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犬のお腹がキュルキュル鳴る。すぐ病院のサインと、老犬で食欲がないとき

この記事の監修:獣医師 氏名非公開
体に関わる記事(受診の目安・家でのケアなど)は、獣医師が内容を確認しています。氏名は公開していません。

この記事のポイント

  • 犬のお腹のキュルキュルとは、胃や腸の中をガス・水分・食べたものが動くときの音のことで、空腹のときや食後にも聞こえます。
  • 吐こうとしても何も出ない、お腹がふくれて張っている、落ち着きなくうろうろする、ぐったりしているときは、夜間でもすぐ動物病院に電話してください。
  • 音と一緒に、吐く・下痢・食欲がない・元気がないといった様子があるとき、音が大きい・長く続くときも、動物病院に相談を。
  • シニア犬でお腹が鳴って食欲もないときは、様子を見すぎずに早めに電話を。いつ鳴るか、何を食べたかをメモしておくと伝えやすくなります。

犬のお腹がキュルキュル・グルグル鳴るのは、胃や腸の中をガスや水分が動いている音で、空腹のときや食後にも聞こえます。元気・食欲があり、ほかに変わった様子がなければ、まずは「いつ鳴るか」をメモしてみてください。けれど、吐こうとしても何も出ない、お腹がふくれて張っている、落ち着きなくうろうろする、ぐったりしているときは、夜間でもすぐ動物病院に電話します。何度も吐く・下痢をする・食欲がないときも、早めに相談を。

年をとった犬で、お腹が鳴るうえに食欲もないときは、様子を見すぎずに電話して聞くと安心です。この記事では、すぐ電話したほうがいいサイン、病院に伝えること、シニア犬で気をつけたいこと、家でできることを順に紹介します。診断はしません。迷ったら、かかりつけの動物病院に電話してください。

犬のお腹がキュルキュル鳴るのはなぜ?

犬のお腹のキュルキュルとは、胃や腸の中をガス・水分・食べたものが動くときに出る音のことです。英語では「borborygmi(ボルボリグミ)」と呼ばれ、日本語では「腹鳴(ふくめい)」ともいいます。英国のペット保険会社の獣医師の解説では、腸の中を水やガス、消化された食べものが移動することで音が出る、と説明されています。

腸は、食べものを先へ送るために、いつも少しずつ動いています。そのため、お腹の音は多くの場合、ふだんの体の働きの音です。海外の獣医師の解説では、よくある理由として次のようなことが挙げられています。

よくある理由見られやすい様子
お腹がすいている朝いちばんや、ご飯の前に鳴る。食べると静かになる
ふだんの腸の動き食後しばらくして鳴る。元気・食欲はいつもどおり
早食い・空気を飲み込む勢いよく食べたあとに鳴る、げっぷが出る
食べ慣れないものを食べたフードを変えた、おやつ・人の食べ物をもらった、拾い食いをした
胃腸の調子をくずしている吐く、下痢、食欲が落ちるなど、ほかの様子もある

出典:Petplan(英国)「Dog stomach gurgling: causes and what to do」(獣医師が確認した解説)、Modern Animal「Why Is My Dog's Stomach Gurgling Loudly?」をもとに編集部作成(2026年10月23日に確認)

同じ解説では、胃腸の炎症、お腹の寄生虫や感染、腸に異物がつまる、胃がふくらむ・ねじれるといった病気でも、お腹の音がすることがあるとされています。ただ、音だけでどれにあてはまるかはわかりません。音の大きさよりも、「ほかにどんな様子があるか」を見てください。

立っている犬の図に、吐こうとして吐けない、よだれ・ハアハア、お腹がふくれる・張る、うろうろ・ぐったり、という見るところを示し、吐けないこととお腹のふくらみがそろうときはすぐ電話することを示した図
お腹の音そのものより、ほかの様子を見ます。吐こうとして吐けない、お腹がふくれる、がそろうときは急ぎます。イラスト:いぬのながいき手帖

すぐ病院に電話したほうがいいサインは?

