急いでいる方へ:すぐ病院か、様子を見ていいか

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01 症状と受診

犬の目やにが増えたとき。目が赤い・しょぼしょぼするなら早めに病院へ

この記事の監修:獣医師 氏名非公開
体に関わる記事(受診の目安・家でのケアなど)は、獣医師が内容を確認しています。氏名は公開していません。

この記事のポイント

  • 犬の目やにとは、涙やほこり、目の表面からはがれた細胞などが固まったものです。朝、目頭に少しつく程度なら、生理的なものとされています。
  • 量がいつもより多い、黄色や緑色でネバネバしている、においがある、目が赤い、目をしょぼしょぼさせる・こするときは、様子を見続けずに早めに動物病院へ。
  • 目が急に赤くなって痛そう、目が白く濁った・大きく見える、目が開けられないときは、その日のうちに病院に電話を。
  • 人の目薬は使わず、ぬるま湯でふやかしてからやさしく拭き取ります。目やにの色・量・どちらの目かを写真に残すと、病院で伝えやすくなります。

犬の目やにが朝に少しつく程度で、黒・茶色・白っぽく乾いたものなら、ぬるま湯でふやかしてやさしく拭き取れば大丈夫なことが多いです。いつもより量が増えた、黄色や緑色でネバネバする、目が赤い、目をしょぼしょぼさせる・こするときは、様子を見続けずに早めに動物病院へ。目が急に赤くなって痛そう、目が白く濁った・大きく見える、目が開けられないときは、その日のうちに電話してください。

目の病気は、進むのが早いものがあると獣医師も説明しています。この記事では、目やにの見方、すぐ病院に電話したほうがいいサイン、目が赤いとき、シニア犬で気をつけたいこと、家での拭き方を順に紹介します。診断はしません。迷ったら、かかりつけの動物病院に電話してください。

犬の目やにとは?ふつうの目やにと、気になる目やにのちがい

犬の目やにとは、涙や、目に入ったほこり、目の表面からはがれた細胞などが固まって、目頭や目のまわりにつくもののことです。眠っている間にたまりやすいので、朝起きたときに目頭に少しついているのは、よくあることです。

獣医師が監修した解説では、黒・茶・白っぽい色で、乾いていたりゼリー状だったりする目やにが、朝に目頭につく程度なら生理的なものとされています。一方で、量がいつもより明らかに多い、黄色や緑色をしている、ネバネバしている、膿のようなにおいがするときは、病気が隠れていることがあるとしています。

見るところふつうのことが多い病院に相談したい
量朝、目頭に少しつく程度いつもより明らかに多い、拭いてもすぐたまる
色黒・茶色・白っぽい黄色・緑色、膿のよう
手ざわり乾いている、ゼリー状ネバネバしている
におい気にならない膿のようなにおいがする
目の様子いつもどおり赤い、しょぼしょぼする、こする、涙が増えた

出典:オリコン ペット保険「犬の目やに」(ガイア動物病院 院長 松田唯 監修)をもとに編集部作成(2026年10月23日に確認)

目やにの色や量だけで、どんな病気かを決めることはできません。同じ監修記事では、チワワやシーズー、ブルドッグなど、目の形の関係で目やにが出やすい犬種もあると説明されています。「この子のふだんの目やに」を知っておくことが、いちばんの手がかりになります。

犬の目やにで、すぐ病院に電話したほうがいいサインは?

次のようなときは、様子を見ずに動物病院に電話してください。夜間や休日なら、夜間救急の動物病院に電話して、向かったほうがいいか聞きます。

こんなときは、すぐ動物病院に電話してください

  • 目が急に赤くなり、痛そうにしている(目を閉じたまま、触られるのを嫌がる)
  • 目が白っぽく、または青っぽく濁った
  • 目が大きく見える、飛び出して見える
  • 目が開けられない、目を床や前足にこすりつけ続ける
  • 黒目(瞳)の大きさが左右でちがう
  • 目をぶつけた・ひっかいた、目に何か入った心当たりがある
  • 急に物にぶつかるようになった、見えていないように感じる
  • シャンプーや薬剤が目に入った

英国の動物病院チャリティ(PDSA)は、目の変化に気づいたら動物病院に予約を、痛がっているなら急いで受診を、とすすめています。米国の大学の獣医眼科の資料では、緑内障(目の中の圧が上がる病気)は、急に痛みをともなって目が赤くなる形で見つかることがあり、視力が失われるまでの時間が短い場合があると説明されています。国内の獣医師が監修した解説でも、角膜(黒目の表面)の傷は、早く治療しないと悪化して失明につながるおそれがあるため、気になるときは早めの受診をすすめています。

黄色・緑色の目やにが続くとき

急ぐサインがなくても、黄色や緑色の目やに、ネバネバした目やにが続くときは、早めに受診してください。目の表面の傷や、涙が少なくなる病気などで、黄色や緑色の目やにが出ることがあると、獣医師の解説や大学の資料で説明されています。

犬の目が赤い(白目が充血している)ときは?

