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01 症状と受診

犬にイボができたとき。病院に伝えることと、すぐ相談したいサイン

この記事の監修:獣医師 氏名非公開
体に関わる記事(受診の目安・家でのケアなど)は、獣医師が内容を確認しています。氏名は公開していません。

この記事のポイント

  • 犬のイボとは、皮膚の表面にできる小さな盛り上がりのことです。しこりやできものと同じく、見た目だけでは良いものか悪いものかは判断できないとされています。
  • 新しいイボやしこりに気づいたら、小さくても、愛犬が気にしていなくても、一度動物病院で診てもらいましょう。
  • 急に大きくなる、出血する、ただれる、痛がる、数が急に増えたときは、早めに病院に電話してください。
  • 大きさ(定規で縦・横)、場所、写真、いつ気づいたか、変化を記録しておくと、病院で伝えやすくなります。

犬のイボやしこりは、見た目だけでは良いものか悪いものかわかりません。新しいイボに気づいたら、小さくても、愛犬が気にしていなくても、一度動物病院で診てもらいましょう。急に大きくなる、出血する、ただれる、痛がるときは、早めに電話して相談してください。受診の前に、イボの大きさ・場所・写真・いつ気づいたかを記録しておくと、病院で伝えやすくなります。

年をとった犬は、体にイボやできものが見つかることが増えてきます。この記事では、イボのどこを見ればいいか、すぐ相談したほうがいいサイン、病院に伝えることと記録のしかた、家でできることを紹介します。良いものか悪いものかの推測はしません。迷ったら、かかりつけの動物病院に相談してください。

犬のイボとは?しこりやできものとの違いは?

犬のイボとは、皮膚の表面にできる、小さく盛り上がったできもののことです。皮膚の下にふれる「しこり」や、そのほかの「できもの」と合わせて、獣医師の解説では「皮膚のしこり・できもの」としてまとめて説明されることが多くあります。

獣医師が監修した解説では、しこりがある場合は基本的に腫瘍を指すとされつつ、腫瘍には良性のものも多く、見つけても悪性とは限らない、そして良性か悪性かは見た目だけでは判断できないと説明されています。英国の動物病院チャリティ(PDSA)も、しこりは外から見ると似ていることが多く、何なのかを知るには、たいてい細胞などの検体をとる必要がある、としています。

「イボ」「できもの」「しこり」と呼び方はちがっても、大切なことは同じです。見つけたら記録して、病院で診てもらう。この記事ではそれを中心にお伝えします。

イボのどこを見ればいい?

イボに気づいたら、次の点を見てみてください。あとで病院に伝えるときの手がかりになります。

見るところメモの例
場所左のわき腹、右前足の指の間、まぶた など
大きさ縦5mm・横4mm(定規で測る)
形平ら/ドーム状に盛り上がる/茎があってぶら下がる/カリフラワーのよう
色皮膚と同じ/ピンク/赤い/黒っぽい
かたさ・動きやわらかい/かたい、皮膚と一緒に動く/下にくっついている
表面つるつる/ざらざら、出血・ただれ・じゅくじゅくしている
愛犬の様子なめる・かく・さわるといやがる
数1つだけ/いくつもある(新しいものはどれか)

出典:PDSA「Lump monitoring」「Skin lumps on dogs」をもとに編集部作成(2026年10月23日に確認)

色や形、かたさが何を意味するかは、見た目だけでは決められません。表にあてはめて「これなら大丈夫」と判断するためではなく、病院に正確に伝えるために記録すると考えてください。

犬のイボで、すぐ病院に相談したほうがいいサインは?

次のようなときは、次の予約を待たずに、早めに動物病院に電話してください。

こんなときは、早めに動物病院に電話してください

  • イボやしこりが、数日〜数週間で目に見えて大きくなった
  • 出血している、ただれている、じゅくじゅくしている
  • さわると痛がる、しきりになめる・かく
  • 色や形、かたさが急に変わった
  • 短い間に数が急に増えた
  • 口の中、まぶた、指の間、肛門のまわりなど、生活に支障が出やすい場所にできた
  • イボのほかに、元気がない、食欲がない、体重が減った、などの変化がある
  • 大量に出血して止まらない(すぐ電話)

PDSAは、見た目が問題なさそうでも新しいしこりは獣医師に診てもらうこと、すでに様子を見ているしこりが変化したら診察を受けることをすすめています。変化のサインとして、大きくなる、形・表面・かたさが変わる、痛み、出血やにじみ出る液が挙げられています。

「様子を見ましょう」はどこまで?