次のようなときは、様子を見ずに、すぐ動物病院に電話してください。夜間や休日なら、夜間救急の動物病院に電話して、向かったほうがいいか聞きます。

こんなときは、すぐ動物病院に電話してください

  • 吐こうとしても何も出ない(えずくだけ)をくり返す
  • お腹がふくれている、パンパンに張っている
  • 落ち着きなくうろうろする、何度も立ったり座ったりする、自分のお腹を気にして見る
  • よだれが多い、ハアハアと呼吸が早い
  • ぐったりしている、ふらつく、倒れた
  • 何度も吐く、水も飲めない
  • うんちが黒くてタールのよう、または血がたくさん混じる
  • お腹をさわると痛がる、背中を丸めてじっとしている
  • 誤食・誤飲の心当たりがある(おもちゃ、布、骨、人の食べ物、薬、植物 など)

特に、「吐こうとして吐けない」「お腹がふくれる」がそろうときは急ぎます。米国獣医外科専門医協会(ACVS)の解説では、胃がガスでふくらんでねじれる病気(胃拡張・胃捻転症候群)の早いうちのサインとして、不安そうな表情やお腹を見つめる、立って体をのばす、よだれ、お腹のふくらみ、吐こうとしても何も出ない、を挙げています。急速に進み命にかかわるので、すぐに獣医師にみてもらうように、としています。英国の動物病院チャリティ(PDSA)も、お腹がふくれていて、特に吐こうとしているときは、すぐ獣医師に電話するように案内しています。

ACVSの解説では、この病気は胸の深い大型犬に多く、年齢が高いことも関係するとされています。大型犬と暮らしている方は、知っておくと安心です。

次のようなときも、早めに相談を

英国のペット保険会社の獣医師の解説では、お腹の音と一緒に、吐く、下痢、元気がない、食欲がない、といった様子があるときは、できるだけ早く獣医師に連絡するように、としています。また、音が大きい、とても頻繁に鳴る、長く続くときも受診をすすめています。

様子考え方の目安
空腹時や食後だけ鳴る。元気・食欲ありいつ鳴るかメモしながら様子を見ることも
音が大きい・頻繁・長く続く。ほかは元気動物病院に相談
音に加えて、吐く・下痢・食欲がない・元気がないできるだけ早く動物病院に相談
吐こうとして吐けない、お腹がふくれる、ぐったりすぐ動物病院に電話

出典:Petplan(英国)「Dog stomach gurgling: causes and what to do」、ACVS「Gastric Dilatation-Volvulus」、PDSA「Bloat (swollen belly) in a dog」をもとに編集部作成(2026年10月23日に確認)

様子を見てよいのは、表のいちばん上のように、空腹のときや食後だけ鳴って、元気・食欲がいつもどおりのときです。その場合も、いつ鳴るか、食べると静かになるかをメモしておきましょう。何日待てばいいという決まった目安はないので、音がいつもと違う、ほかの様子が出てきたと感じたら、日数を待たずに電話で相談してかまいません。シニア犬は、お腹が鳴るのと一緒に食欲が落ちているときは、早めに電話して聞くと安心です。

下痢をしているときは犬の下痢、吐いているときは犬が吐くときに、それぞれの見方をまとめています。

老犬のお腹がキュルキュル鳴って、食欲がないときは?

「お腹が鳴っているのに、ご飯を食べない」。年をとった愛犬でこの組み合わせが見られると、心配になりますよね。

食欲がないときは、早めに電話で相談

お腹が鳴る理由が空腹だけなら、食べれば静かになることが多いものです。お腹が鳴っていて食欲もないときは、胃腸の調子が悪くて食べられない、ということも考えられます。英国の獣医師の解説でも、お腹の音と食欲がないことが一緒に見られるときは、できるだけ早く連絡するようにすすめています。

AAHA(米国動物病院協会)がシニア犬・猫の飼い主向けにまとめた資料では、吐いたり下痢をしたりしたときは獣医師に電話するようにすすめ、食欲や飲む水の量など日々の変化を家で見ておくことを大切にしています。年をとると体の余裕が少なくなることがあるので、「若いころはすぐ治ったから」と思わず、早めに相談してみてください。