「目やにと一緒に、白目が赤い」。こんなときも、目の病気のサインのことがあります。

獣医師が監修した結膜炎の解説では、白目の充血、目やにや涙が増える、まぶたの赤み、目をこする、まばたきが多い、目を細めるといった様子が挙げられています。ただし、目が赤くなるのは結膜炎だけではありません。緑内障、ぶどう膜炎(目の中の炎症)、角膜の傷なども似た様子を見せることがあり、どれなのかは動物病院で目を調べないとわからないとされています。

目が赤いときに見ることメモの例
どちらの目か右目だけ/両目
いつから・どう始まったか今朝から急に/数日かけて少しずつ
痛そうか目を閉じている、触ると嫌がる
目やに・涙黄色い目やにが増えた、涙が止まらない
黒目の様子白っぽく濁る、左右で瞳の大きさがちがう
見え方物にぶつかる、段差でためらう

出典:オリコン ペット保険「犬の結膜炎」(まさの森・動物病院 院長 安田賢 監修)、PDSA「Eye problems in dogs - an overview」をもとに編集部作成(2026年10月23日に確認)

片方の目だけが急に赤くなった、痛そうにしている、黒目が濁って見えるときは、上の「すぐ病院に電話したほうがいいサイン」にあてはまります。目の色が少し赤いだけで元気そうに見えても、目の病気は自分では見分けにくいので、早めに相談してください。

老犬の目やにで気をつけたいことは?

年をとった犬では、目やにや目の赤みに加えて、次のようなことにも気を配ってみてください。

涙が少なくなる病気(ドライアイ)

米国コーネル大学獣医学部の解説では、涙が十分に作られなくなる「乾性角結膜炎(ドライアイ)」は、どの年齢でも起こりうるものの、中年齢の犬に多いとされています。サインとして、黄緑色の濃い目やに、白目の赤み、目の表面が乾いてくもったように見えることが挙げられ、多くの場合、治療は長く続けるものだと説明されています。早めに始めて続けることで、目の楽さが変わるともしています。

「年をとって目やにが増えた」と感じたら、年のせいと決めずに、一度目を診てもらうと安心です。

目が白く濁ってきたとき

年をとると、目の中のレンズ(水晶体)が白く濁る「白内障」が見つかることがあります。獣医師が監修した解説では、白内障の原因の一つに加齢が挙げられ、濁りの程度によっては見えにくくなると説明されています。目が白く濁っているように見える、物にぶつかるようになったときは、次の受診で伝えてください。急に濁った、赤みや痛みもあるときは、早めに相談を。

見えにくくなってきたときの暮らし

目が見えにくくなった犬は、においや音をたよりに暮らしに慣れていくことが多いとされています。家具の配置をなるべく変えない、段差に目印やスロープをつける、急に触らずに声をかけてから触る、といった工夫が助けになります。見えにくさや聞こえにくさから吠えるようになることもあるので、老犬が吠えるときもあわせて読んでみてください。

目のまわりの毛と、顔をこすりつけるくせ

年をとって毛づくろいが減ったり、寝ている時間が長くなったりすると、目のまわりに目やにや涙がたまりやすくなります。目のまわりの毛が目に入らないよう、トリミングで整えてもらうのもひとつの方法です。目をかゆがって床にこすりつけるときは、目を傷つけないよう、早めに病院に相談してください。

犬の目やにの取り方:家でできることは?

すぐ病院に電話するサインがないときや、病院で診てもらったうえで家でケアするときは、次のことを心がけてください。

家でできること

  • 固まった目やには、ぬるま湯で湿らせたガーゼやコットンで、少しずつふやかしてから拭き取る
  • 目頭から目じりに向かって、やさしく拭く。目のまわりを強くこすらない
  • 片目ずつ、新しいガーゼやコットンを使う
  • 綿棒を使うときは、目に近づけすぎない。暴れるときは無理をしない
  • 人の目薬や、以前にもらった目薬は自己判断で使わない
  • 目をこすりつけるときは、病院に相談して、エリザベスカラーを使うかどうか聞く
  • 目やにの色・量・どちらの目かを、写真とメモで残す
  • 草むらや、ほかの犬との遊びで目を傷つけないよう、散歩中に気をつける

獣医師が監修した解説では、固まった目やにはぬるま湯でふやかしてから、清潔なガーゼや綿棒でやさしく拭き取るように、目のまわりを強くこするとまぶたや目を傷つけるおそれがある、としています。別の監修記事では、目をこする場合はエリザベスカラーの装着がすすめられています。

目やにの拭き方を3コマで示した図。ぬるま湯でふやかす、目頭から目じりへやさしく拭く、片目ずつ新しいガーゼやコットンを使う。目のまわりは強くこすらない
固まった目やには、ぬるま湯でふやかしてから。目のまわりを強くこすらないようにします。イラスト:いぬのながいき手帖

