急いでいる方へ:すぐ病院か、様子を見ていいか

症状から確かめる →

01 症状と受診

犬の血尿。すぐ病院に行くべきサインと、尿の取り方・持って行き方

この記事の監修:獣医師 氏名非公開
体に関わる記事(受診の目安・家でのケアなど)は、獣医師が内容を確認しています。氏名は公開していません。

この記事のポイント

  • 犬の血尿とは、おしっこに血が混じり、赤・ピンク・茶色っぽく見える状態のことです。元気そうでも、その日のうちに動物病院へ電話して相談してください。
  • おしっこが出ない・少ししか出ないのに何度もしようとする、ぐったりしている、何度も吐くときは、様子を見ずにすぐ病院へ。
  • 尿は清潔で乾いた容器にとり、なるべく早く(獣医師監修の解説では採ってから2時間以内が理想)持っていきます。とれないときは、トイレシートの写真でも手がかりになります。
  • シニア犬の血尿は、軽く見えても早めの相談を。「余命」は血尿だけではわからないので、検査の結果をもとにかかりつけ医と話しましょう。

犬のおしっこが赤い、ピンク色、茶色っぽいと気づいたら、元気そうに見えても、その日のうちに動物病院へ電話して相談してください。おしっこが出ない・少ししか出ないのに何度もしようとする、ぐったりしている、何度も吐くときは、様子を見ずにすぐ病院へ向かいます。

受診のときは、尿を清潔な容器にとって、なるべく早く持っていくと検査の手がかりになります。とれなくても、トイレシートの写真があれば様子を伝えられます。この記事では、すぐ電話したほうがいいサイン、尿の取り方と持って行き方、病院に伝えること、シニア犬で気をつけたいことを順に紹介します。診断はしません。迷ったら、かかりつけの動物病院に電話してください。

犬の血尿とは?どんな色なら血尿?

犬の血尿とは、おしっこに血が混じっている状態のことです。量が多いと赤く見え、少ないとピンク色やうすいオレンジ色に見えることがあります。時間がたった血が混じると、茶色やコーラのような色に見えることもあります。目では色がわからず、尿検査で血が見つかる場合もあります。

おしっこの色は、飲んだ水の量や時間帯でも濃くなったりうすくなったりします。「いつもより濃い黄色」なのか「赤っぽい」のか迷うときは、白いトイレシートやティッシュに少し染ませて、明るいところで見てみてください。

見るところメモの例
色うすいピンク/赤/茶色・コーラ色/血のかたまりが混じる
どこが赤いか出はじめだけ/最後だけ/全体
回数・量いつもより回数が多い/1回の量が少ない
出し方何度もしゃがむ/いきむのに出ない/痛がって鳴く
ほかの様子元気・食欲・水を飲む量・吐いたか

出典:オリコン ペット保険「犬の血尿」(獣医師監修)、VCA Animal Hospitals「Urinary Issues」をもとに編集部作成(2026年10月23日に確認)

色や出かただけで原因を決めつけることはできません。見たことをそのまま記録して、病院に伝えることがいちばん役に立ちます。

犬の血尿で、すぐ病院に電話したほうがいいサインは?

次のようなときは、様子を見ずに、すぐ動物病院に電話してください。夜間や休日なら、夜間救急の動物病院に電話して、向かったほうがいいか聞きます。

こんなときは、すぐ動物病院に電話してください

  • おしっこが出ない、または何度もしようとするのに少ししか出ない
  • ぐったりしている、立てない・ふらつく
  • 何度も吐く、ご飯を食べない
  • おしっこのときに痛がって鳴く、お腹をさわると痛がる
  • 血のかたまりが出る、真っ赤なおしっこが続く
  • 転んだ・ぶつけた・交通事故などのあとに血尿が出た
  • 人の薬や殺鼠剤などを口にした心当たりがある
  • 歯ぐきが白っぽい、皮膚に赤い点やあざがある

海外の動物病院グループ(VCA)の案内では、何度もおしっこをしようとするのに少ししか出ない・出ない、おしっこが赤い・血が混じる、おしっこのときに鳴く、といった場合に受診をすすめ、立てない・歩けないほど具合が悪いときは救急病院へ、としています。国内の獣医師が監修した解説でも、尿がほとんど出ない、ぐったりしている、嘔吐をくり返すといった場合は緊急性が高く、すぐに受診するように書かれています。

とくに「おしっこが出ない」状態は、時間がたつほど体に負担がかかるとされます。迷ったら、まず電話で聞いてください。

元気でも、血尿なら病院に行ったほうがいい?

