢進症も「多飲多尿」の症状が出る代表的な疾患です。
おしっこの頻度と量の他に、体調や体格もチェックする
暑い時期には水を飲む量が増えて、おしっこの回数も増えます。
しかし病気による多飲多尿の場合は、その状況が継続して起こり、他にも症状が現れているはずです。
愛犬の様子をよく観察して病院の医師に伝えましょう。
● 尿の回数、1回の量をチェック
1回の量が少しで異常に回数が多い頻尿の場合は、多飲多尿ではなく別の病気の可能性もあります。
● 元気があるか?食欲は?
犬がだるそうにしていないか、食欲はいつもと変わらないかを観察してください。
糖尿病や副腎皮質機能亢進症の場合は初期では多食になる傾向があります。
● 体格や毛並みをチェック
以前よりやせてきたり、お腹が膨らんでいないか、毛並みがいいかチェックしましょう。
副腎皮質亢進症では毛並みが悪くなったり脱毛が見られます。
尿崩症、心因性多尿
尿崩症は脳下垂体で作られる「抗利尿ホルモン」が関係していますが、原因が解明されていません。
尿崩症になるとおしっこの量が通常の5倍になってしまうこともあります。
治療法もないので、排尿を始末しやすくするという環境改善で対策するほかありません。
他にもストレスが原因の多尿もあります。
特に神経質な犬に多く、喉が渇いてもいないのに、ストレスでやたらと水を飲んでしまうのです。
その結果おしっこも増えてしまいます。
この場合は、犬にとってストレスになっているものがないか、生活環境を改めて見直す必要があります。
体のどこかが痛くてストレスになっていることもありますよ。
ワンちゃんの体もチェックしてあげましょう。
排尿に関連する症状と主な病気
排尿に関連する症状と主な病気 | |
多飲多尿 | 腎不全 子宮蓄膿症 糖尿病 尿崩症 副腎皮質機能亢進症 甲状腺機能亢進症 心因性多尿症 |
頻尿 | 尿道炎・膀胱炎 |
尿が出ない | 尿道炎・膀胱炎 前立腺炎 尿路結石症 |
血尿 | 中毒 フィラリア症 |
濁った尿 | 尿道炎・膀胱炎 前立腺炎 腎不全 肝炎 |
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犬のお腹が膨らむ
犬のお腹が膨らむことを腹部膨大と呼び、原因は単なる肥満とは違います。
肥満の場合は、全身にまんべんなく脂肪がつきます。
一方腹部膨大は、他の部分は適正な体格になっています。
腹部が膨大する原因には、副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症と言った内分泌異常による「内因性肥満」、大型犬で多く見られる「胃拡散・胃捻転」、他には腫瘍による「腹水」などがあります。
腹部膨大を示す主な病気 |
・副腎皮質機能亢進症 ・甲状腺機能低下症 ・胃拡散・胃捻転 ・腫瘍 ・子宮蓄膿症 ・妊娠・偽妊娠 |
偽妊娠、想像妊娠で腹部が膨大することも
不妊手術をしていないメスのワンちゃんは偽妊娠で腹部が膨大することがあります。
偽妊娠は、実際には妊娠していないのに、乳房やお腹が大きくなって、妊娠したのとまったく同じ状態になることです。
犬は受精する、しないにかかわらず、卵巣にできた黄体が発情後も約2か月の間、体に影響を及ぼします。
犬によって程度の違いはありますが、乳腺が発達しておっぱいが大きくなり、子宮が広がってそのまわりに脂肪がつくため、本当に妊娠しているようにお腹が膨らみます。
もし偽妊娠したら、ホルモン療法で症状を抑えることができますので、病院で診てもらいましょう。
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犬が痩せる
犬が痩せたと感じた場合、まず確認するのが「徐々に痩せた」のか「急に痩せた」のかです。
「気付いたら痩せていた」というのではなく、食欲があるのに、みるみるうちに痩せてきたなら何かの異常がありますのですぐに病院に連れていきましょう。
食欲があるのに痩せる主な病気 |
胃内異物 吸収不良症候群 内部寄生虫 糖尿病 膵炎 僧帽弁閉鎖不全症 心筋症 先天性心疾患 腎不全 腫瘍 |
吸収不良症候群
吸収不良症候群というのは小腸粘膜の異常によって、消化吸収の過程にトラブルが発生するものです。
この場合、ひどくなるまでは食欲の低下が見られません。
むしろ足りない栄養を補おうとして食欲旺盛になり、元気があるように思えるので発見が遅れます。
内部寄生虫の場合は、激しい下痢や嘔吐を引き起こすので気付きやすいです。
しかし犬鞭虫は、比較的症状が穏やかで、気付かないうちに犬が痩せるケースもあります。
消化や吸収に異常がある場合は、下痢をしていなくても、ウンチの「色」「ニオイ」「量」が異常になることが多いです。
いつもと違う便が出ているようならすぐに病院に相談しましょう。
腫瘍や心臓病も痩せる病気の典型例
他にも、リンパ腫・白血病などの血液のガンでは、初期には食欲があるけど痩せていきます。
また心臓の機能が衰えて、体の隅々まで血液が行きわたらなくなってしまうと、栄養が不足しますので痩せていきます。
いずれにしても普段から愛犬の体格、食事量、飲水量、運動量などをチェックしておくことで、病気の早期発見につながります。
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