どのくらい食べていないかをメモする

病院では、「どのくらい食べていないか」をよく聞かれます。「いつもの半分くらい」「おやつは食べるがフードは食べない」「丸1日なにも食べていない」など、具体的に伝えられるようにしておくと安心です。食べないときの工夫は老犬がご飯を食べないときにまとめています。

薬やフードの変更がなかったか

シニア犬は、持病の薬を飲んでいたり、食べやすいようにフードを変えたりすることも多いと思います。新しい薬を飲み始めた、フードやおやつを変えた、という心当たりがあれば、病院に伝えてください。薬を自己判断でやめるのは避け、まず病院に相談しましょう。

夜中や明け方に鳴るとき

夕方にご飯を食べてから朝までの間が長いと、夜中や明け方にお腹が鳴ることがあります。毎日同じ時間帯に鳴り、ご飯を食べると静かになって、ほかに変わった様子がなければ、食事の回数や時間を病院で相談してみるのもひとつです。夜中に吐こうとして吐けない、お腹がふくれる、ぐったりしている、といった様子があれば、朝まで待たずに電話してください。

動物病院に伝えること

お腹の音は、病院に着くころには静かになっていることもあります。電話のときも、受診のときも、次のことを伝えられるようにしておくと安心です。

  1. いつから・いつ鳴るか:食前、食後、夜中など。どのくらいの頻度か
  2. ほかの様子:吐いたか(回数・色)、下痢をしたか(回数・色・形)、えずくだけで何も出ないか
  3. お腹の様子:ふくれている、張っている、さわると痛がる
  4. 食欲・水・元気:いつもと比べてどのくらい食べたか、水を飲む量、寝てばかりか、落ち着かないか
  5. 最後に食べたもの:何を、いつ、どのくらい
  6. 心当たり:フードやおやつの変更、拾い食い、散歩中に草を食べた、誤食
  7. 飲んでいる薬:薬の名前がわかるもの

お腹の音の録り方

スマートフォンの動画で、お腹の近くで音を録っておくと、病院で聞いてもらえます。お腹のふくらみ方や、落ち着かない様子が気になるときは、体全体が映るように撮っておきましょう。

お腹のふくらみは、毎日見ていると気づきにくいものです。気になったときに、真上と横から写真を撮っておくと、時間がたってから比べられます。吐いたものや下痢のうんちも、写真に残しておくと色や量を伝えやすくなります。家族で見ている場合は、気づいたことを同じメモに書き込むようにすると、病院で話すときにまとめやすくなります。

病院では、どんなことをするの?

お腹の音や胃腸の不調で受診すると、一般的には、問診、体の診察、お腹をさわったり聴診器で音を聞いたりする診察から始まります。必要に応じて、便の検査、血液検査、レントゲンや超音波(エコー)の検査が行われることがあります。

胃がふくらむ・ねじれる病気や、腸に異物がつまっている場合は、急いで処置が必要になることがあります。ACVSの解説では、胃拡張・胃捻転症候群では早く安定させて手術をすることが大切で、重くなるほど危険が高まる、とされています。どんな検査や治療が必要かは、愛犬の状態によって違います。かかりつけ医とよく相談してください。

お腹がキュルキュル鳴るとき、家でできることは?

すぐ病院に電話するサインがなく、病院に相談したうえで家で様子を見るときは、次のことを心がけてみてください。

家でできること

  • いつ鳴るか、何を食べたかをメモする
  • いつでも飲めるように、新しい水を用意しておく
  • 食事の時間を毎日できるだけそろえる
  • 早食いの犬には、早食い防止の食器を使う
  • フードを変えるときは、数日かけて少しずつ切り替える
  • 人の食べ物は与えず、ゴミ箱や床の物を片づけて拾い食いを防ぐ
  • 食事を抜く・量を減らすかは、自己判断せず病院に相談する
  • 人の薬や市販薬、サプリメントは自己判断で与えない
  • 体を冷やさないよう、寝床をあたたかく整える