「血尿は出たけれど、ご飯も食べて元気」。こんなときも、その日のうちに動物病院に電話して相談するのが安心です。

国内の獣医師が監修した解説では、血尿に気づいたら、元気そうに見えても様子を見ずに、速やかに診察を受けることが大切だとしています。血尿の理由は、膀胱の炎症や結石のように比較的よくあるものから、詳しい検査が必要なものまでさまざまで、見た目や元気さだけでは区別がつかないためです。

様子考え方の目安
1回だけ赤っぽかった。元気・食欲ありその日のうちに病院へ電話して相談
血尿が続く、回数が増えている病院で診てもらう
治療してもくり返す病院で、ほかに調べることがないか相談
おしっこが出ない、ぐったり、吐くすぐ動物病院に電話

出典:オリコン ペット保険「犬の血尿」(まさの森・動物病院 院長 安田賢 監修)、VCA Animal Hospitals「Urinary Issues」をもとに編集部作成(2026年10月23日に確認)

「その日のうちに相談」とは、受診を何日か様子見で先にのばさず、気づいた日に病院へ電話して、いつ診てもらえばよいかを聞く、ということです。電話では、おしっこの色、回数、元気や食欲があるかを伝えましょう。診療時間外に気づいたときに、おしっこが出ない、ぐったりしているなど、上の「すぐ電話」のサインがあれば、夜間救急の動物病院に電話してください。シニア犬は、1回だけで元気そうに見えても、早めに相談しておくと安心です。

メスの犬で、発情期の出血と迷うとき

避妊手術をしていないメスでは、発情期に陰部から出血することがあります。獣医師が監修した解説では、発情期以外の出血、長く続く出血、量が多い出血は受診の対象としています。発情期かどうか分からないとき、いつもの発情期と様子が違うときも、病院に電話で聞いてみてください。

犬の尿の取り方と、病院への持って行き方

尿は、検査のいちばんの手がかりになります。受診の前に「尿を持っていったほうがいいですか」と電話で聞いておくと、必要な量や時間帯を教えてもらえます。

用意するもの

  • 浅いトレー、紙皿、使い捨ての食品トレーなど(洗ってよく乾かしたもの)
  • フタのできる清潔な容器(病院でもらえる採尿容器があれば、それがいちばんです)
  • 使い捨ての手袋
  • 容器に貼るラベル(犬の名前、採った日時)

英国の動物病院チャリティ(PDSA)の案内では、トレーは洗剤で洗ってすすぎ、完全に乾かしてから使うようにとしています。洗剤や水が残っていると、検査の結果に影響することがあるためです。

取り方

  1. いつものトイレの場所にリードをつけて連れていきます。
  2. おしっこを始めたら、静かにトレーを差し入れます。オスは横から、メスはお尻の下からそっと入れると取りやすいです。
  3. 少しずつ何回分も集めるのではなく、1回分でとります。
  4. 清潔な容器に移し、名前と採った日時を書きます。

驚いておしっこを止めてしまう犬もいます。うまくいかなくても大丈夫です。何度か試してとれないときは、病院に相談してください。

おしっこを始めた犬にトレーをそっと入れ、フタつきの容器に移し、名前と日時を書いて病院へ持っていく3つの手順の図
尿の取り方の流れ。とれないときは、トイレシートの写真でも様子を伝えられます。イラスト:いぬのながいき手帖

持って行き方と保管

国内の獣医師が監修した解説では、尿は採ったらなるべく早く持っていき、理想は採ってから2時間以内としています。PDSAの案内でも、できればそのまま病院へ届け、すぐ行けないときは冷蔵庫で保管するように、としています。冷蔵してよいか、何時間までよいかは、病院によって指示が違うことがあるので、電話で確認してください。