米国の獣医腫瘍科の専門医が提唱している「See Something, Do Something」という呼びかけでは、えんどう豆くらい(約1cm)の大きさで、1か月続いているできものは、針で細胞をとるなどして調べることがすすめられています。「様子を見る」と言われたときは、何をどのくらいの間隔で確かめ、どう変わったら再受診するかを、獣医師に具体的に聞いておくと安心です。

動物病院に伝えること:大きさ・場所・写真・変化

病院では、イボについてくわしく聞かれます。次のことを伝えられるようにしておきましょう。

  1. いつ気づいたか:おおよその日付。トリミングやシャンプーのときに気づいた、など
  2. 場所:体のどこか。いくつもあるなら、どれが新しいか
  3. 大きさ:定規で縦・横を測った数字(mm)
  4. 変化:前より大きくなった、色が変わった、数が増えた
  5. 様子:出血・ただれ、なめる・かく、痛がる
  6. 全身の様子:元気・食欲・体重の変化
  7. 飲んでいる薬・持病

写真の撮り方

写真は、変化を伝えるいちばんの手がかりになります。PDSAは、獣医師から様子を見るように言われたしこりは、少なくとも週に1回、いくつかの角度から写真を撮り、定規で縦と横を測っておくことをすすめています。

  • 明るい場所で、毛をかき分けてイボ全体が見えるように撮る
  • 横に定規やコインを置いて、大きさがわかるようにする
  • 真上からと横からなど、いくつかの角度で撮る
  • 毎回、同じ距離・同じ角度・同じ明るさで撮る
  • 撮った日付がわかるように、イボごとにアルバムを分けておく

「イボの地図」をつくる

年をとって「イボだらけ」になってきた犬では、どれが新しく、どれが変わったのかがわからなくなりがちです。紙に犬の体の図(横向き・上から・おなか側)を描き、イボの場所に番号をつけて、番号ごとに大きさと日付を書いておくと、診察がとてもスムーズになります。記事の最後に、印刷して使える記録メモを用意しています。

犬の体の図にイボの場所を番号で書き、番号ごとに場所・大きさ(例:左のわき腹、縦5mm・横4mm)と日付をメモする「イボの地図」の図。写真は定規を横に置き、毎回同じ角度・明るさで撮る
番号ごとに場所・大きさ・日付を書いておくと、どれが新しく、どれが変わったかがわかりやすくなります。イラスト:いぬのながいき手帖

老犬のピンクのイボ。どう考えればいい?

「老犬 イボ ピンク」と調べる方がとても多いように、年をとった犬の体にピンク色のイボを見つけて心配になる方は少なくありません。

ピンク色かどうか、盛り上がっているかどうかといった見た目だけでは、どんなできものかはわかりません。インターネットの画像と見比べて「これと同じだから大丈夫」「これと似ているから悪いもの」と決めることはできないので、画像検索で判断するのはおすすめしません。新しくできたピンクのイボも、まずは一度病院で診てもらいましょう。

シニア犬でイボが増えたとき

年をとると、皮膚のできものが見つかることが増えます。ただ、いくつもあるからといって全部同じものとは限りません。新しくできたもの、急に変わったものは、それぞれ診てもらうことが大切です。どれをどう見ていくか、検査するかは、愛犬の年齢や体の状態をふまえて獣医師と相談しましょう。

定期的な健康診断のときに、記録しておいたイボの写真と地図を見せて、一緒に確認してもらうのもよい方法です。

病院ではどんな検査をする?

検査の内容は、イボの場所や大きさ、愛犬の状態、病院によって違います。獣医師が監修した解説では、次のような方法が紹介されています。

  • 細い注射針で細胞を少しとって調べる方法:ある程度どんなできものかがわかることがある
  • 切りとって病理検査をする方法:はっきりさせるためには、切りとって病理検査をする必要があるとされる

同じ解説では、様子を見ているうちに大きくなって、完全に切りとれなくなることがあるため、早めに受診することが大切とされています。どの検査ができるか、麻酔が必要かどうかは、かかりつけの獣医師に相談してください。

費用は検査の内容や病院によって大きく変わります。検査の前に見積もりを聞いておくと安心です。ペット保険の補償の対象になるかは、シニア犬のペット保険も参考に、保険会社に確かめてください。

犬にイボができたとき、家でできることは?