英国の獣医師の解説では、食事の時間をそろえる、早食い防止の食器や知育トイを使う、フードは数日かけて切り替える、食卓の残り物を与えない、といった工夫が紹介されています。おなかにやさしい食事やサプリメントについてふれた解説もありますが、いずれも「先に獣医師に相談してから」とされています。どんな食事がよいかは、愛犬の年齢や持病によって違うので、かかりつけの動物病院に聞いてください。

散歩中の拾い食いや草を食べるくせが気になるときは、犬が草を食べるときも読んでみてください。犬に与えてはいけない食べ物は犬が食べてはいけないものにまとめています。

夜間・休日に気になったら

夜中や休日に、吐こうとして吐けない、お腹がふくれる、ぐったりしている、といった様子があれば、夜間救急の動物病院に電話してください。探し方と、電話で伝えることは夜間・休日に動物病院を探すにはにまとめています。症状ごとの受診の目安はすぐ病院か確かめるでも確かめられます。

お腹の音は、多くの場合、愛犬の体がふだんどおり働いている音です。「いつもの音」を知っておくと、いつもと違うときにすぐ気づけます。

よくある質問

犬のお腹がキュルキュル鳴っていますが、元気です。様子を見ていいですか?

空腹のときや食後は、健康な犬でもお腹が鳴ります。元気・食欲があり、吐く・下痢などほかの様子がなければ、いつ鳴るかをメモしながら様子を見ることもあります。音が大きい、頻繁に鳴る、長く続く、ほかの様子が出てきたときは相談してください。

老犬のお腹がキュルキュル鳴って、ご飯を食べません。

お腹が鳴ることに加えて食欲がないときは、かかりつけの動物病院に相談してください。英国のペット保険会社の獣医師は、お腹の音と一緒に食欲がない・元気がない・吐く・下痢があるときは、できるだけ早く連絡するようにすすめています。年をとった犬は、早めに電話で聞くと安心です。

夜中にお腹がグルグル鳴っています。朝まで待っていいですか?

空腹の時間が長いと、夜中や明け方に鳴ることがあります。ただ、吐こうとして吐けない、お腹がふくれている、うろうろして落ち着かない、ぐったりしているときは、朝まで待たずに夜間救急の動物病院に電話してください。

お腹が鳴るとき、ご飯を抜いたほうがいいですか?

自己判断で食事を抜くのは避け、かかりつけの動物病院に相談してください。年をとった犬や持病のある犬は、食事を抜くことで体に負担がかかることがあります。

お腹の音を減らすために、家でできることはありますか?

食事の時間を毎日そろえる、早食いの犬には早食い防止の食器を使う、フードは数日かけて少しずつ切り替える、人の食べ物やゴミを口にできないようにする、といった工夫を紹介する獣医師の解説があります。

犬のお腹の音:病院に電話する前のメモ

印刷して、終わったものに印をつけて使えます。

  • いつから鳴っているか(何時ごろ、食前・食後・夜中など)
  • どのくらいの頻度・大きさか
  • 吐こうとして吐けない様子があるか
  • お腹がふくれている・張っている・さわると痛がるか
  • 吐いたか(回数・色)、下痢をしたか(回数・色・形)
  • 食欲(いつもと比べて何割くらい食べたか)
  • 水を飲む量、おしっこの量
  • 元気(寝てばかり、落ち着かずうろうろする など)
  • 最後に食べたもの・時刻、最近変えたフードやおやつ
  • 拾い食い・誤食・草を食べた心当たり
  • 飲んでいる薬
  • お腹の音や様子がわかる動画

いぬのながいき手帖 https://inu-nagaiki.com/articles/inu-onaka-kyurukyuru/

参考にした情報

制度や料金は変わることがあります。最新の情報は、各機関・施設の公式サイトや窓口でご確認ください。

この記事の更新履歴

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この記事を書いた人

いぬのながいき手帖 編集部

老犬の介護・預け先・お別れについて、環境省・厚生労働省・自治体などの公的な情報と、獣医師の監修をもとに記事を作成しています。受診の目安など体に関わる内容は、獣医師の確認を経たものだけを公開します。

この記事の監修者

氏名非公開(獣医師)

体に関わる記事(受診の目安・家でのケアなど)は、獣医師が内容を確認しています。氏名は公開していません。

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