ポイント内容
容器清潔で乾いた、フタのできるもの
量病院に聞く(容器いっぱいでなくてよいことが多い)
時間なるべく早く。理想は採ってから2時間以内
すぐ行けないとき冷蔵保管(病院の指示に従う)
ラベル犬の名前・採った日時

出典:PDSA「How to collect a urine sample from your dog」、オリコン ペット保険「犬の血尿」(獣医師監修)(2026年10月23日に確認)

尿がとれないときは写真を

トイレシートに染みたおしっこは、検査にはあまり向きません。それでも、血尿の部分を写真に撮っておけば、色や量を伝える手がかりになります。おしっこをしているときの様子(何度もしゃがむ、いきむ、鳴く)を動画で撮っておくのもおすすめです。病院では、膀胱にたまった尿を直接とることもあります。

動物病院に伝えること・病院で行われること

電話のときも受診のときも、次のことを伝えられるようにしておくと安心です。

  1. いつから:最初に気づいた日時
  2. 色:ピンク、赤、茶色、血のかたまり
  3. 回数と量:いつもより増えたか、1回の量
  4. 出し方:何度もしゃがむ、出にくい、痛がる
  5. ほかの様子:元気・食欲・水を飲む量、吐いたか
  6. 心当たり:転倒、誤食、新しい薬、発情期
  7. 飲んでいる薬:お薬手帳や薬の袋

病院では、問診と体の診察のあと、尿検査(色、血・たんぱく・結晶・細菌などを調べる)がよく行われます。必要に応じて、超音波(エコー)検査、レントゲン検査、血液検査、尿の細菌を調べる検査などが追加されます。年をとった犬や、治療してもくり返す場合は、詳しい検査をすすめられることもあります。どの検査をするかは、犬の状態や病院の判断で変わります。

検査や治療の方針で分からないことがあれば、「今日わかったこと」「次に何をするか」「家で気をつけること」を、その場で聞いてメモしておくと安心です。

老犬の血尿で気をつけたいことは?余命との関係は?

軽く見えても、早めに相談を

国内の獣医師が監修した解説では、高齢の犬の血尿や、膀胱炎の治療をしても良くならない場合は、精密検査を受けることがすすめられています。年をとると、体の中で起きる変化の種類も増えていきます。「若いころの膀胱炎と同じだろう」と思わず、早めに病院で相談してみてください。

水を飲む量・おしっこの量もいっしょに見る

シニア犬では、血尿と一緒に、水を飲む量やおしっこの量が増える・減るといった変化が見られることもあります。水を飲む量の測り方は犬が水をよく飲むときに、腎臓のことは犬の慢性腎臓病にまとめています。

「老犬の血尿、余命は?」と不安なとき

年をとった愛犬に血尿が出ると、「もう長くないのでは」と心配になる方も多いと思います。けれど、血尿だけで余命はわかりません。理由によっては、治療でおさまることもあります。数字を探して不安になるよりも、検査の結果をもとに「今どんな状態で、これからどんなことが考えられるか」を、かかりつけの獣医師に聞いてみてください。犬の年齢の目安は犬の平均寿命にまとめています。

おむつをしている犬

おむつをしている犬では、血尿に気づきにくいことがあります。交換のときに、おむつの色を見る習慣をつけておくと安心です。白いパッドを使うと色の変化がわかりやすくなります。

犬が血尿のとき、家でできることは?

病院に相談したうえで家で過ごすときは、次のことを心がけてください。

家でできること

  • いつでも新しい水を飲めるようにしておく
  • おしっこを我慢させないよう、トイレに行ける回数を増やす
  • おしっこの色・回数・量をメモし、写真を撮る
  • 処方された薬や療法食は、自己判断でやめずに続ける
  • 人の薬やサプリメントを自己判断で与えない
  • お尻・陰部まわりを清潔にし、寝床が汚れたら替える
  • 体を冷やさないよう、寝床をあたたかく整える
  • 良くなったように見えても、再診の予定は守る

夜中に「おしっこが出ていない」と気づいたら、夜間・休日に動物病院を探すにはを参考に、夜間救急に電話してください。症状ごとの受診の目安はすぐ病院か確かめるでも確かめられます。

犬の血尿、治療費はどのくらい?