家でできること

  • イボの大きさ・場所・写真を記録し、決めた間隔(週1回など)で見直す
  • 自分で切る、糸でしばる、つぶす、市販薬や人の薬を塗ることはしない
  • なめたりかいたりするときは、服やエリザベスカラーについて病院に相談する
  • ブラッシングやトリミングのときは、イボにブラシやバリカンを当てないよう気をつける。トリマーさんにも場所を伝えておく
  • 首輪やハーネスがイボにこすれる場合は、位置や種類を見直す
  • 出血したときは、清潔なガーゼでやさしくおさえ、止まらなければ病院に電話する
  • 毎日なでるときに全身をさわり、新しいイボがないか確かめる

毎日のスキンシップは、愛犬にとっても安心の時間です。なでながら体をさわる習慣をつけておくと、小さな変化にも早く気づけます。

イボがあると「悪いものだったらどうしよう」と不安になりますが、見つけて記録して相談する、それだけで飼い主としてできることは十分にしています。ひとりで抱えこまず、獣医師と一緒に見ていきましょう。症状ごとに急いだほうがいいか迷ったら、すぐ病院か確かめるも参考にしてください。

よくある質問

老犬のピンクのイボは、様子を見ても大丈夫ですか?

色や形だけでは、どんなできものかはわかりません。ピンクのイボでも、新しくできたものは一度病院で診てもらい、様子を見てよいかどうかを獣医師に決めてもらいましょう。様子を見ると言われたら、大きさと写真を定期的に記録します。

イボを自分で取ってもいいですか?

自分で切ったり、糸でしばったり、市販薬を塗ったりするのは避けてください。出血や化膿のもとになることがあり、どんなできものかもわからなくなってしまいます。気になるときは動物病院に相談しましょう。

病院ではどんな検査をしますか?

獣医師が監修した解説では、細い注射針でできものの細胞を少しとって調べる方法や、切りとって病理検査をする方法が紹介されています。どの検査をするかは、できものの場所や大きさ、愛犬の状態をふまえて獣医師と相談します。

老犬がイボだらけになってきました。全部診てもらうべきですか?

数が多いときは、どれが新しいか、どれが変わってきたかを記録しておくと、診察がスムーズです。体の図にイボの場所を書きこむ「イボの地図」を作っておくのもおすすめです。どれをどう見ていくかは、獣医師と相談して決めましょう。

イボ・しこりの記録メモ(病院に見せる用)

印刷して、終わったものに印をつけて使えます。

  • いつ気づいたか
  • 場所(体の図に印をつける)
  • 大きさ(定規で縦・横を測る。mm単位)
  • 形(平ら/盛り上がる/茎があってぶら下がる)
  • 色(皮膚と同じ/ピンク/赤い/黒っぽい など)
  • かたさ(やわらかい/かたい)、動くか・くっついているか
  • 出血・ただれ・じゅくじゅく・におい
  • 愛犬がなめる・かく・さわるといやがるか
  • 写真(同じ距離・同じ角度で、定規を添えて)
  • 前回の記録からの変化

いぬのながいき手帖 https://inu-nagaiki.com/articles/roken-ibo/

参考にした情報

制度や料金は変わることがあります。最新の情報は、各機関・施設の公式サイトや窓口でご確認ください。

この記事の更新履歴

  •  獣医師の監修を経て公開しました。
  •  出典と数字を確認し、確認できなかった点の書き方を直しました。

内容の誤りや古い情報にお気づきの方は、お問い合わせからお知らせください。

この記事を書いた人

いぬのながいき手帖 編集部

老犬の介護・預け先・お別れについて、環境省・厚生労働省・自治体などの公的な情報と、獣医師の監修をもとに記事を作成しています。受診の目安など体に関わる内容は、獣医師の確認を経たものだけを公開します。

この記事の監修者

氏名非公開(獣医師)

体に関わる記事(受診の目安・家でのケアなど)は、獣医師が内容を確認しています。氏名は公開していません。

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