写真の撮り方と、病院に伝えること

目の様子は、時間や光の加減で見え方が変わります。明るいところで、正面から両目が写るように撮っておくと、病院で伝えやすくなります。病院では、いつから・どちらの目か・目やにの色と量・目をこするか・見え方の変化を聞かれることが多いので、この記事の最後のメモを使ってみてください。

目薬をさすのがむずかしいとき

病院で目薬が出ても、年をとった犬や、顔を触られるのが苦手な犬では、さすのがたいへんなことがあります。うまくさせないときは、我慢せずに病院でさし方のコツを聞いてみてください。うしろからそっと顔を支える、ごほうびと組み合わせるなど、その子に合ったやり方を一緒に考えてもらえます。

目の検査はどんなことをするの?

動物病院では、目の様子を見たうえで、必要に応じて目の表面の傷を染めて調べる検査、涙の量を測る検査、目の中の圧(眼圧)を測る検査などが行われることがあります。獣医師が監修した解説では、目の病気は特別な機械がないと見つからないものや、軽く見える様子のうしろに重い病気が隠れていることもあるため、定期的に目を診てもらうことがすすめられています。どんな検査をするかは、目の様子や犬の状態によってちがいます。

シニア期は、健康診断のときに目も一緒に診てもらうと、変化に気づきやすくなります。健康診断の頻度と項目は犬の健康診断にまとめています。目の治療は通院が続くこともあるので、保険の確かめ方はシニア犬のペット保険を参考にしてください。

夜間・休日に目の様子が急に変わったら

夜中や休日に、目が急に赤くなって痛そう、濁った、開けられないといった様子があれば、夜間救急の動物病院に電話して、向かったほうがいいか聞いてください。探し方は夜間・休日に動物病院を探すにはに、症状ごとの目安はすぐ病院か確かめるにまとめています。

毎日目元を拭いてあげる時間は、愛犬の顔をよく見る時間にもなります。「いつもと違うかも」と思ったときに、迷わず相談できるよう、ふだんの目の様子を写真に残しておくといいですね。

よくある質問

犬の目やには、毎日あってもいいのですか?

朝起きたときに目頭に少しつく程度で、黒・茶色・白っぽく乾いたものなら、生理的なものとされています。いつもより量が多い、色やネバつきが違うと感じたら、かかりつけの動物病院に相談してください。

黄色や緑色の目やにが出ています。様子を見ていいですか?

黄色や緑色でネバネバした目やには、目の病気のサインのことがあると、獣医師が監修した解説でも書かれています。目が赤い、しょぼしょぼする、こするといった様子があればなおさら、早めに受診してください。

人間用の目薬をさしてもいいですか?

自己判断で人の目薬や、以前にもらった犬の目薬を使うのはやめましょう。目の病気によっては、合わない成分があります。目薬が必要かどうかは、動物病院で目を診てもらってから決めます。

老犬の目やにが増えたのは、年のせいですか?

年をとると目の病気が見つかることも増えますが、目やにが増えた理由は年齢だけではわかりません。涙が減る病気など、続けて治療すると楽になるものもあるので、年のせいと決めずに一度相談してください。

目のまわりの涙やけと目やにはちがいますか?

涙やけは、涙があふれて目のまわりの毛が変色したり、においが出たりする状態のことで、病名ではありません。目やにと一緒に出ることもあり、目の病気が見つかることもあるため、気になるときは相談してください。

犬の目やに・目の赤み:病院に伝えるメモ

印刷して、終わったものに印をつけて使えます。

  • いつから(気づいた日)
  • どちらの目か(右/左/両方)
  • 目やにの色(黒・茶/白っぽい/黄色/緑色)
  • 目やにの量と、ネバつき・においがあるか
  • 白目が赤いか、まぶたが腫れているか
  • 目をしょぼしょぼさせる・こする・開けにくそうか
  • 目が白く濁って見える、大きく見えるなど、見た目の変化
  • 物にぶつかる・段差でつまずくなど、見え方の変化
  • 最近のシャンプー・トリミング・草むらの散歩など、心当たり
  • 使っている目薬・飲んでいる薬
  • 目の写真(明るいところで正面から)

いぬのながいき手帖 https://inu-nagaiki.com/articles/inu-meyani/

参考にした情報

制度や料金は変わることがあります。最新の情報は、各機関・施設の公式サイトや窓口でご確認ください。

この記事の更新履歴

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この記事を書いた人

いぬのながいき手帖 編集部

老犬の介護・預け先・お別れについて、環境省・厚生労働省・自治体などの公的な情報と、獣医師の監修をもとに記事を作成しています。受診の目安など体に関わる内容は、獣医師の確認を経たものだけを公開します。

この記事の監修者

氏名非公開(獣医師)

体に関わる記事(受診の目安・家でのケアなど)は、獣医師が内容を確認しています。氏名は公開していません。

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