治療費は、原因や検査の内容、通院の回数で大きく変わります。保険会社などが公表している例を紹介します。

項目金額の例
一般的な膀胱炎の治療1万円〜3万円程度
外科手術が必要な場合10万円以上
膀胱炎(10歳以上の犬)の年間診療費平均 33,331円/中央値 16,900円
10歳以上の犬の年間診療費(病気全体)平均 172,742円/中央値 99,346円

出典:オリコン ペット保険「犬の血尿」(獣医師監修)、アニコム損害保険『家庭どうぶつ白書2025』(2026年10月23日に確認)

あくまで目安です。受診のときに、検査や治療にどのくらいかかりそうか聞いておくと安心です。ペット保険のことはシニア犬のペット保険にまとめています。

血尿に気づいたときの不安は大きいものです。ひとりで抱え込まず、まず電話してみてください。それだけで、次にすることがはっきりします。

よくある質問

犬が血尿をしても、元気なら様子を見ていいですか?

元気そうに見えても、血尿に気づいたら、その日のうちに動物病院に電話して相談するのが安心です。獣医師が監修した解説でも、様子を見ずに早めに診てもらうことがすすめられています。

尿はどうやって取ればいいですか?

おしっこを始めたところで、洗ってよく乾かした浅いトレーや紙皿をそっと差し入れ、清潔な容器に移します。容器には犬の名前と採った日時を書き、なるべく早く病院へ持っていきます。すぐ行けないときの保管方法は、病院に電話で確認してください。

トイレシートに染みたおしっこでも検査できますか?

シートに吸われた尿は検査には向かないことが多いです。シートを裏返して使う方法などを病院に聞いてみてください。尿がとれないときは、シートの色の写真を撮って持っていくだけでも、様子を伝える手がかりになります。

老犬の血尿は、余命が短いサインですか?

血尿だけで余命はわかりません。血尿の理由はさまざまで、治療でおさまることもあります。年をとった犬では、詳しい検査をすすめられることもあります。結果をもとに、これからのことをかかりつけの獣医師と話してみてください。

メスの犬で、生理(ヒート)の出血と血尿の見分けがつきません。

避妊手術をしていないメスでは、発情期に陰部から出血することがあります。発情期ではない時期の出血、長く続く出血、量が多い出血は、病院に相談してください。迷うときも電話で聞いて大丈夫です。

犬の血尿:病院に電話する前のメモ

印刷して、終わったものに印をつけて使えます。

  • いつ気づいたか(日時)
  • おしっこの色(ピンク/赤/茶色・コーラ色/血のかたまり)
  • おしっこの最初・最後・全体のどこが赤いか
  • 1日の回数と1回の量(いつもと比べて)
  • 何度もしようとするのに出ない・少ししか出ないか
  • おしっこのとき痛がる・鳴くか
  • 元気・食欲・水を飲む量・吐いたか
  • メスなら発情期かどうか
  • 飲んでいる薬、最近の転倒やけが
  • 尿(清潔な容器・名前と採った日時)または写真

いぬのながいき手帖 https://inu-nagaiki.com/articles/inu-ketsunyo/

参考にした情報

制度や料金は変わることがあります。最新の情報は、各機関・施設の公式サイトや窓口でご確認ください。

この記事の更新履歴

  •  獣医師の監修を経て公開しました。
  •  アニコム白書の表で、平均値・中央値の列を確かめました。

内容の誤りや古い情報にお気づきの方は、お問い合わせからお知らせください。

この記事を書いた人

いぬのながいき手帖 編集部

老犬の介護・預け先・お別れについて、環境省・厚生労働省・自治体などの公的な情報と、獣医師の監修をもとに記事を作成しています。受診の目安など体に関わる内容は、獣医師の確認を経たものだけを公開します。

この記事の監修者

氏名非公開(獣医師)

体に関わる記事(受診の目安・家でのケアなど)は、獣医師が内容を確認しています。氏名は公開していません。

急ぎの方:すぐ病院か確かめる